「だから、結婚する振りをして、つき合って、できたとわかったら、トンずらするのよ」さやかは自分の話に酔っている。「え~、変な詐欺。そんなのあり?」アンナは両手を腰に当てると大きく上半身を後ろに反る。アンナのバク乳はこぼれ落ちるように左右の脇にだらんと垂れる。「しかし、ほかにどんな方法があるって言うのよ」さやかはふくれっ面でソファーにジャンプする。「まあね、結婚相談所か。だけど好みの男に出会うって保証はないのよ。いつまでたっても、イモとかカボチャばっかりだったらどうすんのよ。お人よしで、かわゆくて、拓也のような人いるかな~」
ソファーに腰掛けたアンナは拓也のことを思ってぼんやりと微笑む。「いるはずないでしょ、アンナったら」さやかはアンナのバク乳をギュ~とわしづかみする。「イタ!だから、拓也しかいないって、言ってるの」アンナはヒン乳の小さなとんがりをつまむ。「何すんのよ、ダメよ、拓也は」さやかは突然立ち上がる。「さやかが決めつけることないじゃない。頼んで見なきゃ、わかんないでしょ」アンナは腕組みをしてさやかを睨みつける。
「ダメったら、ダメ」さやかの顔は真っ赤になる。「さやかは協力するって言ったじゃない。嘘だったの」アンナも立ち上がり上からさやかを睨みつける。「拓也以外だったらのことよ」さやかも下から睨み返す。「まさか、やきもちやいてるの?」アンナはあきれてフリッジにビールを取りに行く。「そうじゃなくて、拓也は二人のものじゃない。私にも権利があるってことよ」さやかはソファーであぐらをかく。「さやかも子供ほしけりゃ、拓也の種、ゲットしたら。アンナはかまわないけど」
「さやかは男としたくないの、わかっているくせに」さやかはプーさんをアンナに投げつける。「さやかったら!こうなったら、アメリカ本国行きの旅費と種の購入代、出すとすっか。それだったら、文句ないでしょ」アンナは喉を鳴らして缶ビールを飲む。「アメリカ本国ね~、チョット待ってよ。気持ちの整理がつかないわ」両手を頭の上に置いたさやかはベッドに戻り腰掛ける。
「精子バンクは、世界中から優秀な精子を集めているって。しかも、プロフィールつきだから、自分の気に入った種が買えるらしいよ」アンナは雑誌に書いてあったことを思い出して言った。「ほんとーに、お金出してくれるんでしょうね」さやかはその気になってきた。「嘘を言うと思う、さやかったら」アンナはさやかの気持ちが動いたのを察して笑顔をつくった。「わかったわ!拓也の種、もらっていいわ」さやかはアンナの後に引かない強情さに負けた。
「拓也も男だし、魔がさすってことも・・」アンナは自分のバク乳とエロに自信を持っている。「確かに、それは言えるわね。アンナのバク乳とエロで誘惑すれば、もしかして、ゲットできるかもね!」さやかはやけくそ。「それじゃ、どうやって誘惑するかだな。第一、アンナとなんかデートしないし~。誘惑しようがないか!」アンナは商売道具のバク乳を持ち上げてじっと見つめた。さやかはバク乳を見るたびにムカつくが、この際、このバク乳を使ったお芝居を考え始めた。
「そこを考えるのよ、まず、アンナと拓也が二人っきりになることができなければ、無理でしょ」さやかはシェークスピアになっている。「そうそう、さやか、さえてるじゃん。それで」アンナは子供のように大きく頷く。「まず、アンナを大金持ちのお嬢さんに仕立て上げるの」さやかはいつもの妄想に入り込んでしまった。「それは無理よ、中学校もまともに行ってないのに」アンナはお嬢様が大嫌いだった。
「大丈夫だって。アンナは妾の子で、本当の父親は大金持ちということにするの」さやかの作り話が始まった。「なるほど、それで」アンナはその気になってしまった。「病弱な母親を助けるために、高校卒業後はSデパートで働いていることにする。どう~?」さやかはシナリオに酔っている。「いいけど、今やっていること聞いたら、気絶するかも」あまりにも現実離れした話にあきれている。
「アンナはさやかのシナリオ通りにやればいいの」さやかは先生のような口調で言う。「わかったよ」アンナは両手を両膝の上に置いてまじめな顔。「それで、実の父親が罪滅ぼしに面倒を見てくれることになったことにする。だから、靴も、服も、持ち物すべて上品なものに替えてしまうの。いい、これからが勝負よ。お父様の別荘が軽井沢にあるのね、そこに三人で遊びに行くの」さやかの目が輝いている。
「別荘なんか、どこにあるのよ」アンナの目が飛び出してきた。「心当たりがあるのよ」さやかはにんまり笑う。「そうなんですか。それで」アンナは今まで話した事がないような丁寧な口調で、相づちを打つ。「ぜひ、有名な先生に使っていただきたいと、お父様が申しておりますと、さやかが拓也に言う」さやかは自分の出番に心がウキウキ。「やってみましょうか、それで」アンナはさやかの肩をギュッと抱きしめる。
「うまいこと言って、拓也を別荘に連れて行く。夕食後、最高級のブランディーを飲みながら絵の話を持ちかける。ほら、拓也って印象派の絵の話が好きでしょう。話しているうちに、飲みすぎると思うのよ。そこで、酔い始めたら、さやかが急に吐き気を催して部屋を飛び出していく。後は、アンナの出番って言うわけ。すばやく、浴衣を脱ぐ、男を虜にする甘いローズの香水、揺れるバク乳、鼻血が飛び出すような赤のTバック、そこで、優しく介抱しながらギュッと抱きしめる。拓也は酔っているから、アンナの肌に触れればきっと手が出ると思うの、どうかしら?」自信満々のさやか。「おもしろそうね、やってみますか!」バク乳でさやかの顔をはさむ。