脳に良い食べ物

健脳食品( 4 / 11 )

大豆 ~健康食品の王道~

  大豆にはサポニン、イソフラボンやレシチンが含まれ、健康食品として注目されている。サポニンには抗酸化作用があり、脳や体のアンチエイジング作用が期待できる。イソフラボンは女性ホルモンのような働きをするため、閉経後の女性には特にお勧めしたい。更年期障害や骨粗鬆症の予防になりうる。レシチンについては卵のところで述べた。

 

  サポニン、レシチンには血中の脂肪、コレステロールを下げる働きがあること、大豆自体にコレステロールが含まれないことから、血中の脂質濃度、コレステロール(LDL)濃度の高い方は卵より大豆からこれら栄養素を摂るように心がけたほうが良い。

 

  イソフラボンにはインスリン様作用があり、血糖値を下げるという結果がマウスを使った研究で得られている。糖尿病にも期待できるかもしれない。

 

  大豆製品の中でも納豆には、納豆菌が出す酵素、ナットウキナーゼが含まれる。これには血栓を溶かす作用があり、脳梗塞や心筋梗塞など、循環器系の病気を予防することが期待できる。これらの病気は朝方の気温が下がる時間に多発することから、ナットウキナーゼの効果の持続時間を考えて、夜に納豆を食べるようにすると良いだろう。

 

  納豆には血中脂質濃度を下げる働きがあり、さらに納豆にはナットウキナーゼが含まれることから、これらを食べることで血管を若く保つことができる。若い血管は、脳や体に血液をスムーズに運んでくれる。すると、活動に必要な酸素や栄養素が十分供給されるので、脳や体の機能を高めることや、機能が低下していくのを防ぐことにつながる。


健脳食品( 5 / 11 )

ベリー ~発見されたばかりの新機能~

  ベリーとは、いちご、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリーなどで、これらを一日数粒食べ続けることで、記憶力の向上、抗酸化作用、抗炎症作用、毒物排出作用などがみられたという。

 

  ベリーには神経細胞の情報伝達方法を変化させる働きがあり、これによって脳機能が向上するのだという。 また、抗酸化作用や毒物排出作用は脳を若く保つことに繋がるし、抗炎症作用はうつやアルツハイマー病進行の予防につながる。

 

  うつとはストレスホルモンが長期にわたって分泌され続けることで脳の炎症が起こり、神経細胞が死んでいく、または機能が低下することによって起こるということが最近わかってきている。アルツハイマー病の症状にも脳の炎症があり、ベリーの消炎作用がアルツハイマー病の進行を抑えることが期待できる。

 

  抗酸化作用はアルツハイマー病の予防になる。アルツハイマー病の発症、進行には、脳への酸化ダメージの蓄積が大きく関与するためだ。

 

  毎日ベリーをとるには、ブルーベリージャムやいちごジャムが手軽でいいかもしれない。ただ、ジャムの取り過ぎは高血糖につながり、血管の老化を促進するとともに、脳や体各部へのダメージにつながるので適量をとるように心がけたい。

健脳食品( 6 / 11 )

緑茶 ~優れた抗酸化作用と精神安定作用~

  最近の健康ブームでよく飲まれるようになった緑茶ですが、緑茶の働きはコレステロールを下げるだけではない。緑茶の栄養成分を代表するのがカテキンですが、カテキンには抗酸化作用があり、脳や体のアンチエイジング作用がある。抗酸化作用によって、アルツハイマー病の予防、認知症の予防、学力低下の予防などが期待される。

 

  また、緑茶にはテアニンという栄養素が入っています。このテアニンという成分は、神経伝達物質であるGABA(ギャバ;γ-アミノ酪酸)の働きを補助する働きがある。GABAは抑制系の神経伝達物質で、これが不足すると不眠や不安などの症状がでるといわれている。緑茶を1日に5杯以上飲む老人は、うつになりにくいという研究成果が出ているが、これはテアニンの働きによるものだと思われる。

  イライラした時、くつろぎたい時、ストレスを感じる時にも飲むことをお勧めする。テアニンの摂取が、副交感神経を活性化させ、血圧を下げたり、体をリラックスした状態にすることや、女性の月経前症候群のイライラを軽減することが報告されている。

  また、テアニンにはドーパミン放出促進作用や、記憶力改善作用もあることが動物実験で明らかになっている。

 

  日本人の生活に密着した緑茶にコレステロール低下機能、アンチエイジング機能、精神安定機能があるなんて素敵ですね。毎日飲むようにしましょう。特に抹茶は葉っぱごと摂れるのでおすすめです。


健脳食品( 7 / 11 )

しょうが ~ダイエットだけじゃない~

  今、体を温めダイエットにいいということでしょうがが流行っているが、しょうがの機能はそれだけではない。

 

  しょうが抽出物が脳内の炎症を抑えたという研究成果があり、これがうつやアルツハイマー病の症状を和らげることが期待できる。

 

  また、しょうがに含まれるジンゲロールという成分にはアセチルコリン分解酵素の作用を抑える働きがある。アセチルコリンは、アセチルコリン分解酵素によって分解される。脳内のアセチルコリン濃度が低くなるとアルツハイマー病を発症しやすくなることから、ジンゲロールの働きによって脳内のアセチルコリン濃度を高めてやることで、アルツハイマー病の予防が期待できる。

 

  アセチルコリンには、卵の所で書いた記憶などに関わる作用の他に、脳動脈を広げて脳への血液供給を増やす働きもあり、アセチルコリン濃度が高まることによる脳機能の全体的な向上も期待できる。

まさお
作家:大前伍長
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