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■今日のテーマ 「琵琶湖の在来種のタンポポ?」 2004/6/8 No.185
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タンポポといえば、誰もが知っている野草ですが、大きく分けると古来から
日本にあるタンポポ(在来種)と、外国から日本に入ってきた「外来種」とが
あります。
外来種のタンポポは「セイヨウタンポポ」といい、花のがくにあたるところ
(タンポポはキク科で、小さい花が集まって出来ています。)を「総ほう」と
いうのですが、その外側の部分が反り返っているのですぐにわかります。
一方の在来種のカンサイタンポポなどは総ほうの外片が反り返らず、見た感じ
で言うと、セイヨウタンポポは力強さを、カンサイタンポポはやさしさを感じ
させます。
大阪府では毎年このタンポポの調査を行っていますが、セイヨウタンポポの
方が、毎年少しずつ増えてきていて、地域で言うと4:1位の割合でセイヨウ
タンポポの方が多くなっているところが多くなっています。
さて、私は先日、中学2年生のキャンプの引率で琵琶湖に行ったのですが、
とても変わったタンポポ?を見たのです。
柄がとても長く、タンポポのようでタンポポでないかもしれません。
総ほうの外片が反り返っていなかたので、琵琶湖周辺の在来種のタンポポだと
思います。
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■今日のテーマ 「琵琶湖のタンポポ?は『ブタナ』」 2004/6/15 No.186
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185号で紹介した「琵琶湖の在来種のタンポポ?」についてたくさんの方
からメールがあり、あれは『ブタナ』というタンポポに似ているけれども違う
種類の植物であることがわかりました。今号は寄せられたメールを紹介します。
●「栗田」さんより
今回の柄の長いタンポポの写真みました。
この花は多分、「タンポポモドキ」又は「ブタナ」という
名前の花ですね。
北海道とかの牧草地では、6月~7月にかけてよくみることが
できます。もちもん本州でも牧草地や草原、芝生のなどの
日当たりの良い場所で多く見られます。
●「Iwabuchi」さんより
写真の草はブタナだと思われます。
ヨーロッパ原産のキク科の花です。
道路沿いにどんどん広がってきています。
旅行にいくと植生が変わって面白いですね。
●「野田さん、本多さん」より
これは、れっきとした帰化植物で「ブタナ」(フランス語名が豚のサラダ
なのだそうです)と呼ばれている植物です。金沢でも、旧癌研付属
病院の構内にはたくさん茂っています。
花茎が枝分かれしているのが特徴です。
全くの素人さんは、こういうものを在来タンポポと思ってしまいますので、
アマチュアを動員したタンポポ調査などでは、そのデータはかなりいい加減な
ものといわなければなりません。さらに困難なのは、在来タンポポとセイヨウ
タンポポの雑種が最近増えています。ですから、「タンポポ調査」というのは、
簡単で面白そうですが、じつは大変難しいものなのです。
ブタナについてもう少し詳しく説明しますと、
学名 Hypochoeris radicata L. の Hypochoeris は hypo(のため)+
choeros(子豚)、radicata は(根を有する)の意味です。すなわち、
「子豚のための根を有する」という意味になります。豚がこの植物の根を好む
ことによると言われています。
日本の帰化植物(平凡社)や野に咲く花(山と渓谷社)では、北村四郎に
よって兵庫県六甲山に帰化したものにフランス語名(Salade de pore
ブタのサラダ)を訳してブタナ(豚菜)の名が付けられた、とあります。
実際に豚が好むかどうかは分かりませんが、「豚菜」は決して差別的な表現
ではなく、この植物の性質を表した良い名前だと思います。
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■ちょっとコメント■
私は中学の理科の先生ですが、生物と地学は特に苦手です。そんなことを
言って逃げてはいけないというお叱りの声も聞こえてきそうですが、私は
『ブタナ』については本当に初めて知りました。良い勉強になりました。
そもそも、この「ちょっとサイエンス」は自分の理科・科学の勉強のためにと
2000年9月から始めたもので、もうすぐまる4年になります。
これまで続けられているのもあたたかい読者からのメールによるものだと
感謝しています。これからもよろしくお願いいたします。