シャボン玉ムーン

はじめに

 パソコンで文章を打つ様になってから、早いもので13年が過ぎました。
以前はペンでノートに記帳していた詩やエッセイ、コラムもいつの間にかタイプ打ちに慣れてしまった感があります。

このエッセイ集は、ノートに書きつづったものやタイプ打ちしたもの、様々なエッセイを集めました。余り、メモが増えてしまったので、今回1冊にまとめたいと思って集大成致します。
色々な情景で書かれたものがあるので、1冊の量が多くなってしまうかも知れません。

しづかの感性で書き綴りましたので、お茶でも飲みながら時間潰しにお読みください。素敵なあなたに出会えた事に感謝します。                  しづか

第1章 あの頃( 1 / 16 )

サッカーに見るマスコミ批判論

 日本・韓国の共同開催で行われたFIFA World Cup KOREA/JAPANは、各地で熱戦が繰り広げられ、サッカーファンならずとも、手に汗握る興奮に酔いしれた方も多い筈です。

その中で、世界的にも活躍している中田英寿選手は、新聞・テレビ、CM等に数多く登場する事からご存知の方も多い筈であります。その彼を良く知る人は、日本代表選手としてマスコミのインタビューを受けた時と、イタリアのチーム選手としてインタビューを受けた時の言葉と内容は、全く違うと言っております。それは何故でしょうか?

前者は日本代表チームの一員としてインタビューに答えているから、当然の事ながら、日本語で、チームの中心的プレーヤーとしての責任感ある立場からの発言であります。
後者はイタリアでのチームプレーヤーとして、日本のマスコミに対して、イタリア語で答えたのは、かたやイタリアのチームメンバーとして活動しているのにも拘わらず、日本人に対して日本語でペラペラと話していたのでは、たとえ内容如何に依らず、現時点での自分の立場から共に競技をするイタリアのチームメイトに対して、不信感を抱かせるからと、彼が考え取った行動なのだそうです。

この様に、インタビューを受ける側は、色々と配慮しているのにも拘らず、パパラッチ顔負けの、今のマスコミの取材は、常識を遥かに越え、まるで自分達が暴君の如くペンを剣の様にして切り込むインタビューには、情けないものがあります。芸能人に  対しての、芸能レポーターの様な追っかけ的態度で、しかも、サッカーとは?選手とは?何ぞや!という事すら勉強していない、ただの近所の世間話や井戸端会議での、噂話のネタになる様な、興味範囲の内容の無い、しかも相手の立場を考えない無配慮な言葉の流れには、絶句してしまいます。
私ならずとも、サッカーファンは、サッカー以外のスポーツ選手及び、見識者に対してのインタビューは、芸能人や政界の先生方に対しての尋ね方とは、一種違ったものであるべきと、捉える方が多いと思われるからであります。

 現在の世の中では、不況に煽られ、マスコミの全ての人とは言いませんが、視聴率、聴取率、発行売上部数を上げねばならないという業界の仕方無い宿命は、あるかも知れませんが、私達、人々が聴く耳を持っている限り、ハートの無い人の言葉や会話程、悲しくも切ない、そして寂しく、嘆き、残念に思われる事はありません。

 今一度、この時代だからこそ、心の原点に戻って欲しいと願うものであります。

第1章 あの頃( 2 / 16 )

眉「アイブロウ」

 いつの頃からだろうか。男性の眉の形が気になりだしたのは・・・。

若かりし頃も、確かにあった。ヤンキーという言葉が持て囃された頃、セッタを履き、道にしゃがみこみ、髪を角刈りにして、派手なシャツを着ている夏の男姿は、いつも日焼けした顔に、線を引いた様な細い眉が目立っていた。

近年は、リレハンメル・オリンピックのスキーヤー船木選手の眉カットが話題となり、街のメンズコーナーには、男性用眉カットセット(コームとブラシ・鋏等の)が売れる様になった。歴代総理の村山さんは、サンタさんの様な眉毛がトレードマークでもあったのだが、最近の男性の眉の、まあ、綺麗な事といったら、女性も顔負けである。

 プロに言わせると、眉カットは自分で出来るものの、専用シェーバー以外では出来ないポイントが1つだけあるそうだ。
まず、鏡に向かっての、眉の形はOK。勿論長さもある程度は切り揃えられる。しかし、眉毛の厚みだけは1人では出来ない。何故なら、自分の頭の上からしか、眉毛の厚みは見えないからだ。

 さて、面と向かって、美しく整った眉毛もそう言われて見ると、思わず、頭の上から、覗き込みたくなる心境になる。

人の振り見てではないが、私自身も、ちょっと気になる今日この頃である。

第1章 あの頃( 3 / 16 )

「doubt」(偽者)

 夾竹桃・芙蓉・麒麟草・蒲公英、甲虫・クワガタムシ・ざりがに・・・。数えればキリが無いの だ が、本来のものと似て非なるものが増えている。植物・昆虫などだけでは無く、  現代社会においても「純喫茶」と呼ばれた店が殆ど姿を消してしまった。言わば「純」と言われるものが、とても少ない。

 昔、覚えた花や昆虫の筈が、今は違った種類のものにになってきている。純粋なそのものが、形を変えて変化している。人の世界にも、本物が少なくなった。要するに「○○モドキ」が増えている。プロと呼ばれる人は減り「○○モドキ」でその職業を全うしている人の多い事。芸能界では玄人に対して素人の事を「トウシロウ」と言ってバカにするが、現代社会では「トウシロウ」から「○○モドキ」が、 プロの「衣」を被っている。

 純正の少なくなった世の中に、今も尚、生き残る本当のプロに、今後も是非活躍して欲しいものである。
あかね しづか
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