江戸川日記

日常2( 3 / 5 )

僕は源さんの影響からなのか、孤独感からなのか、アパートの近くの子猫たちにエサをあげるようになっていた。1週間前にその中の1匹が車に轢かれて死んだ。あの時の何とも言えない気持ち。子猫から貰ったあたたかさ。深く係わっていなければ、こんな気持ちにならなかった、という思い。意味も無く猫を殺す人間文明と、そこに所属している自分への怒りと嫌悪感。なぜ死ななければならなかったのか、なぜ一瞬で・・・。

日常2( 4 / 5 )

さっきまで一緒にいた猫が死んだ時、他の猫は何かを感じたのだろうか?感じなかったら彼らにとって死とは何なのだろうか?あの猫が死んだのに、自分が生きているのはなぜなのか・・・そんなことが、次から次に浮かび上がって来た。僕にはわからなかった。ただ胸の苦しさだけが、僕の心を表していた。

日常3( 1 / 8 )

「源さん!ほらこれ、大量のフライドチキンを手に入れましたから、みんなを集めて一杯やりましょうよ」

 

「おい七平、お前、いくらなんでも、そんなに大量のフライドチキンが捨てられてるわけねえだろう。いまからでも遅くは無い、自首してきな」

 

 


 

 

ニート新書
江戸川日記
5
  • 0円
  • ダウンロード