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■今日のテーマ 「琵琶湖のタンポポ?は『ブタナ』」 2004/6/15 No.186
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185号で紹介した「琵琶湖の在来種のタンポポ?」についてたくさんの方
からメールがあり、あれは『ブタナ』というタンポポに似ているけれども違う
種類の植物であることがわかりました。今号は寄せられたメールを紹介します。
●「栗田」さんより
今回の柄の長いタンポポの写真みました。
この花は多分、「タンポポモドキ」又は「ブタナ」という
名前の花ですね。
北海道とかの牧草地では、6月~7月にかけてよくみることが
できます。もちもん本州でも牧草地や草原、芝生のなどの
日当たりの良い場所で多く見られます。
●「Iwabuchi」さんより
写真の草はブタナだと思われます。
ヨーロッパ原産のキク科の花です。
道路沿いにどんどん広がってきています。
旅行にいくと植生が変わって面白いですね。
●「野田さん、本多さん」より
これは、れっきとした帰化植物で「ブタナ」(フランス語名が豚のサラダ
なのだそうです)と呼ばれている植物です。金沢でも、旧癌研付属
病院の構内にはたくさん茂っています。
花茎が枝分かれしているのが特徴です。
全くの素人さんは、こういうものを在来タンポポと思ってしまいますので、
アマチュアを動員したタンポポ調査などでは、そのデータはかなりいい加減な
ものといわなければなりません。さらに困難なのは、在来タンポポとセイヨウ
タンポポの雑種が最近増えています。ですから、「タンポポ調査」というのは、
簡単で面白そうですが、じつは大変難しいものなのです。
ブタナについてもう少し詳しく説明しますと、
学名 Hypochoeris radicata L. の Hypochoeris は hypo(のため)+
choeros(子豚)、radicata は(根を有する)の意味です。すなわち、
「子豚のための根を有する」という意味になります。豚がこの植物の根を好む
ことによると言われています。
日本の帰化植物(平凡社)や野に咲く花(山と渓谷社)では、北村四郎に
よって兵庫県六甲山に帰化したものにフランス語名(Salade de pore
ブタのサラダ)を訳してブタナ(豚菜)の名が付けられた、とあります。
実際に豚が好むかどうかは分かりませんが、「豚菜」は決して差別的な表現
ではなく、この植物の性質を表した良い名前だと思います。
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■ちょっとコメント■
私は中学の理科の先生ですが、生物と地学は特に苦手です。そんなことを
言って逃げてはいけないというお叱りの声も聞こえてきそうですが、私は
『ブタナ』については本当に初めて知りました。良い勉強になりました。
そもそも、この「ちょっとサイエンス」は自分の理科・科学の勉強のためにと
2000年9月から始めたもので、もうすぐまる4年になります。
これまで続けられているのもあたたかい読者からのメールによるものだと
感謝しています。これからもよろしくお願いいたします。
■「読者からのメール」より■
●「ぷなるじゃん」さんより
いつも楽しく読ませていただいています。
ひとつ質問があります。
「にんにくの臭いは何時間くらいで身体から消えるのでしょうか?」
にんにくは大好きなのですが、やっぱり臭いが気になってしまって、なかなか
食べられません。
で、ふと上記のような質問が頭に浮かんだのです。
また、「生のにんにく」と「調理した(火を通した)にんにく」とでは、臭い
に差が出るものなのでしょうか?
臭いの強さ、とか、臭いが消えるまでの時間などの違いってあるのでしょうか?
私は今トルコに住んでいるのですが、トルコでは生のにんにくをすりつぶして
ヨーグルトに混ぜて揚げ茄子や人参をいためたものなどにかけたりするんですよ。
とってもおいしいんです。
よかったら、めるまがで取り上げてくださるとうれしいです。
では、これからも楽しみにしています♪
→Fujikenより
ニンニクの臭いを科学的に解明できるのでしょうか?
ちょっと不安もあるのですが、遠いトルコ在住の「ぷなるじゃん」さんの
質問に良き回答をお待ちしています。
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■今日のテーマ 「あっ!ホタルが光ってる!!」 2004/6/22 No.187
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ホタルは体長5~20mmほどで、日本には20種類程度が知られていて、
約10種類は腹部が発光し、明滅します。
ゲンジボタル、ヘイケボタルは特に有名で、ゲンジボタルの方がヘイケボタル
の約2倍の大きさがあります。
幼虫は清流に住む物が多く、六月頃羽化します。
古来から文学にもよく登場する昆虫です。
なぜ光るのか?というと、光る目的はオス、メスが場所を知らせ、交尾する
ためだと考えられています。
発光のメカニズムは、いくつかのタイプがありますが、ホタルには発光素
(ルシフェリン)と呼ばれる比較的簡素な構造の化学物質が、分子量1万の
発光酵素(ルシフェラーゼ)のもとで、酸化、放出されるエネルギーでその
発光効率はほぼ90%で、ほとんど熱のでない冷光です。
ホタルの腹部にある発光部には、表皮の下にそれらの物質を含む発光細胞層と、
その奥にたくさんの尿酸塩結晶を含む反射細胞があり、鏡のように光を外側へ
はねかえします。発光細胞には気管が延びていて神経からの命令で酸素を送り
出し、発光反応を起こさせます。
ところで、話は我が家のことになるのですが、我が家では給料が出るとよく
近くの焼き肉屋さんへ行くことにしています。仕事してお金がもらえてこんな
おししい焼き肉が食べられるんだ。また頑張ろう!というような具合です。
5月の下旬、いつものように焼き肉屋さんへ行った帰り道、表通りを通らず、
裏の建物はなく竹やぶと木々と草むらの中の小道を帰っていた途中でした。
「ピカッ」と何か光るではありませんか!
「あっ!ホタルや!!」と私が言うと家族みんなが「ほんとや!ホタルや!」
と見回してみると、あちこちで光っていたのです。その数は二、三十はあった
と思います。
私は生まれて始めてホタルを見たので感激してしまいました。