嘘ばかりの脳卒中リハビリ その実態を斬る! 第1巻(完結)

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記事20 尖足(せんそく)とは何か?

こんばんは。

今日は、尖足、亜脱臼、手指の伸展拘縮について軽く書きましたけど

早速、尖足について説明をしておきましょう。

片麻痺で尖足になることはありません。

???

いきなりハテナマークですけど

麻痺があるためにではなく

急性期の意識が回復しない時期

そして

麻痺が重度であり、麻痺足に関節可動域訓練が

成されなかった場合に尖足が起きるということで

私は理解しています。

仰向けに寝ているときの足関節は

誰が考えても底屈位にあります。

簡単ですよね。その状態で固まってしまうだけなんです。

麻痺がなければ、筋力がありますので

動きさえすれば、動きにより足関節は背屈できますので

ほとんど制限が起きることはありませんし

仮にある程度縮んでも、それは何とか時間さえかければ

いずれ元の状態になるといえますが

片麻痺で、麻痺側に随意性が戻り、足にかなりの体重をかけるように

なるまでには、相当の時間がかかりますし

全身的にバランスをとることが難しいわけですから

当然のように、麻痺足に体重をかけるということが困難に

なるのです。

???

何をいっているのかわからない?

いえいえ

この状態こそ

下肢の伸展パターンということになるのです。

よく考えてみてくださいね。

下肢の伸展パターンを分析してください。

骨盤が後退ですよね。

股関節は屈曲、内転、内旋

膝関節は伸展

足関節は底屈(手首でいうところの屈曲に相当します)

一体、どこが伸展共同運動になるのでしょうか?

では、上肢はどうかといいますと

これも微妙ではあるんですけどね

上肢帯(肩甲骨)は後退

肩関節は軽度伸展

肘関節が屈曲

手関節が屈曲

指が屈曲

というような状態になっています。

どちらかというと上肢のほうが統一性のある状態になっていますが

本当に屈曲かというとかなり怪しいです。

ま、上肢のことはここでは放っておきますけど

下肢の伸展といいながら

どうして足関節は底屈になるのでしょうか?

もう、おわかりですよね。

先に尖足の状態になっているだけなんです。

お暇なら

足関節を尖足の状態にして立ってみてください。

それで立位を示すとどうなりますか?

いわゆる伸展パターンとなるのではないでしょうか?

これを、リハビリの世界ではいまだに伸展パターンとして

扱っているはずです。

いかがでしょうか?

伸展パターンなら

股関節も伸展位に近い状態

膝関節伸展

足関節も背屈しなければおかしいのです。

ということで、

尖足が先に生じていることから、このような誤解が生じてしまうのです。

ですから、尖足が起きていない状態であれば

いわゆるこのような伸展パターンの状況が生じることは

少なくなるはずです(ただし、下肢ステージが2以下であれば下垂足と

いう現象で、似たような状況が生じますけれどね)。

くれぐれも、尖足を片麻痺の症状ととらえるのだけは

今後しないようにお願いいたします。では。

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記事21 亜脱臼とはなにか?

こんばんは。

さきほど、FC2ブログで

新ダイエット・リハビリテーション・虎の巻

に新着で、ブルンストロームステージをめったぎりします。

というのを投稿しましたので、

良かったら(って誰にいってるの?)読んでくださいね。

で、今日は亜脱臼です。

亜脱臼って、肩の関節が緩んだ状態であり、関節面の位置関係には

特にずれはないですが、引き離されてしまった状態をいいます。

ですから、遊びが大きいということなんですけど。

なぜ、関節周囲にある靭帯が伸びてしまうのでしょうか?

そして、これはいつ起きているのでしょうか?

、、、

、、、

一旦、ミニ検定のようにしましょうね。

では、続きを読む に進んでくださいね。

 

ミニ検定です。

問い1

亜脱臼はいつ起きるか

1.抗重力姿勢(座位、立位)をとることが多くなると生じる。

2.歩行練習がはじまるとさらに起きやすい。

3.急性期のベッド上にてすでに生じている。

4.時期は全く人によって異なる。


問い2

亜脱臼はどのようにして起きるか?

1.関節周囲の筋力が働かないために靭帯が全体に引き伸ばされる

2.麻痺により上肢全体がぐらぐらするように動かされるために

  徐々に靭帯が緩んでくる。

3.関節のある一部の靭帯が伸ばされることにより、徐々に進行し

  ていく。

4.もともと靭帯がゆるい人に多く見られる現象として説明できる


それぞれ、正解は一つです。

今日は、ここまでにしておきましょうね。少し考えてみてください。

答えは明日投稿して、説明を加えたいと思います。では。

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記事22 亜脱臼 前回の検定の回答編

こんばんは。

前回、下記のようなミニ検定を投稿しましたが

おわかりでしたでしょうか?

では、

前回の本文をそのまま再度乗せますけど

答えをその下に書いておきますね。

 

ミニ検定です。

問い1

亜脱臼はいつ起きるか

1.抗重力姿勢(座位、立位)をとることが多くなると生じる。

2.歩行練習がはじまるとさらに起きやすい。

3.急性期のベッド上にてすでに生じている。

4.時期は全く人によって異なる。


問い2

亜脱臼はどのようにして起きるか?

1.関節周囲の筋力が働かないために靭帯が全体に引き伸ばされる

2.麻痺により上肢全体がぐらぐらするように動かされるために

  徐々に靭帯が緩んでくる。

3.関節のある一部の靭帯が伸ばされることにより、徐々に進行し

  ていく。

4.もともと靭帯がゆるい人に多く見られる現象として説明できる


それぞれ、正解は一つです。

 

回答です。

問い1  3

問い2  3

解説 亜脱臼は、急性期に麻痺側の肩関節が伸展位にあることに

着目してください。ベッド上で伸展位にあるとは思えないですよね

しかし、実際には肩は軽度伸展位にあることが多いのです。

このことにより、肩関節の前面に関節面を開く力が生じます。

よく、考えてほしいのは

関節の周りにある靭帯の強度のことです。

仮に、抗重力位である場合には、肩関節をとりまく靭帯が全体的に

伸ばされるということが考えられますけど

腕の重さで靭帯が伸ばされる前に、肩がとにかく下に下がって

しまうだけで、それ以上靭帯の強度を超えて関節面が開くと

いうことは考えにくい現象です。

つまり、私達が日常で、腕をだらんとしたまま過ごしても

そんなに簡単に亜脱臼の状態にならないことと一緒です。

しかし、実際に亜脱臼が生じるということは

普段、伸びることのない靭帯、それも肩関節周囲にとりまく

靭帯が、一度に伸びるというよりも

どこかが基点になり、それがさらに周囲にひろがっていく

ちょうど、衣類のほつれが徐々に周囲に広がっていくように

靭帯が伸びていき、それがさらに関節周辺をとりまくようになる

という説明をすれば、理解しやすくなるのです。

したがって、亜脱臼は急性期のベッド上での

肩関節、腕のポジショニングによってかなりの割合で

未然に予防できる(完全とはいえませんけれど)ものと

考えられます。これが私の回答です。では。 

 

 

 

記事1~50( 23 / 50 )

記事23 非麻痺側の負担を理解することが必要

まだまだ、このブログも知名度もなくてね

書いていることは相当真実を語っているつもりなんですが

ま、気長にかいていきましょう。

今日は、そろそろ皆さんの興味のある本題に入ってみましょう。

実際に

片麻痺ってどうやれば一番効率がよくリハビリできるのか

ということです。

ボバース法とかね、そういうことではなくて

灯台元暗しっていうじゃないですか

皆さんの盲点に入っているところで

答えがあると思ってください。

よろしいですか?

、、、

、、、

、、、

答えは健側(非麻痺側)にあります。

なぜならば、皆さんがもし片麻痺を意識してみてくださいね。

身体を動かすには非麻痺側を過剰に努力しなければ

それでも、健康なときと比べて、はるかに大変なことは

容易に想像できると思います。

???

???

これって、連合反応の元凶ですよね。

つまり、片麻痺ということは、麻痺があるために過剰に非麻痺側に

負担をかけるという状態と言い換えてよいのです。

そして、それが、逆に麻痺側に連合反応を強化し、

麻痺回復曲線という、袋小路から抜けられない状態を作る

最大の原因となっているのです。

、、、

、、、

で、私のリハビリの考え方は

いかに非麻痺側の負担を軽減させるかということに

主眼を置いています。

いえいえ、麻痺側のことを考えていないわけではありません。

非麻痺側の疲労を抜いてあげなければ始まらないということなんです。

特に下肢ですね。

私は、治療する順番を決めています。

まず麻痺側の下肢、ついで非麻痺側の下肢

それから麻痺側の上肢、それから必要であれば非麻痺側の上肢

というようにです。

特に下肢については、できるだけ、左右の状態が均等になることを

意識して対応しています。

これだけでも、動作全般の円滑さが増します。

たとえばベッドでの起き上がりですけどね

私は動作練習をしないのが主義です。

いえいえ、しっかりと両下肢をリラクゼーションするとね

それだけで、起き上がりがラクにできるようになるのです。

悪いですけれど、人の身体ってそういうように出来ているんですね。

というように、今日はさわりだけですけれど

通常は無視されるところの非麻痺側への対応

あるいは全身をしっかりとみるという対応ができますと

片麻痺というのは、案外、簡単に症状が改善していくことが

経験で申し訳ありませんけれど(24年経験していますけど)

みられるのです。

徐々にそういう話題を多く触れていきますけどね

これからも興味ある人はお読みください。

また、いろいろな人に教えていただければ幸いに思います。では。

M-CCアドバイザー 寅 加太夫
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