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■今日のテーマ 「露頭からわかること(砂れき層と斜交葉理)」 2004/1/13 No.164
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地学研修レポートの第2回目です。
前回No.162で「神戸層群の断層」について説明しました。
今回はその露頭をくわしく見ると何がわかるのかをレポートします。
まず、第1にこの地層を作っているのは、砂、れき、泥がまじった状態で固ま
っているということです。
もし、これらが、はっきり、れき・砂・泥と分かれているのならば、そこが
出来た当時の水流は遅く、大きさのそろった粒が集まったと考えられます。
しかし、この露頭のように、特にれきと砂が混じった状態で固まっているのを
見ると、水の流れが速く、れきが沈む前に次の水がやってきてれきを動かし、
砂と混じったいわゆる「砂れき層」をつくった考えられます。
つぎに、写真では少し分かりにくいですが、その砂れき層の中のれき(石)の
並び方が、斜めに交互に重なっているのが見られます。
これは「斜交葉理(クラスミナ)」と呼んでいて、水が激しい動きになってい
るときに見られる特徴です。
また、その砂れき層の中のれき(石)の傾きから水の流れていた方向を推測す
ることができます。
これらのことから、この地層が出来たとき、この場所は「激しい水の動きがあ
った場所である。」ということが出来るのです。
残念ながらメルマガでは写真は送れないので、写真は私のホームページ
「Fujikenのフォトスタジオ」に載せていますので是非見て下さい。
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■今日のテーマ 「凝灰岩層に見つかる木の葉の化石」 2004/1/20 No.165
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地学研修第3回目のレポートです。
地層に見つかる凝灰岩層は主に火山灰が堆積してできた岩石で、大きな火山
活動であれば、広い範囲で同じ成分の凝灰岩層が見られます。
そのマグマの性質から鉱物の組成やガラスの屈折率などから同じ凝灰岩層で
あると判定できるので、地層のつながりや、広大な地域での凝灰岩層ができ
た時代を知る手がかりとなるので、よくこういう凝灰岩層を「鍵(カギ)層」
と呼んでいます。
つまり、凝灰岩層から堆積した時代がわかったり、広い範囲をつなげるポイ
ントとなるのです。
ところで、今回行ったのは六甲山の東条湖畔の有名な凝灰岩層のあるところで、
そこから「木の葉」の化石がたいへんよく見つかるのです。
その化石は凝灰岩の成分分析から1500万年前と言われていたのですが、
最近修正され、3000万年前の木の葉の化石であるとされています。
木の葉の化石が見つかったら、その岩石をもう一度軽くたたくだけで、中に
別の木の葉の化石が見つかることが多くあります。
これは、木の葉がバラバラに堆積したのではなく、固まって堆積した証拠であ
り、木の葉の化石が中にあると化石のあるすきまの方向に割れやすいためです。
そして、木の葉の化石が見つかったということから、そこは昔大きな湖であっ
たということができます。