ひねもすのたり

「日本システム」の崩壊から再生へ

ここざっと10年から20年くらいの間に特に世界の経済情勢ががらっと変わった。私が再三再四にわたって述べていることは、たとえば「日本システム」の崩壊であり、またこれからの再生へ向けての哲学である。それはある意味では、たとえば主にインターネットの発達などによる経済のグローバル化とその崩壊。そして日本においても官僚システムの崩壊および政治に対する不信感の増幅に伴う「日本システム」の崩壊そしてそれらの再生である。そしてあるいは偶然だったのかもしれないが、東日本大震災および原発事故に伴うエネルギー政策の根本的な見直しならびにそれに伴う私たちひとりひとりの生活哲学の大転換であろうと思うのである。
悲観的に見れば、もしかしたら向こう10年間くらいのうちに日本は無政府状態に陥り、人口の減少や雇用不安やあるいはデフレが止まらないなどの大混乱に陥るかもしれない(すでに陥っているかもしれないが、さらなる悪化)と思う。
しかしここを前向きに考えるとすれば、まずエネルギー政策をたとえばドイツのようにドラスティックに変えなければならない。そして大量の外国からの移民の受け入れを促し、そしてなによりも堅固な官僚機構の立て直しを図って、事実上国を動かしている統治システムを再構築しなければならない。
どの施策を選ぶかなどという瑣末(さまつ)なことにこだわって、いつまでもこういった作業に手を付けずに放っておいたなら、先に述べた「悲観的な」シナリオが待っているかもしれないと思うのである。

朝日 4月の米財政収支、3年7カ月ぶり黒字ー日本政府・日銀は大胆な資金供給を

http://www.asahi.com/business/update/0511/TKY201205110148.html

「米財務省は10日、4月の財政収支が591億ドル(約4兆7千億円)の黒字になったと発表した。単月での黒字はオバマ政権では初めてで、ブッシュ前政権の2008年9月以来3年7カ月ぶり。

 米景気が緩やかに回復しているのに伴って税収が増え、歳入は前年同月より10%増えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・」

これは大変なことである。単月で財政収支が5兆円近くの黒字になったのである。日本にあてはめて考えたら分かるだろう。単純計算するのはおかしいが、日本の5%分の消費税が1年分で約2.5兆円と言われているから、その20倍以上の税収というか財政収支が改善したという計算だ。
 要するに日本政府・日銀の「政策」の問題なのだと、たとえば経済評論家の森永卓郎氏は指摘する。簡単に言えば、もっと大胆に市場に資金を供給すべきとの主張である。現に米国はそれで成功したからである。

 

nhkニュース 4号機 建屋上部覆うカバー設置へー急がれる他原発の「対策」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120417/k10014495331000.html

「 東京電力福島第一原子力発電所の水素爆発が起きた4号機で、使用済み燃料プールから燃料を取り出すための装置を取り付けるとともに、放射性物質が放出されるのを防ぐため、原子炉建屋の上部を覆うカバーを設置する工事が、17日から始まります。

福島第一原発の4号機の使用済み燃料プールには、1500体余りの燃料集合体があり、水素爆発が起きた建屋を取り壊すために、プールから燃料を取り出す必要があります。
このため東京電力は、燃料を取り出す専用のクレーンなどの装置を取り付けるとともに、作業を行う際に放射性物質が外に放出されるのを防ぐため、・・・・・」

一部では、万一大きな余震などによって事実上プールを下から支えている支柱が崩れれば、現在の科学技術では取り返しのつかない事態も考えられるとも言われる。少なくともこの工事による対策が急がれるところだと思う。同時にこれは何も福島第一原発だけの問題でないことは言うまでもない。他原発(停止中含む)も同様の事故が起きる可能性も当然ある。原発は停止中でもたくさんの使用済み核燃料を同じように保有しており、日本中の同様施設でも同じことになる危険はずっと続くのであることを覚えておくべき。


「インターネット世論」というものがあるにしても~その問題点

「インターネット世論」というものがあるにしても、いくつか問題点があると思う。
一言で言えば「集団ひとりよがり」とでも呼ぶべき現象である。
それはたとえば原発の問題や政治の問題、あるいは経済や社会の問題についてであろうと思うが、いわゆる情報格差と呼ばれる問題点ばかりでなく、私のようにテレビや新聞は見ずにほとんどインターネット依存である場合でも、書籍や雑誌、あるいは人の話やブログなどをほとんど読まない、まあ勉強不足のためにたとえばこのような見当違い?なことばかりを言ったり書いたりしている人も含めて、勉強不足の人と勉強はしているが非常に偏った情報・知識を持っている人との議論のすれ違いや勝手な思い込み勘違いなどである。
必ずしも機械(コンピュータなど情報機器)が苦手でなくても、その利用の仕方や、その他の情報・知識の利用の仕方に問題があるような人は意外と多いような気がする。
また一番問題なのは、インターネットには高齢者はほとんど参加していないという点であろうと思う。
それはたとえば私のような完全ひきこもりであり、まったく人とコミュニケーションを取らないような人でも、現在においては自由に情報発信も出来れば意見表明も、あるいは選挙に投票にも行けるということにも現れると思う。
以上のようなことを総合的に見て考えて、私が思うにいわゆる「インターネット世論」というものは非常に少数派であろうと推測されるのである。インターネットにまったく触れてもいない人がまったく知りもしないことを延々と議論されていたり、あるいはどの意見が多数派だと思い込んでいるような人も多い気がするのである。
これらのことは、インターネット世論を形成しているすべての人が認識し確認すべきであり、そうでない世論とのかい離をいかに克服すべきか考える必要があるように思えてならない。
篠田 将巳(しのだまさみ)
作家:shinoda masami
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