僕は目を覚ました( 2 / 6 )
「今日の仕事はこれで終わりだ。普段は、街中を走り回らないと駄目だけど、桜の季節は、わざわざ空き缶を持って来てくれる人たちがたくさんいるからな、桜さまさまだよ」
その後、僕は、源さんたちとまた飲んだ。途中、普段なら僕が乗っているはずの電車が通過したはずだが、そんなことはどうでもよかった。
僕は目を覚ました( 3 / 6 )
「お前と会った仲見世の~♪」
酔った源さんは何度も、何度もビートたけしの「浅草キッド」を歌った。
「たけしは、フランス座でコントをやってた時から知ってるけど、やっぱりモノが違ったね。何度やっても、他の出演者からどこか浮いて見える。上手いとか、下手とかじゃなくて、サイズが違うんだよね。それにいい目をしてた。だから、こいつは絶対に来るな、と思ったね。俺が、芸と目を見て、来るな、と確信したのは、たけしと三平だったけど、そのどちらも来た。まあ、俺には芸人を見る目があった、ってことだな」
僕は目を覚ました( 4 / 6 )
「でも、そのどちらでも敵わないほど、いい目をしてたのが、マルゼンスキーだよ。マルゼンスキーの目を始めて見た時は、あいつが、馬だとか、オスだとかいうのは関係なく、抱かれてもいいかな、って思ったよ。あいつの太いので、肛門が破裂したとしてもね」
僕は目を覚ました( 5 / 6 )
「出た!源さん名物、たけしの浅草キッドから、マルゼンスキーの思い出話!兄ちゃん、ここから長いから覚悟しとけよ!」
「はっ・・はい・・・」
「お前は黙ってろよ!で、マルゼンスキーのデビュー戦は・・・」
二日続けて、花見をした僕は、次の日、普通に学校に通っていた。