日本・韓国の共同開催で行われたFIFA World Cup KOREA/JAPANは、各地で熱戦が繰り広げられ、サッカーファンならずとも、手に汗握る興奮に酔いしれた方も多い筈です。
その中で、世界的にも活躍している中田英寿選手は、新聞・テレビ、CM等に数多く登場する事からご存知の方も多い筈であります。その彼を良く知る人は、日本代表選手としてマスコミのインタビューを受けた時と、イタリアのチーム選手としてインタビューを受けた時の言葉と内容は、全く違うと言っております。それは何故でしょうか?
前者は日本代表チームの一員としてインタビューに答えているから、当然の事ながら、日本語で、チームの中心的プレーヤーとしての責任感ある立場からの発言であります。
後者はイタリアでのチームプレーヤーとして、日本のマスコミに対して、イタリア語で答えたのは、かたやイタリアのチームメンバーとして活動しているのにも拘わらず、日本人に対して日本語でペラペラと話していたのでは、たとえ内容如何に依らず、現時点での自分の立場から共に競技をするイタリアのチームメイトに対して、不信感を抱かせるからと、彼が考え取った行動なのだそうです。
この様に、インタビューを受ける側は、色々と配慮しているのにも拘らず、パパラッチ顔負けの、今のマスコミの取材は、常識を遥かに越え、まるで自分達が暴君の如くペンを剣の様にして切り込むインタビューには、情けないものがあります。芸能人に 対しての、芸能レポーターの様な追っかけ的態度で、しかも、サッカーとは?選手とは?何ぞや!という事すら勉強していない、ただの近所の世間話や井戸端会議での、噂話のネタになる様な、興味範囲の内容の無い、しかも相手の立場を考えない無配慮な言葉の流れには、絶句してしまいます。
私ならずとも、サッカーファンは、サッカー以外のスポーツ選手及び、見識者に対してのインタビューは、芸能人や政界の先生方に対しての尋ね方とは、一種違ったものであるべきと、捉える方が多いと思われるからであります。
現在の世の中では、不況に煽られ、マスコミの全ての人とは言いませんが、視聴率、聴取率、発行売上部数を上げねばならないという業界の仕方無い宿命は、あるかも知れませんが、私達、人々が聴く耳を持っている限り、ハートの無い人の言葉や会話程、悲しくも切ない、そして寂しく、嘆き、残念に思われる事はありません。
今一度、この時代だからこそ、心の原点に戻って欲しいと願うものであります。