便秘とサヨナラ!7つの習慣

第一章 排便の仕組み

◆排便の仕組み

 

消化管(食道、胃、小腸、大腸)のうちで水分が主に吸収されるのは、
大腸の右側とされています。

 

したがって、右側結腸を吸水部結腸ということがあります。

また、大腸の左側は糞便を送る役目を持っているので、
送便部結腸ということがあります。

もし、大腸で水分の吸収が妨げられるような障害が起こると、

下痢があらわれます。

 

このような消化管は、食べたものを消化させ、運搬し、栄養分を吸収し、
更に便として排出する、たいへん大事な役目をしているところ
です。

 

これらの働きは、中枢または自律神経の支配を受けているため、
神経の支配が正常であって消化管各部の連絡が上手くとれて、
初めて完全に生理的な働きが行われる
訳です。

 

消化吸収がほぼ終わった後、食物の残りかすは、大腸に送られ、
回盲部からキャノン・ボエーム点までの間で、

腸壁の肛門側へ向かう蠕動と口側に向かう逆蠕動によって

ある時間この部分にとどまり、

この間に水分と電解質の一部が吸収されます。

そのため食物の残りかすはある程度の硬さを持っています。

 

キャノン・ボエーム点を過ぎて下行結腸に送られると、
ここでは弱い蠕動で少しづつ内容物を肛門側に送り込みます。

ごく少量の水分が吸収されて、

この間に有形の糞のかたまりになります。

便が長く滞ると、水分が吸収されて硬くなります

 

送便部の曲がったところがS状結腸で、直腸との境部に

骨盤直腸括約筋があり、普段は収縮しています。

 

食物や水分の摂取、歩行、喫煙が刺激となり、

下行結腸とS状結腸に大蠕動が起き、

反射的に骨盤直腸括約筋の緊張が緩み、便が直腸に移行すると、

その刺激が骨盤内臓神経の知覚神経を伝わって仙髄の中枢を経て、

さらに脳中枢に伝わり、便意を感じます。

 

便意を感じると腹腔内圧が高まり、直腸が収縮して便が押し出され、
肛門括約筋が緩んで排泄が起こります。

 

通常は、このようなメカニズムで便が排泄されるのです。



 

 

 

 

 

 



第二章 便秘の原因は?

◆便秘の原因は?

 

便秘には、大きく分けると急性便秘と慢性便秘に分けられますので、

それぞれを分けて便秘の原因を説明します。


急性便秘


一過性単純性便秘の原因

この便秘の原因は、食事や生活の変化などをきっかけに起きるので、便秘の原因を除くことができれば治ります。


症候性便秘の原因

この便秘は病気が原因で起きます。急性のものでは、腸捻転や腸閉塞などが原因です。


慢性便秘(胃腸の病気)

便通の間隔が3日以上あったり、毎日排便があっても便が硬く、少ししか出ない場合の便秘のこと。

このような慢性便秘の状態が長期間続くと、大腸がんや痔など、様々な病気を引き起こす可能性が高まります。


常習便秘

何らかの原因で腸の機能が低下したために起こる「機能性便秘」で、便秘に悩む人の多くはこれに当てはまります。

常習性便秘には、3種類あります。

1)結腸性便秘(弛緩性便秘)の原因

この便秘の原因は、結腸の緊張がゆるんで、ぜんどう運動が弱く、便を十分に押し出せないこと。

2)直腸性便秘の原因
この便秘の原因は、直腸・結腸反射が鈍くなって、便意を感じにくくなるために起こる。


3)けいれん性便秘の原因
この便秘の原因は、主に精神的ストレス等であり、そのことが原因で腸の蠕動運動が強くなりすぎて起こる。


・症候性便秘の原因

大腸がん や大腸ポリープ等、腸内の便の通過を妨げる病気があるときに起こる。

便秘は、上のようなタイプに分けられますが、どうしても気になる方は、病院で医師の診察を受けることが必要です。

■便秘の原因の種類

年齢や環境の変化による腸内細菌バランスの悪化


加齢や食生活の変化などが原因となって、善玉菌(ビフィズス菌)が減り、悪玉菌が増えると、腸内細菌バランスが悪くなり、便秘になりやすくなります。


この他にも、便秘になりやすい原因となる生活習慣をしている方も多いようです。


・ダイエット(特に食べない系のダイエット)や少食により、食事(特に食物繊維の量)そのものの量が減り、いい便が作ることができないため、便秘になる。


・不規則な食事


・運動不足


・水分摂取不足


酵素 不足


今までは野菜や果物などの食品から補っていた酵素ですが、加工食品を食べることの多い現代人は体内の酵素量が不足してしまい、消化不良を起こしたり、腸の中に老廃物がたまって便秘になってしまう方などが増えています。


ストレス


精神的なストレスが原因となって便秘になることもあります。例えば、旅行先で一時的に便秘になるのもこのケースに当てはまります。

また、不規則な生活などによる肉体的ストレスが自律神経に影響し、腸管の動きを悪くすることよる便秘もあります。


我慢のしすぎ


我慢のしすぎも便秘の原因のひとつだと考えられます。無理なガマンをしてしまうことで、排便のタイミングを逃してしまいます。そして、その結果、便の水分が抜けて硬くなるため、出にくくなってしまう、つまり便秘になってしまうのです。


妊娠による便秘

便秘は一般的に女性に多いとされ、さらに妊娠 すると便秘になりやすいとされています。妊娠することによって増大した妊娠子宮による腸管の圧迫、非妊娠時と比較して、明らかに高値な黄体ホルモンなどの影響による腸管のぜん動運動の低下などが便秘の原因とされています。

治療法としては非妊娠時と同様ですが、生活習慣(食事指導、運動、排便リズムの確立など)の改善が必要になってきます。便秘薬などで解消したいと思う反面、妊娠中は赤ちゃんに影響が出ないかという不安もあります。やはり、生活習慣(食事・運動など)の改善が治療法としては安心ですね。

便秘冷え性 との関係

便秘は、腸内環境が悪くなっているため起きていると考えられます。

便秘になるということは、腸内でぜん動運動が行なわれていないということであり、基礎代謝も低くなります。

近年では、基礎代謝が低くなることが、冷え性の原因の一つと考えられており、腸内の働きを良くし、便秘を改善することが冷え症改善にもつながると考えられます。


 

 

第三章 便秘の不快症状(1)

◆便秘に伴う不快症状、弊害(1)

 1.おなかの張り痛み、ガスがたまる。

 

便秘に伴う不快症状・弊害は、おなかの張り痛み、ガスがたまる程度と
思っておられるかも知れませんが、もっと様々なものがあります。
免疫力を低下させ、アレルギー疾患や大腸がんを

引き起こしやすくなるだけでなく、勿論、美容の大敵でもあります。

 

1. おなかの張り痛み、ガスがたまる


2. 出血、痔


3. 肌のトラブル


4. イライラ、不眠、頭痛、肩こり、吐き気


5. 食欲不振、口臭、舌苔(ぜったい)


6. 腰痛

7. 大腸ガン、大腸ポリープ、アレルギー性疾患など


8. 動脈硬化を引き起こしやすい体質になる


9. 有害物質を体内に取り込みやすくなる


10. 自然治癒力が働きにくくなる

11. 血液が汚れる、血液循環が悪くなる


12. おなかの張りや痛み、ガスがたまる


 

便秘の悩みの一番は、「ガスがたまって、お腹が張る、痛む」ということではないでしょうか

便秘をしていると、腸内で悪玉菌が繁殖して腐敗発酵を起こし、
ガスが発生しやすくなります。


また、便秘によって出口がふさがれているため、出られないガスが腸内にたまってしまい、
おなかの張りや痛みが起こります。


 

 

 



 

 

 

第四章 便秘の不快症状(2)

◆便秘に伴う不快症状、弊害(2)

 痔と肌のトラブル

 

2. 出血、痔(便秘と痔の悪循環)

便秘で困っている方は、案外、痔で悩んでいるものです。

痔は肛門の回りの静脈のうっ血が原因で起こります。

うっ血すると血は固まりやすくなり、血の固まりが出来て血豆のようになります。

これが痔です。


便秘をしていると、硬い便を出すために強くいきむので、
肛門の回りの静脈のより集まっている部分が更にひどくうっ血して、
硬い血豆(いぼ痔)になります。

硬い便は肛門の回りの粘膜を傷つけ出血させ、切れ痔となります。


こうなると痛みが伴うので、それが嫌なために便意があっても我慢してしまい
便は益々硬くなります。

硬い便を出すと痛むので痔になりやすくなります。

このようにして、痔と便秘の悪循環に陥ってしまうのです。


3. 肌のトラブル

便の大きな仕事は、体内でできた老廃物や毒素を体外に出すことです。

老廃物や有害ミネラルなど、毒素の75%が便から排出されます。

便秘をするとお肌が荒れてしまうのは、これら老廃物が体外に排泄できず、
再度体内に吸収されて体内を廻ってしまうためです。



腸美人とも言われるように、きれいな肌はきれいな腸から生まれます。

『肌は内臓を映す鏡』なのです。
リチェード・ギア
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