シンシア -秘宝城-

  世界最強のトレジャーハンターと言われるベニー クーガ ショーが異世界へ飛ばされ、宝を掴み、リックに背負って、あとは、扉の向こう、そう元の世界に戻るだけと長い石畳を余裕で歩いていた。

  薄暗い四隅から、元気のない、弱々しいようなゾンビが、こそこそと足取り重くゆっくりと出て来た。
「来いよ~、化け物~、ハ~、来いよ~」
  一瞬にして剣を手に持って闘う気 満々の姿勢に成った。
 体全体から、闘士がみなぎり出る。

  日本の侍みたいにゾンビの体をズバズバと切り落としていった。
  ゾンビが石畳の上でジタバタしていた。
  ベニーは、戦意を喪失させられた。
「ワリーワリー、私の敗けだ!?」
  両手を軽く開いて微笑んでいた。

  頑丈そうな鉄扉を思い切り、引っ張って難無く開けた。
  そこには、元の世界の自然の山々や木々や滝の音や鳥のさえずりがあった。
「フッ、やったぜっ」

  達成感が出たのもつかの間 行きなり、背中を引っ張られてゾンビと戦った部屋に戻された。
「ソンナ カンタンナ モノジャ ナイダロ!?・・・」
  低い声がして扉が閉まった。

  扉が付いた面の壁が下がる。
  そこには、高い天井までぎっしりとつめられた、切り刻まれたゾンビ達がいた。
  壁面のガラス!?がズルズル~と異様な音を立てて上に上がっていく。

  汚ならしいゾンビの雪崩がベニーを襲った。
  必死に戦い、暴れ、逃げるベニー。
  しかし、ゾンビ群は、竜巻のように立ち上がり、ベニーを何回も襲いまくった。

  次第に傷を負いながら、引きずり込まれていく。
「モウ イイデショ スナオニ ツカマリナサイヨ イイオモイヲ シタンダカラサ  ヒトバシラニ キョウリョククダサイ!?・・・・・・」
  黒い物体が近付いて来て「ブアァァァ~オォ~」×2   と熊のようなビックリする大声を出してベニーを驚かせて動きを止め、ゾンビ達に掴まえられ、飲み込まれて行った。

  下から、硬い石レンガの柱に成っていく。
「テマ カケヤガッテ」
  翼を広げて飛んだ黒い悪魔が、二足で歩く人間!?に変身して石畳を歩いて扉を出て行った。

 控え室!?(牢獄)、ゾンビは、みんな この時間は、住みかを徘徊(パトロール中!?)していて怪物達は、少なかった。
 部屋の天井付近には、六ヶ所の球形蛍光灯があり、それを置く長い円柱の柱も六つ室内には、あった。

 そして、中央のやや小高い所には、池があり、中には、目を奪われそうな位の金光りした宝の山々が無造作に広げられて置かれていた。
 
  デリントン 青沼は、丁度 宝の山とゾンビの間辺りにキョトンと状況が、つまめないといった感じで歩み出て来た。
  全くゾンビには、解ってないといった状況だった。  ふとゾンビを見て足音を立てないように静かに歩き始め、背を低くし、壁際に寄る。

  ゾンビを観察し、辺りを観察し、鉄の棒を手に入れた。
 こいつらには、勝てると思ったのだろう。 宝の山に行き、ジャンパーやズボンの全てのポケットに、そして宝をつめられる物に財宝を入れていった。

  地面に水が溢れ出る、柱の壁が静かに下がる、球形のガラスが下がる、少しずつ中央から電熱バネが赤く成っていく。
  ホタル!?みたいな虫が動き出す。

  財宝をつめ、これから逃げようと思っていた頃 既に四匹のゾンビが宝の山に近付いて来ていた。
  間合いがつまっていく、そして逃げ場を失った六匹のホタルが飛んだ。
 ・・・・・・次に天井のスプリンクラーが動いた・・・・・・。

  電気が室内を駆け巡る。
  ・・・・・・ホタルが死んだものの青沼もゾンビもクラクラとしながらも中腰に成って立っていた・・・・・・。
  ・・・・・・ひそかに動いた・・・・・・ズ・ズ・ズ・ズ・・・ズーピ~・・・・・・キ~・・・pi~・・・・・・!?
  電柱内部の円柱変圧器が立て続けに三つ落ちた。
  電線を引っ張る。

  散水や床の水によって部屋中が光り、火花を散らし続けた。
  デリントン 青沼は、うつ伏せで水中で十字を描いて死んでいた。
  長い時間が立った。
  水中からあぶくが上がる。
  手で地面を押す、水面から顔を出す、立ち上がる。  そして浮いた!?、羽ばたく!?、暗い牢獄の中で慣れない体を使っているせいか、体のそこかしこで火花!?が散っていた。
  特別悪魔の誕生だった。  さまざな色のイルミネーションを点滅させながら、黒い闇の中に溶け込んで消えていく・・・・・・。

  日本の中心都市、コンクリートジャングル、高層ビル群…etc いくつかの印象を持つ東京。
  この高層ビル群を的に爆破予告という通報と不審物があるという通報が警察に入ってきていたのだつた。

  事実なのか!?デマなのか!? 警察や爆破処理班等が飛び回っていた。
  それから六分後 新宿のライト ブリッジ ヒルズの高層階で爆破事件が起きたと通報が入った。
  地上と空が時間が経つ事に慌ただしく成っていった。
  マスコミ関係者や警察関係者や特殊部隊等のヘリコプターが宙を舞う。
  空中の関係者も含め、負けじと路上も消防車、救急車を巻き込んで騒いでいった。

    今の状況を確認するのに上からも下からもビルに近付き偵察していると、ドラコンのように急に通常では、あり得ない凄まじい炎が上の階と下の階の二箇所を包み、重症者を出し、ヘリを爆発させ、墜落させていた。

  上空も陸も本部からの命令で急きょ 見えない敵からの攻撃!?に迎撃体制を取る事になった。
  爆破された二つの階に全てのマトが絞られていく。  鋭い隊員達の目も銃口も空気を切る緊迫感も・・・・・・。
  この日本では、都会では、滅多に見れない恐い光景がテレビに流されていた。

  初夏の都会 高層ビル群の陰が伸びていく。
  真っ赤な太陽が少しずつ少しずつ落ちていく。

  ダダダダッ、ダダダダッと爆破された高層階からヘリに多くの発砲!?があったと無線が入った。
  高過ぎて下からの攻撃が無理な為  急きょ ヘリの数を増やしたり、近くのビルの同階に狙撃班を置いたりしたのだった。

「・・・誰かが出て来たぞ・・・人が一人出て来た。 ナニッ、怪物っ!?・・・あ~っ、飛び下りた~!?・・・」
  この時 上に居た人達は、下を見下ろし、下に居た人達は、上を見上げたのだった。
  ヘリが数機  旋回してビルの陰に入る。

「チキショー暗く成った~、下を映せ~、下だ~下っ、ダメ元で、下を取れ~」  マスコミ関係者のヘリが下降して行く。
  流れで警察機も下降して行く。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
シンシア -秘宝城-
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