今、体を温めダイエットにいいということでしょうがが流行っているが、しょうがの機能はそれだけではない。
しょうが抽出物が脳内の炎症を抑えたという研究成果があり、これがうつやアルツハイマー病の症状を和らげることが期待できる。
また、しょうがに含まれるジンゲロールという成分にはアセチルコリン分解酵素の作用を抑える働きがある。アセチルコリンは、アセチルコリン分解酵素によって分解される。脳内のアセチルコリン濃度が低くなるとアルツハイマー病を発症しやすくなることから、ジンゲロールの働きによって脳内のアセチルコリン濃度を高めてやることで、アルツハイマー病の予防が期待できる。
アセチルコリンには、卵の所で書いた記憶などに関わる作用の他に、脳動脈を広げて脳への血液供給を増やす働きもあり、アセチルコリン濃度が高まることによる脳機能の全体的な向上も期待できる。
日本人の大好きなカレーだが、カレーに含まれるウコンにも健脳効果がある。ウコンの成分クルクミンだ。飲み過ぎたときにウコン製品を飲むと翌日の調子がいいことがあるが、これはクルクミンに肝臓の機能を助ける働きがあるためだ。
アルツハイマー病患者に見られるアミロイドβという物質の蓄積が、クルクミンを与えることによって軽減されたという報告がある。また、脳梗塞後の脳細胞の再生を促進するかもしれないという報告もされている。
現時点で確実なのは、クルクミンの抗酸化作用による細胞保護作用だ。本書で紹介した他の食品同様、抗酸化作用によって全身の老化を抑える働きがある。
注意したいのは、クルクミンの過剰摂取による副作用が報告されていることだ。肝硬変の方は摂取は控えたほうがいいだろう。