獄にさく花うたう鳥
∞詩とアフォリズム・哲学的断章Ⅰ
牢哲Ω玄龍(うろてつ・オメガ・げんりゅう)
◎《CHERRY BLOSSOM/美学的討死》
Cherry blossom 桜の木の下には
幾多の夢が埋葬されている
死産した夥しい数の夢が
しめやかに埋葬されている
幼かりし日々の
御伽噺のような夢の数々が
少年時代の
夢を夢みるような夢の数々が
青年時代の
野望に満ちた夢の数々が
壮年時代の
欲望に押し潰された夢の数々が
老いし日々の
過去を懐かしむ夢の数々が
だから桜の花は美しい
だから桜の木の下は Dreamland
だから桜の花は Be-dreamer
この世を越えて美しい
美は夢みる瞳に宿り
瞳から溢れ出ていく
永遠には存在し得ぬがゆえの永遠性
有り難いがゆえに儚く
儚いがゆえに哀しく
哀しいがゆえに一瞬一瞬に輝き
一瞬一瞬に生き死にするがゆえに
愛おしく愛おしい My love
Be more beautiful!
美――もっと美しくなれ!
Cherry blossom 桜の木の下には
幾多の夢が埋葬されている
読み方→死産(しさん) 夥(おびただ)しい
御伽噺(おとぎばなし) 潰(つぶ)され
儚(はかな)く 儚(はかな)い 愛(いと)おし