価値組という生き方

価値組としていきるための16の法則( 2 / 17 )

2 時は価値なりと考えよう

Time is Money(タイムイズマネー)から、Time is Value(タイムイズバリュー)に価値観の転換を行おう。

 

 Time is Moneyとは、文字通り「時は金なり」。時間は、お金と同じように大切で貴重であるという訓え・ことわざだが、これではおカネに縛られた考え方がいつまでたっても抜けきれない。

 

 Time is Valueは、「時は価値なり」。限られた時間をうまく使うのも、使わないのも私たち次第だ。

 

私たち人間は、途方もないくらいの奇跡の確率でこの世に生きている。いくつもの奇跡を経て、いま私たちがいる。その大きな3つの奇跡をご紹介する。

 

    宇宙が誕生した奇跡

    生命が誕生した奇跡

    人類が誕生した奇跡

 

これら3つの奇跡は、その順番通りに起きなければ、現在に至っていない。

 

一つ目の宇宙が誕生した奇跡は、ビッグバンという今から約137億年も前にさかのぼる[i]宇宙の爆発から始まった宇宙の奇跡。宇宙が誕生した経緯は未だ謎が多いのだが、何もなかったところ、或いはものすごく小さかった宇宙が、突然爆発し、宇宙が誕生した。また、観測により、宇宙が膨張していることは知られており、宇宙は今もなお大きくなっていっている。その膨張している先端の向こうに何があるのか、宇宙が誕生する前にはその空間には何があったのか。また、宇宙が誕生する前は、そこには空間すら全くない「無」の状態であったとも言われ、それがどういう状態なのか私たちの知る由もない。

 

このような無限に近い、本当に天文学的な確率で宇宙は誕生した。次の生命の誕生に関する奇跡に移ろう。

 

2つ目の奇跡である生命の誕生は、偶然と偶然と偶然×天文学的数字の重なりとも言える。宇宙が誕生して最初にできたと言われている原子は水素とヘリウムである[ii]。そこから化学反応を繰り返し、次第にそれぞれが結びつき、何億年、何十億年とかけて、星や銀河を形成した。地球が誕生したのは、約46億年前で、約38億年前にアミノ酸などが複雑な生命分子となり、生命が誕生したと言われている[iii]

 

太陽系の惑星の中で唯一地球のみ、生命体が今も活発に生き続けいる。地球が太陽を回る軌道からあと1個分内側でも外側でもずれていたら、この地球の生命体は誕生していなかったのではないかと、私は聞いたことがある。偶然なのか、それとなるべくしてなったのかはわからないが、いくつもの偶然が引き起こし結果、生命は誕生した。

 

そして、3つ目の奇跡は、人類の誕生である。なぜ、人類だけが知的に他の生命体を凌駕し、これだけの文明を開化させることができたのか。これも謎だらけである。最初に言葉を使ったのは誰だとか、人間が進化してきた過程で誰が最初に火を使ったのか解明できていない。発明は往々に偶然の賜りものである。私が今書いている本は、コンピュータを使って、書いている(正確には、打ち込んでいるのだが)のだが、このパソコン自体、あらゆる文化の発展と発明の繰り返しでできたものである。

 

私たちがこうして生きていること自体が、奇跡なのである。そして、私たち人間は生まれながらにして、限られた時間しか生きることはできない。そう、だからこそ時間には「とても」価値がある。

 

こうした奇跡の繰り返しともいえる過去を経て得た「価値ある時間」は、おカネでは決して代替えのできないものだ。

 

価値があるからこそ、人間は時間を大切に使わなくてはならない。その価値をわかって初めて人は人生の短さを知る。時間に価値を与えて有効活用するのが、価値組の時間の使い方。

 

  これらの宇宙に関する情報は、私たち日本の誇るJAXA(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構)の提供する宇宙情報センターのホームページに詳しく解説されているので、一度ご覧いただくといい。

 

http://spaceinfo.jaxa.jp/



[i] JAXA 宇宙情報センター 宇宙がはじまる前http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/before_the_history_of_the_universe.html

[ii] JAXA 宇宙情報センター 宇宙最初の星 http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/first_star.html

[iii] JAXA 宇宙情報センター 地球生命 http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/life_earth.html

価値組としていきるための16の法則( 3 / 17 )

3 生命の価値を知ろう

ここまでお話ししてきたとおり、生命は奇跡と言える過去を経て誕生した。そして、人間は、出会いと出会いが重なり合って、子孫を残してきた。それ以外の生命も同じである。植物や動物もそれぞれの出会いがある。

 

 花が受粉させるのに小さな虫を使うように、一つ一つの生命と生命のつながりあいが、生命全体を支えている。

 

 食物連鎖という言葉があるはご存知だろう。私たち人間を含め動物は何かを食べなければ生きることは出来ないし、その食べるもののほとんどが自然の生命である。動物は自然の生命を食べなければ生きていけない。

 

 他の生命を犠牲にする食事の際に、日本では「いただきます」という。素晴らしい伝統であり文化であり、そして日本人の価値観の現れだ。生命の尊さを知らない限り、こういった言葉は生まれてこない。

 

 また、人間は、命を授かりながら生きて産まれてこないこともあるし、幼いころ命を落とすこともある。それは、植物も人間以外の動物もすべての生命に言えることなのだ。人間は、こうして命の尊さを学び、生命の価値を知る。

 

 こうした生命の価値観を失うと、人は戦争を起こしたり、いつまでも妬みが絶えず復讐として報復の攻撃をしたりする。戦争とは、生命の尊さを知らない、もしくはその価値を見失った人間の侵す、最大で最悪の犯罪である。

価値組としていきるための16の法則( 4 / 17 )

4 出会いを大切にしよう

あなたは何もないところから生まれてきたわけではない。父親と母親が必ずいる。その前には2組の祖父・祖母がいる。そして、それぞれが違う場所で生まれ、出会い、そして子孫を残してきた。

 

 つまり、あなたは、人類が誕生した時からずっと続いている「出会いと出会いの宝物」だ。

 

 あなたの両親が毎日口げんかをしている。「そんなに喧嘩するくらいなら、なんで結婚したんだ」と不思議に思うかもしれない。実際に、私の両親も面白いくらい喧嘩するし、私自身、二人の娘がいるが、様々な事情を経て離婚をしている。

 

 なんだかんだ言っても、自分が生まれるときに両親が出会っていなければ、私はこの世にはいない。元妻と別れてしまっても、私は二人の娘の母親(元妻)と出会っていなければ、娘たちはこの世にいない。

 

 私が、娘たちと遊んで二人の笑顔を見るたびに、この出会いと出会いのもたらす価値を思い知らされる。

 

 私の知人に子どもができない人がいる。私は友人(旦那さん)のことしか知らないが、二人は奥さんが子どものできないカラダであることを知って結婚をした。それが二人の場合は、最初からわかっていたのだが、夫婦になって初めて子どもができない状態にあることを知り、不妊治療に取り組む夫婦も多いだろうし、その成果がでないことも多いだろう。

 

 たまたま、あんたは子どもができたから能天気なことを言っているという批判は、甘んじて受け入れる。だが、ここで強調したいのは、出会いはとっても大切だということ。

 

私はその知人に色々と助けられた。彼が私を助けてくれなかったら、自分の人生はどうなっていたのだろうと深く考えるときがある。

 

そう考えると、決してある特定の二人の出会いのもとに宝物があるとは限らない。子を授かるすべての父親と母親は、何かしらの出会いと出会いが幾重にも重なりあって、子を授かることができる。

 

だから、子どもはたった二人だけのものでもないし、それ以前に出会ったすべての出会いから、大きな影響を受けている。

 

そして、出会いには勝ち負けがない。その出会いに価値を見出すかどうかは、あなた次第なのだ。価値組の人間は、すべての出会いに感謝し、そして価値あるものとして扱わなければならない。

価値組としていきるための16の法則( 5 / 17 )

5 自分自身を大切にしよう

 他人よりも、自分を大切にしなければならない。多くの日本人は、あまりこういった言葉に良い印象を受けないと思う。

 

 自己犠牲を伴うボランティア精神やある一定のコミュニティの一員として、自分よりも他を重んじなければならない時がある。ましてや、東日本大震災からようやく1年経過した時期だ。他人よりも、自分を大切にしなければならないと言われても、矛盾を感じることも多いだろう。

 

 「絆」という言葉が日本では広く使われている。日本漢字能力検定協会(京都市下京区)は12日、2011年を表す漢字は「絆」と発表した[i]。また、ユーキャン新語流行語大賞に「絆」は選出されており[ii]、多くの人たちが絆を大切にしたいと感じている。

 

 大辞泉によると、絆とは、経つことのできない人と人との結びつきのことをいう[iii]。あなたがいなければ、あなたと誰かは結びつくことができない。だからこそ、他人よりも自分自身を大切にしなければならない。絆を守るためにも。

 

 あなたは、誰かの代わりに死ぬことはできない。誰かの代わりに傷つくこともできない。誰かの代わりに津波で家を失うこともできないし、福島第一原発事故の影響で誰かの代わりにあなたが避難生活を送ることもできない。

 

 例え、あなたが今避難している誰かと代わったとする。あなたは、避難生活を送ることになるが、果たしてそれで何になるのだろう。もしくは、誰かがあなたの代わりにあなたの仕事を明日からしろと言っても無理がある。

 

 例え、あなたが自己犠牲の精神に則り、仕事を捨て、被災地でボランティア活動をする。それがあなたの新しい仕事であり、あなたはそのボランティア活動がうまくいくようにしなければならない。

 

 ここまで話をしてご理解いただけた読者の方もいると思う。人間は、自分自身である限り、他人にはなれないのだ。

 

 あなたが私になるのも無理。私があなたになるのも無理。だからこそ、人間一人一人に価値がある。そして、自分自身を他人より大切にしなければ、他人を大切にすることはできない。

 

 あなたは価値のある一人の人間として、自分自身を大切にするべきである。そう、あなたの代わりになる人はいないのだから。



[i] 朝日新聞 「今年の漢字は「絆」 2位「災」、3位「震」http://www.asahi.com/national/update/1212/OSK201112120036.html

[ii] 自由国民社ホームページ

[iii] Yahoo!辞書 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E7%B5%86&stype=0&dtype=0

長谷川こうせい
作家:長谷川こうせい
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