~勇者が行く~(4)

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目次( 1 / 1 )

- 目次 -

【本編】

序章
第一章
外伝(壱)
第二章
外伝(弐)
第三章
外伝(参)
第四章
外伝(肆)
第五章
外伝(伍)
第六章
外伝(陸)
第七章
外伝(漆)
第八章
外伝(捌)
第九章
外伝(玖)
第十章
外伝(拾)
第十一章

エンディング

【付録】

登場人物
魔法&特技

本編( 1 / 23 )

第四部:序章

第四部

 

4-1:世界〔13歳:LEVEL40〕
魔神は倒れ、世界の平和は守られた。
誰もが…そう思っていた。

~帝城:式典の間~
司祭「汝、天の子「塔子」…今さら出てきた汝でも「皇女」と認めてやるから超喜べ。」
盗子「えっ、なにその驚くべき上から目線!?」
司祭「オケーイ!天も仕方なく認めた、これで儀式はフィニッシュですどうぞー!」
盗子「ちょっ、アタシまだ何も…!」
民衆「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!(大歓声)」

~帝城:展望の間~
勇者「ふぅ~…。」
賢二「あ、こんな所にいたんだね勇者君。凄い盛り上がりだったよ式典?」
勇者「フン、暇人め。俺は俺が主役の集まり以外に興味は無い。あと姫ちゃんな。」
賢二「でも変な気分だよね…あの盗子さんが、末は世界の最高権力者なんだよ?」
勇者「ん…?ふむ、最高権力…か…。」
賢二「あれ…?ここはいつもなら「そんなの認めるか!」ってキレるとこじゃない?」
勇者「…いや、認めるよ。奴がトップ…この状況考えりゃ、もはや誰もが認めよう。」
賢二「ゆ、勇者君…?」

勇者「奴相手ならば、奪うのは容易だな。」

帝都に悪の魔手が。

 

4-2:依頼〔13歳:LEVEL40〕

なんともムカつくことに、盗子の奴ホントに「皇女」になりやがったらしい。世も末だ。
その夜、ちょっと調べたいことがあった俺は、暇潰しに芋っこの部屋へと向かった。
勇者「よぉ芋っこ、相変わらず芋臭い部屋だなオイ。」
芋子「あ~お久しぶりね。先輩も式典見に来てたのね芋食いたい。」
勇者「残念だったなぁ。奴さえいなけりゃお前が玉座で威張り散らせたのによぉ。」
芋子「別に興味ないわ。ワタイは芋さえ食えれば問題ないし、むしろ面倒は御免。」
勇者「だが「皇女」じゃなくなるんだろ?果たして今まで通り食えるかどうか…。」
芋子「早急に暗殺部隊を組織するわ。」
勇者「その執着が国政に向けば、いい王になると思うんだがな…。」
芋子「いずれは芋を国宝に。」
勇者「そうならないで良かったよ。」
芋子「最終的には芋が即位。そして世界は…」
勇者「いや、もういいから正気に戻ってくれ。」
芋子「ま、意外と問題ないわよ。皇族は皇族だしね、権威としては十分じゃない?」
勇者「フッ、そうか…それを聞いて安心したぜ。」
芋子「やっぱりね、何か頼みがあるんだとは思ってたわよ。 で、何なの?何芋?」
勇者「全国から「歴史家」をかき集めろ。「人神大戦」…その詳細を、知る者をな。」

盗子には頼らない。

 

4-3:報告〔13歳:LEVEL40〕
そして数日後…。

ガチャ(扉)
紳士「おぉ勇者殿、ここにいらしたか。探しましたぞ。」
勇者「なんだ、遅かったじゃないか。歴史家集めの調子はどうだ?」
紳士「残念なお知らせがあります。全国の歴史家、その全てが…惨殺されました。」
勇者「なっ!? お…俺じゃないよな?」
賢二「なんで自信無いの!?無意識にやっちゃう行為じゃないよ!?」
紳士「原因は現在調査中です。ただ、全員が同じ日に…まず同じ一派でしょうね。」
勇者「チッ…だがどうやら俺の読み通りらしいな。敵はまた、古い奴らに違いない。」
賢二「まだ終わってなかったなんて…。なんかガックリだね…。」
勇者「まぁ問題ない。いるだろ?学んだわけじゃなく…実際に、当時を知る者がな。」
賢二「え゛!そ、それってまさか…校」
ガチャ(扉)
勇者「ッ!!!」


洗馬巣「お呼びですか?」

違って良かった。

 

4-4:犯人〔13歳:LEVEL40〕

何者かに先手を打たれ、歴史家は全滅…。もはや洗馬巣に期待する他ないっぽい。
勇者「そうか貴様も化け物の類だったか。ったくなんでこんなに長生きが多いんだ。」
賢二「あっ、まさか洗馬巣さんも当時戦ってたクチだったりするんですか…?」
洗馬巣「いえいえ、もう歳でしたので。」
勇者「貴様は一体何歳なんだ。」
洗馬巣「で、何を聞きたいのですかな?詳しくは知りませんが、それでも良ければ。」
勇者「古代神…十二の神は、誰かが呼び寄せた可能性があると…そう思うんだ。」
洗馬巣「らしいですねぇ。」
賢二「えっ…アレレ!?」
勇者「オーケーすまんが1分前からやり直させてくれ。今お前らは幻聴を聞いた。」
洗馬巣「確か…「覇王:欧剣(オウケン)」殿が黒幕だったとか違ったとか…。」
勇者「欧剣?「十賢人最強」と言われつつも魔神にアッサリやられたと聞いたが?」
声「…いや、生きていたのだよ。」

校長「死んだように見せかけて…な。」

賢二は死んだフリをした。

 

4-5:先遣〔13歳:LEVEL40〕
来ないと見せかけてやっぱり来やがった校長。まぁ情報源が増えたのは嬉しいが。
洗馬巣「おぉ、これはこれは理慈殿。その歳にしてそのツヤツヤ感、羨ましいです。」
校長「アナタも変わらないですな洗馬巣さん。怖ろしいほどに。」
勇者「よぉ霊山以来だな校長、何しに来たんだよ?遊びに来たわけじゃあるまい?」
校長「ふむ…かねてより不穏な気配のあった「メジ大陸」に、動きがあってな。」
勇者「メジ大陸…なぜか歴代「魔王」の多くが城を構えるという謎の大陸か…。」
賢二「その不穏な動きって、具体的にどんなことがあったんですか?」
校長「築城だ。誰の物ともわからん城が、魔神陥落と時を同じくして完成したのだ。」
勇者「オイオイ城かよ…さすがの俺も恐縮するぞ。」
賢二「え!なんで自分用と思えちゃうの!?いや、確かに似合ってはいるけども!」
勇者「だが貴様のことだ、何かしらの対策は打ったんだろう?悪魔的な何かを。」
校長「既に先遣隊は派遣してある。ここ数日連絡が無いのが…気がかりだがな。」

~その頃~
宿敵「くっ、僕らの部隊も残り二人…他はどうです?こうなったら集結しないと…!」
美風「オーケー、風を読んでみるわね…うん、全滅。」
宿敵「うわぉ!!」
メンバー的に勝ち目は無い。

 

4-6:全滅〔13歳:LEVEL40〕
メジ大陸の動きを怪しみ、校長が派遣した先遣隊…。
だがその戦況は、凄まじく絶望的にもうダメっぽい。

宿敵「ぜ、全滅ってそんなバカな…!結構な大軍で押し寄せたのに!?」
美風「…間違いないわね。周囲数キロ圏内の情報は、風が教えてくれんのよ。」
宿敵「カレンって子とそのファン「歌憐隊」の方々は!?確か五千はいたかと…!」
美風「だ・か・ら・全・滅!大人数でもアイドルオタクの戦闘力なんて知れてるし~。」
宿敵「じゃ、じゃあ白って先輩は!?確か「もやし」とかいう謎の職業だとか…!」
美風「早々に…。」
宿敵「くっ、なんてことだ…!」
美風「だから今日は晴れだってあれほど…!」
宿敵「え、そういう生き物!?逆によく今日まで生きてこられましたね!」
美風「先遣隊で残ってるのは、もうアタシ達だけよ。なんかもう美風さん諦めモード。」
宿敵「だ、ダメだ諦めちゃ!大丈夫、諦めなきゃきっとなんとかなりますから!」
美風「へぇ~前向きねぇ宿敵ちゃん。なんか根拠でもあるわけ?」
宿敵「僕は今まで…死んだことがない。だからだっ!!」

それ誰でも言える。

 

4-7:回想〔13歳:LEVEL40〕
そして帝都では、校長の昔話タイムが始まろうとしていた。

勇者「さぁ話すんだ校長。その裏切り者について、貴様の知っている全てをな。」
校長「うむ…それは「勇者:救世主(メシア)」が、魔神を封じようとした時のことだ。」
勇者「…なるほど、その隙を突いて欧剣ってのが現れたんだな?」
校長「封印の際、巻き込まれぬよう私は離れていた。戦闘の音が聞こえただけだ。」
賢二「え?じゃあなんでその人が裏切り者ってわかったんですか?」
校長「術式完了直前に降ってきた、彼の亡骸にあったのだ。みずからの罪を記した」
賢二「遺書…?いや、でもそんなの誰にでも偽装でき…」
校長「絵日記が。」
賢二「絵日記が!?そんな少年の心を持った悪の黒幕っているんですか!?」
勇者「救世主に聞きゃ良かったんじゃないのか?倒した時に何か聞いたかもだろ?」
校長「ふむ、それがな…術の発動以降、彼を見た者はいないのだよ。」
勇者「あん?なんだ、そいつも死んで海の藻屑と消えた感じなのか?」
校長「それはわからん。 だが何年も探したよ、手は尽くした。」
賢二「そうなんですか…。」
校長「指名手配もした。」
勇者「そのせいだろ。」

賢二は逃げまいと誓った。

 

4-8:神具〔13歳:LEVEL40〕

校長の話で、欧剣ってのが悪だったのはわかった。だがまったくもって釈然とせん。
欧剣は死体まで確認されている、となると俺の仮説…神を呼んだ黒幕は誰なんだ?
校長「さて…では私はそろそろ行くとしよう。まだ用は済んでいないのでな。」
勇者「ちょっと待て、その前に一つ聞きたい。全ての神の末路…知ってる限り話せ。」
賢二「あ、そういえばまだ名前も上がってない人が何人か…。」
校長「いいだろう…。神の多くは、その能力ゆえ可能な限りトドメは錬樹が刺した。」
勇者「あぁ、そういや自分で殺した奴だけ武具に練成できるって言ってたなぁ。」
校長「彼が倒したのは破壊神、鬼神、風神、雷神…結果的に守護神もそうか。」
勇者「んで邪神、暗黒神、魔神は封印され…8体だな。残りの4体は誰がやった?」
校長「死神は私だ。」
勇者「わかってる。」
賢二(今のはなんか意味が違うような…。)
校長「残りは救世主が倒した。チリも残らぬほど、跡形も無く…消し去ってな…。」
勇者「跡形も無く…?よくわからんな、ちょっと賢二で試してみてくれ。」
賢二「え、なんでっ!?」
勇者「退屈だから。」
賢二「えぇっ!?」

やっぱ辛いわ、わかるよ親父。

遺伝ってスゴい。

 

4-9:予言〔13歳:LEVEL40〕
その晩。

賢二「ハァ~…なんか進展があったようで無かったような状況だね。」
勇者「ふむ、どうするべきかサッパリだな。こうなったら…む?貴様は確か…。」
占い師「あて無き道行く、彷徨える子羊よ。道が欲しくば授けよう。」

怪しい「占い師」が現れた。

勇者「よぉ謎のローブの占い師。前の占いはことごとく的中したよ、やるなぁ貴様。」
占い師「時は来た。終わりの始まりが、世を混沌へと導くだろう。」
勇者「うむ、さっぱりわからん。チョメ太郎語で話してくれ。」
賢二「もっと謎にしてどうするの!?」
占い師「西の大地を目指すがいい。そこで汝は、運命の選択を迫られるだろう。」
賢二「西って…状況からして「メジ大陸」を指してるのかなぁやっぱり…?」
占い師「まるで「閉店セール」が如く、盛大に別れが大バーゲンだろう。」
賢二「なにその死亡フラグ!?そ、その特価品の中に僕はいますか!?ねぇ!?」
勇者「やはり戦いが待っているんだな…。それも、魔神戦より大きな…。」
占い師「心して行くがいい勇敢なる者よ。暗黒は、すぐそこまで迫っているのだ。」

悪いがヤル気が起きん。

シリアスモードの副作用か。

 

4-10:裏切〔13歳:LEVEL40〕
前に色々当てた占い師に、暗に「メジ大陸」へ向かえと言われた。やれやれだぜ…。
勇者「ふぅ…仕方ない、行くとするか。運命ならば、どのみち逃げられまい。」
賢二「僕も…なんだよね?ハァ~…で、どうしよう?今回は誰を誘って行く?」
勇者「例のごとく姫ちゃんは見当たらないしな…。」
賢二「もう「習性」と思って諦めようよ…。 あ、ここなら強い兵隊さんとかいるよね?」
勇者「…いや、帝都の民は信用ならん。皆には黙って、俺達だけで向かうとしよう。」
賢二「え、どういうこと…?何か思い当たるフシでもあるの?」
勇者「帝牢から逃げた黒錬邪…奴には「呪縛錠」が無かった。妙だとは思わんか?」
賢二「あっ、そういえばそれって簡単には外せないはず…!」
勇者「かつて五錬邪ごときが、帝都を壊滅寸前に追い込んだというのも不可解だ。」
賢二「ど、どういう意味!?もっと別の要因があったってこと…!?」
勇者「その時、二代目黄錬邪ってのがいたらしいが…正体もその後も誰も知らん。」
賢二「え、じゃあその二代目さんに扮して、帝都の内情を知る…誰かが…!?」
勇者「ああ、裏切り者がいる可能性がある。 しかも…それなりの地位にな。」
賢二「そ、そんな…!」

勇者「だから盗子は置いてく。」
賢二「それ言いたかっただけ!?」
盗子の即位は最近だが。

 

4-11:対峙〔13歳:LEVEL40〕
勇者と賢二がノンキに話していた頃、帝都の外れでは…。

占い師「さて…言うべきは言った、私も早く「あの方」の所へ戻るとしようか…。」
校長「おっと、そうはいかん。私は貴様を探して、わざわざ出向いたのだからなぁ。」
占い師「…私は旅の、しがない占い師。アナタ様とは何の関わりもありませんが?」
校長「前に魔神降臨を予言した貴様だ、その力は十分認めているよ。安心しろ。」
占い師「やれやれ、仕方ない…お話だけでも伺いましょう。何のご用件ですか?」
校長「魔神撃破と城の完成…時期が合いすぎだ。未来でも読めねばわかるまい。」
占い師「…何の話かわかりませんが、少々無理矢理なこじつけではありませんか?」
校長「フッ、ここでは日常茶飯事だ。」
占い師「なんてあんまりなお答え…。」
校長「”奴”が…復活したのだな?貴様はそれを予知し、奴のために城を築いた。」
占い師「ッ!!?」
校長「その反応…どうやら当たりのようだ。当てずっぽうも言ってみるものだ、な!」

校長は占い師のローブを剥ぎ取った。

なんと!正体は執事の紳士だった。

校長「貴様は…!まさか帝都の内部に、奴に通じる者がいようとは…ぬかったわ。」
紳士「フッ、さすがは古き英雄…勘だけで見破るとは、やはり怖ろしい人ですね。」
校長「まずは貴様からだ。我が命に代えても、世界の破滅は食い止めねばならん。」
紳士「急がずとも…そう遠からぬ未来に、汝は西の大地で朽ち果てるだろう。」
ビュォオオオオオオ!!(砂嵐)

突然、激しい砂嵐が吹き荒れた。

校長「くっ、自然の竜巻か…!?まさかこの展開まで読んで…!」
声「またお会いしよう。我が名は「夜玄(よげん)」…物語の結末を、知る者なり。」

創造主にライバルが。

 

4-12:再会〔13歳:LEVEL40〕
そして翌朝。

勇者「よし、行くぞ賢二! 相当な長旅だ、まずは膝の屈伸からー!」
賢二「えっ、徒歩なの!?「飛行鳥」とか借りてけば一晩あれば着くんじゃない…?」
勇者「確かにそうだがそりゃダメだ。なぜなら今の俺じゃ…むっ、上かっ!?」

なんと!空から美風が現れた。

勇者「貴様は「風読師」…!?人間のくせに風に乗って飛んでくるとは生意気な!」
美風「ゆ、勇者ちゃん…!良かった…ちゃんと…会えた~…。」
賢二「わっ、傷だらけじゃないですか!どうしたんですか!?大丈夫ですか!?」
美風「勇者ちゃん、大変…!宿敵ちゃんが…!」
勇者「なっ!?ら、宿敵…って!?」
賢二「えっ!?」

~その頃~
宿敵「ゼェ、ゼェ、う、嘘だろ…?それは「黒点」…絶滅した魔法じゃ…?」
老人「いやはや~、我輩の攻撃をここまで受けるとは、驚きの小僧だわな。」
宿敵「前に見た伝承が確かなら、使えしはただ一人…「太陽神:ヒノテ」!」

太陽神「ほほぉ~…勘もいいとは、殺すのが惜しいわな。」



~メジ大陸:謎の城~
声「やぁ、よく来たね理慈さん。また会えて嬉しいよ。」
校長「やはり…貴様だったか。 この私を出し抜くとは、まったく大した小僧よ。」


救世主「久しぶりだね…そして、サヨナラ。」

また名前と対極のキャラが。

 

4-13:真相〔13歳:LEVEL40〕
こうして明らかになった悪の黒幕。
さぁここから説明タイムのスタートです。張り切ってどうぞ。

校長「やれやれ、正しかったのは欧剣の方だったというわけか…口惜しいな。」
救世主「あ~、あの人は鋭かったね。僕の企みに気づいたのは、彼だけだったよ。」
校長「企み…神々を従え、世界征服でもするつもりだったのか?」
救世主「違うよ違う。悪を倒し、正義の味方としてチヤホヤされる…そのためにさ。」
校長「咬ませ犬として…だと…?そんなことのために世界を窮地に陥れたのか。」
救世主「別に窮地じゃないって。僕は負ける気無かったし。」
校長「失敗しておいて何を言う。」
救世主「んも~参ったよね。術も佳境って時に、変な泉に叩き落とされちゃってさ。」
校長「そのまま魔神ごと封印に…なるほど、だから今まで姿を見せなかったのか。」
救世主「全てはこれからさ。他にも続々と集まってきてるよ、世界中の悪が…ね。」
校長「占い師、夜玄か…。奴の動きに気づかなかったのが、第二の誤算だな。」
救世主「あと、こんなこともあろうかと神も3体ほど残してあるしね、甘くはないよ。」
校長「「太陽神」と「女神」、「竜神」か…。消したと見せかけ封印したというわけか。」
救世主「ご名答。封印術はオハコだしね。 …さぁ、これからどう動くの理慈さん?」

校長「子供達の、平和な未来を守るため…今だけは優しさを捨て、鬼と化そう。」

「今だけは」だそうです。

 

4-14:発掘〔13歳:LEVEL40〕
数日後―――。

美風の回復を待ち、状況を聞いた。なんと先遣隊が全滅する程の敵がいたらしい。
黒幕の正体は未だわからんが、放っておいては「勇者」の名折れ…行くしかない。
勇者「というわけで結局メジ大陸へと向かう。だがその前に、俺用の名剣を探す。」
賢二「あぁそっか、もう魔剣は使えないんだったね。だからのんびり行くんだね?」
勇者「うむ、さすがに丸腰じゃ話にならん。軍隊を数個潰すのが関の山だろう。」
賢二「相変わらず凄い自信だね…。」
美風「あ、じゃあどうせなら北を経由して、グルゥ~っと回って行ってみない?」
賢二「北って…「ナシ大陸」?確かに行ったこと無いから新情報ありそうですが…。」
勇者「先公の故郷、「魔国」があるな。」
賢二「行かないことを希望します!」
勇者「そう言われたので却下します。」
賢二「ど、ドSぅ~!!」

~ナシ大陸:魔国:チーキユ村~
少年「そうですか…見つかったんですか例のモノが。結構かかっちゃいましたねぇ。」
老人「このような寂れた村で、長らくお待たせしました。ですが、それも今日まで!」
少年「楽しみですね…数千年前、真の神々が創ったとされる幻の剣、「闘神の剣」。」
老人「アレさえあれば、王国再建も夢ではないですぞ!新王…「絞死(こうし)」様!」

絞死「フフフ、楽しみですねぇ…。」

魔の遺伝子は生きていた。

 

4-15:開幕〔13歳:LEVEL40〕

目的地は決まった。ナシ大陸を経由してのメジ大陸…凄まじい長旅になる感じだ。
やっぱりダルい、適当に乗り物を乗り継いで行くことにしよう。適当にパクっていこう。
勇者「さぁ行くぞ賢二、現世への別れは済んだか?この先は命の保証は…」
盗子「ちょーーっと待ったぁー! またアタシを置いてこうって気!?させないよっ!」
勇者「美風も、手負いとはいえ気は使わんぞ?遅れるようなら置いていく。」
盗子「はいキター!スルー来ましたけど何か!?いいえ、特にっ!!」
賢二「な、なんかフッ切れた人って無敵だなぁ…。」
美風「ハァ~…まだ生きてたのね、この超・ウ・ザ・い・の。」
勇者「つーかなんだよ盗子?連れてけとかアホか、自分の身分を考えろよ。」
盗子「いーの!アタシはこっちの方が大事って言ったじゃん!身分とか知んない!」
勇者「この家畜以下が。」
盗子「あ、あれっ!?下なの!?」

そしてついに

救世主「理慈さん…強い人だった。 でも悲しいね、老いとは非情だよ…オヤスミ。」
夜玄「おぉ素晴らしい! さすがですね、待ち続けた甲斐がありましたよ救世主様。」
救世主「いや、その名はもう捨てよう。「正義の味方計画」は破綻したわけだしね。」
夜玄「では、今後は何とお呼びすれば?」
救世主「ん~、そうだなぁ~…」


救世主「全てを統べる悪の大王…「大魔王」と。」

最後の戦いが
勇者「あーもういいや、めんどくせぇ!行くぞ野郎ども!!」
三人「オォーーー!!」
幕を開ける。



第四部:「大魔王降臨編」 始動。

 

第一章へ
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