「あぁ……ダメ……」
彼の指が熱く蕩(とろ)けた中心に入ってきて、凛(りん)は身体を硬くした。
「ダメじゃないだろう……凛の中、もうトロトロだよ……ホントは気持ちいいんだろ」
「ち、違う……」
頭を振って否定しても、すべては彼の言った通りで、もう自分では立っていられないほど、感じまくっている。
「凛、見てごらん、自分がどんな風になっているのか、その目で確かめるんだ」
ゆっくりと顔を上げると、大きな鏡の中に、凛と、そして彼が映っていた。
柔らかな栗色の髪、ブルーの瞳、男らしい引き締まった唇。長身で均整のとれた、モデルのようなスタイル。
王子様のような彼の腕の中で、地味で冴えない自分が、顔を真っ赤に染めて淫らな肢体をさらしている。
「いやっ!」
ギュッと目をつぶった凛の耳元に、彼が唇を寄せて囁(ささや)く。
「ちゃんと見るんだ、自分がどんな風になっているのかを……恥ずかしがることはないよ、凛はとってもかわいいんだから」
彼はいつも甘い言葉を囁く。
凛が今まで、誰にも言われたことのないような、甘い甘い、砂糖菓子のような言葉を……。