真紅の舟

  気分が高ぶり、行き着いた末に憎んでいる人を《ヤッテヤロー》と人から、怪しまれないように近付き、行動を起こしたところ、もめ合いながらも始末をしたが、自らも怪我を負ってしまった。
  し・か・し、人間らしい赤・い・血・は、待てど待てど・ずっと出てくる事は、なかった。

  傷口を見て・・・両の手を見直し・・・呼吸を荒げ・・・目を見開いた。
  右ひじから、先が無くなる・・・シルバーの腕や指先が三段階に伸びてくる・・・左ひじから先が無く・・・機械の腕や指先が三段階で出てきて・・・顔部分が二段階でふさがれ・・・声を絶った・・・180度右回りし・・・斜め45度で機械が止まる。
  両膝をついて両腕を広げた。
  体を後ろに反らして声無く叫んでいた。
  顔部分の六つの赤い目が光る。

  ふと我に返ると人間の姿に成っていた。
(・・・たちの悪い夢か!?・・・)
  しかし、目の前には、心臓の前辺りには、宙に浮いた物があった。
  反面は、解読不能の文字がいっぱい彫られている石で反面は、輝く程のナイフだった。
(・・・刺せば君は、神に成れる、全てが思いのまま、痛みは、無い・・・)
  それを刺して叫ぶと体内から激しい光が放出され、包まれ、消えて無くなった。 

  ここ数ヵ月で何か不可解な死亡事件が多発していたのだった。
「キッサマ~、ここで何やっているんだ~」
  辺りを確認する武道派の頭 鈴木啓二郎 三十六才がいた。
「他の奴らは、ゲームを楽しんでいる、ここには、アンタしか居ないよ」

  敏速に動いて机からピストルを取り出した。
「うるさい事を言っているんじゃないよ」
  四発 敵にくらわせた。   うつ伏せに倒れたはずの敵が起き上がって歩いて来た。
  また、数発撃ち込む。

「お前、俺が死なないとビックリしているのか!? 恐怖は、これから始まるんだよ」
  ゆっくりと黒い物体がヤクザの鈴木啓二郎に歩み寄った。
  後退りする鈴木の右肩に黒い手が触れる。
  瞬時に鈴木の人類進化論の姿が五つ並んだ。
「・・・何だ、これは!?・・・」
  一番後ろから、声がした。
「ドケッ、お前じゃない、お前じゃない」
  若い順から、立ち止まるマネキンを左右に払いのけた。
「探したよ、沢山楽しんできたから、もう、いいだろう」
  一番後ろのミイラ状のマネキンを後ろに強く押し倒した。
(・・・ウワッ!?・・・)
  老木を高い所から、叩き落とすように粉々に割られ、地に帰って行った。

「鈴木組の内部紛争勃発 鈴木啓二郎不明か!? 何か気にかかる、気に食わねえ!?」
  長期にわたって携わってきた蟹江陽一 三十八才が新聞紙を見て、唾を吐くように軽く口ずさんだ。

  車で移動しながら、思考回路を回転させて現地へ到着した。
  思った通り見慣れた大勢の警察仲間がいた。
  歩を進めて中に入って行く。
  感や臭いを便りにへや部屋を探って行った。

  知らない内に人の声や人気が無くなっていった。
  音もせずにオレンジ色のサーフィン!?が蟹江陽一を取り囲んでいた。
  反射的に銃を構える。
「何者だ、姿を現せ」
「・・・ナニッ、何処から、話をしている・・・そんな交換条件は、飲めない、姿を現せ・・・」

  殺気に振り返り、頭に銃口を妻!?と向け合った。
  時間が経つ事に祖母、祖父、子供達が近付いて来て銃口を向けられた。
「・・・サテ ドウスル!? オレトクムカ!? ホロビルカ!?・・・」
  答えは、決まっていた。
  蟹江陽一は、涙を流しながら、操られた家族と撃ち合い、別の世界に葬られた。

  ストレスが溜まらないように自由にセッテッイングされたマイディスク、室内は、心を和らげる音声低めの音楽が常時ラジオみたいに鳴らされていた。
  ある意味 開かれた特別室 特別な能力を持った人、プログラマー達が人に邪魔に成らないように一定距離を保ってデザイン設計された場所にいた。

  休憩時間は、脳を動かすのが好きでクロスワードパズルをしたり、活性に必要な甘い物を食べていた。
  仕事をし始める。
「・・・オマエノ ノウリョクト バクハツシソウナ チカラガホシイ・・・」
「・・・何っ!?・・・」

  靴音を立てて奥の方から英語・クサビ型・色々な文字で書かれた霧状の黒い物体が近付いて来た。
  周りの電器も消えたりした。

  怖くて《スパコンの主》と呼ばれる男は、反対側に逃げた。
  しかし、ふと振り返ると誰も居なく成っていて普段の環境があった。
(そっちじゃないよ、こっちだよ)
  振り返るとオレンジの物体がいた。

  それが消え文字の黒い怪物に顔を殴られた。
  顔ばかり殴り続けられる、オレンジの物体が出てくる、変わらぬ環境になる、電器が消える、周りの仲間は、全く解らない状態か、物体を通り抜けた!?
  あまりの怖さに扉を開けて廊下に走って逃げた。
  怪物は、追っては、来なかった。

  長い!?廊下の中程まで来て息を切らして立ち止まった。
  怪物は、消えていた。
  傷口を触り確認をする。
  怪物は、三十メートル離れた反対側に立っていた。
  徐々に歩き出して、徐々に両手を広げて近付いて行った。
  廊下の至るところで火がつき始める。
  火事状態に成る。
  火災状態になる。
  あまりの熱さに両手で顔をかばった。
  後ろに黒い怪物がいた。
(一緒にあの世に行こうよ)
  《スパコンの主》は、両手で捕らえられ、流れて来た赤いマグマに飲み込まれた。
  全てが元の状態に戻る。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
真紅の舟
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