嘘ばかりの脳卒中リハビリ その実態を斬る! 第2巻(完結)

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記事351~400( 8 / 50 )

記事358 緊張を中長期にコントロールしていくためには?

こんばんは。

前回の記事の続きですけどね

今回は、短・中期的な筋緊張のコントロールについて考えて

見たいと思います。

ま、事例からいきましょうかね。

以前、本編のブログにも紹介したことのあるお客様ですけど

右麻痺の女性で、短下肢装具を使用していて

今は車椅子中心になっている人ですけどね

股関節、内旋、内転がかなり緊張していてね

痛みを伴ったり、動作がゆっくりであったり

そういう方がおられるんですけどね。

最近までは、車椅子での姿勢も大きく崩れがちになり

リハビリもほぼ現状維持程度というゴール設定の方が

車椅子に乗っていても、下肢の痛みなど明らかに

緊張からきているような症状を訴えられたことがありました。

あはは、私は今、この方の受け持ちではありませんけどね

以前からのデイケアのお客様でしたので

そのときにこういう対応をしました。

車椅子の座面のたわみを徹底的に少なくなるようにして

それでも座面中心はどうしてもたわみますのでね

バスタオル(施設の入浴用)を厚めにたたみまして

座面の中央におきました。

その上に100均であるようなゴムの滑り止めを敷いて

さらに車椅子用の専用のクッションがありましたので

あらためて、その上に乗せました。

ただこれだけのことなんですけどね。

実は、このお客様、車椅子の姿勢がよくなってきて

自走も1ヶ月くらい前と比べてもスピードも上がり

リハビリでのストレッチなども行いやすくなっています。

さらに股関節周囲の筋緊張も和らぎつつあるんですね。

、、、、

別に、短・中期的な対応が車椅子と断定しているのではありません。

しかし、短・中期的に筋緊張をコントロールするためには

片麻痺のお客様の周辺環境をいかに調整するかという

私は結論に達しています。

要するに左右対称に近づけるという作業を行うために

今しがた事例に出しましたように、車椅子は非常に筋緊張に

影響していますので、座面のたわみなどには

しばしばチェックを入れていますけど。

他には装具の適合性とかねそういう部分も、筋緊張には

大きく影響していると考えています。

よくあるのはね、靴べら型装具でもいいんですけど

しっかりと装具の形にフィットしないようなつけ方が

割と多くみられます。

緊張によりつけにくい場合もあれば、装着そのものの困難さとか

自力動作で対応させるためにしっかりと装着できないという

そういう場合もあると思いますけどね。

しっかりと足の形にあったつけ方をしないと

逆にそのことで、左右非対称の下肢の状況が悪くなるのを

かえって助長してしまうこともあると思いますけどね。

、、、、

車椅子をほとんど費用をかけずに

お客様の緊張をコントロールさせてみたいのであれば

さきほどのような調整はきわめて有効であると思っています。

しかし、あえて専用のようなクッションを購入したりレンタルしたり

する必要までは、そのときの状況によってですけど

かなりの割合で不要であるのではないかとも思います。

すなわち、座面そのものがその中央部のたわみを起こしていなければ

あとは別に通常のクッションとか座布団程度でも

意外と快適に座れると思いますけどね。

ただし、滑り止めをかならず使用するということだけは

事前にきちんと対応してほしいと思います。

そうでないと座布団がお尻と一緒に滑ってしまう

そういうことが十分に予想されますのでね。

というように、車椅子を例にとりましたけど

短・中期的に筋緊張をコントロールしていくには、

直接的な身体面へのアプローチというよりも

環境自体をいかに正確に評価していくということが

はるかに重要であると思っています。

、、、、

どうしてこういうことが起きるかという部分については

当ブログ本編にはかなりヒントを盛り込んでおりますので

また参考にしてみてくださいね。では。

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M-CCアドバイザー 寅 加太夫
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