シンシア -秘宝城-

  キキキキ~、回転翼ハブに無理が掛かっている音がした。
  機体に登場している皆が見てしまっていた・・・回転翼が止まっている!?
  パタパタパタ、ドンドンズポッ、バリーン、悪夢が現実で急襲した瞬間だった。

  変な高い音に大勢の人が遥か上空を見ていた。
  小さく見えるヘリの尾翼があった。
  かすかに見えるホバリングしているヘリに対し、尾翼辺りがあり得ない方向に曲がっていく。
「オ・オ・オ・オ・・・・!?」

  上空から何かが落ちて来た。
  危険を感じとって下では、人が逃げていた。
  あっという間に地面に衝突し、飛散した。
  無残過ぎて何が落ちて来たか解らなかったが、地は、ヘドロみたいに成っていた。 人間!?もいるように見えていた。
「上空で何が起きているんだ・・・・・・!?」
  誰もが、そう思いつつあった。

「アアアー」
「助けてくれー」
「ウワワー」
  来るヘリは、捕まえられて襲われていた。
  体中 どこでも噛みつかれ、瀕死の状態にもって行かれた。
  襲ってきたのは、黒い悪魔達や羽がある死人達だった。
  そして、自爆落下傘部隊は、人間を捕まえては、羽を風船状に包み込んで、狭い袋内で敵同士が攻撃し合って数秒で地上に激突したのだった。

「この怪物ヤロー」
  銃弾を撃ち続ける。
  悪魔が口から炎を吐き続ける。

  ガブッ、ガブッ、
「イッテ一、クッソー、死ねやー、怪物ーっ」
  血だらけの顔で手榴弾のピンを抜き取る。
  中空で赤い風船玉が爆発する。

「このヤロー、このヤロー、クソー、イッテ一じゃねーかー」
  噛んで来る怪物に対してサバイバルナイフで刺し続けたのだった。
  ビルの屋上のかどに高速でブチ当たり、二体が壁面に接触しながら地に体を預ける。

  落ちていく途中で悪魔をやっつけ、羽の風船を銃弾で割って切り離したものの壁面ガラスを数秒まの当たりにしている間に地面のコンクリートをヘコませたのだった。

  機体に付いている機関銃を怪物に向かって撃ち続ける。

  闇の怪物は、ビルの陰(三角柱)の中に居た。
  黒い陰が蜂の巣のように怪物を出入りさせていたのだった。
  中空の魔のトライアングルゾーン。
  次から次へと機体を引き寄せては、破壊し、同乗者を仲間に捧げていった。

(何なんだ・・・こいつらは・・・しかも、この空間に・・・)
  ビル内で狙撃している誰もが内に秘めて敵を撃って倒していたのだった。

「近くのビルの同等の高さ付近に狙撃班および特殊部隊を増員して設置、そして敵を向かい撃つ」
  指令本部から出た命令だった。
  今までにない近さと戦闘態勢に長期戦争は、避けたいと願っている幹部達だった。

  戦闘員を増やす事により一層  戦闘は、激しく成っていった。
  地上の建物、ビルの壁、ガラスなどを粉砕していく。

  肉眼でも確かめられる頭上の空間で何色もの光が激しく飛び交っているのが見えていた。
  口から出す<喋る>という機能を失わせていく。

  暗く成って、撤退してかなりの時間が経っているように感じられていた。
  そう、この瞬間が<嵐の前の静けさ>なのだろうか。
  また、いつ戦争が起きるのか誰もが不安感を持っていた。
  人けがないように見える高層ビル群に明かりがついているのが、心の奥底に恐さを生んだ。
「・・・・・・何でこんなに静かなんだ・・・気味が悪い・・・・・・何で襲って来ない!?・・・・・・」

  初夏の朝は、明るく成るのが早かった。
  太陽が人間に<働き蜂>をせかし起こすように火時計を昇らす。
  交替で見張りをしていた高見澤 守(24)が望遠鏡を目から投げるように外して赤い緊急ボタンを押した。
「敵が来た~っ」

「アアアー」  ダダダダッ、
  機関銃を撃ち続けた。
「・・・何だ、こいつら~・・・!?  サングラス!?・・・・・・」 (まぶしさに弱いのか!?)
「・・・サングラスを撃てー・・・」
  顔辺りにマトを絞った。
  粉砕して落ちていく。
  サングラスが外されていく。
「ナニ~、目がないっ、悪魔の目が失明している・・・!?」

  ドッカ~ン、ドッカ~ン、コンクリートの地面に穴が開いた。
  しかも下から開いた。
  ゾンビが硬いコンクリートをバズーカ砲で爆破させ、地上に出て来たのだった。
「ハ~イ、お待たせ」 
  右肩にかついだバズーカ砲を人間側に方向を変えて撃って進んで来たのだった。
  つまり怪物達は、目が無かった、そして知能を持ち、進化していたのだった。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
シンシア -秘宝城-
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