BACK TOPIC 2 -say hello to メビウス&パンドラ-

 能天気な常識のない奴が、ここにも一人いた。
 隠れ"心霊スポットマニア"  廃墟や幽霊出現場所が好きで生理的に凄く興奮する場所・事柄が、異常な程 好きな男だった。

 しかし、小宮里 麗 (こみやまざと れい) は、本当の異常者だった。
 それは、過去に人には、言えないピストルによる強盗殺人事件や車でのひき逃げ殺人犯を経験していたからだった。
 いずれも未解決のまま時間だけが過ぎていた。

 そして、ふと気づくとあろう事か、見覚え!?のある所に通りがかっていた。 暑かったので近くの自動販売機の近くに横付けして車を停めた。
 ジュースを買って辺りをふと見ると路肩に花束が添えられているのが、目に止まった。
 近付いて行く。

 自分自身が存在した、結果を残すという意味なのか、その花束を蹴飛ばして散らし、踏み散らかして歩き始めてしまっていた。
 少しずつ離れていく。

 暗かったはずの帰り道が昼間のように明るく成っているのにきずいた。
 目を疑った・・・目が止まった・・・目だけを左右に上方向に下方向に動かして確かめた・・・眉をしかめた。

 コピー機のマジックインキが掌から、飛散したような光景が眼前に広がっていたからだった。
 星空の星一つ一つに色が付いたみたいに綺麗だった。

 赤玉の割合が多く、次に青、緑、黄色と玉の数が混じって散っていた。
 その中を四人の女子が"背"を向けて宙を飛んでいた。 目を"白・黒・緑・赤" と各々が信号を放って点滅させていた。

 四メートル位の高さから、下の小宮里を空中背筋の一瞬で四人は、ロックオンしたのだった。
 わずか十二秒で地面に到達する。

 マンガや瞬きをするようにコマ送りで四匹の死神!?は、両手を広げ!?、手を差し伸ばし!?、容疑者!?を捕まえにかかったのだ。

 ∴三十三センチメートル×十二回で沈んで落ちて行く。
 異常に気付いて辺りを見て・ウ・エ・を見た。
 近付いて来る見た事!?のある死神達、知らず知らずに髪や腕や手首、ベルトや足首を掴まれ、地面方向に引っ張られた。

「キャー・・・ウ~・・・ウエ~ン・・・・・・」
「うっ、眩しい・・・!?・・・」(車のヘッドライト!?・・・・・・) 右手をかざす。

 周りが明るい環境で唯一  下だけが黒かった。
 目を丸くし、沼に引きずりこまれていった。
 沈んで行く・・・鳥肌が立つ・・・震えた・・・。

「ウワ~・・・!?・・・」
 絞り出た最期の声だった。 口元をふさがれた。
 体がもがき動く。
 体が沈んで消えた・・・。

 しかし、最後に右手が肘の途中まで出た。
 ブー・・・、キュッ・・・!?。
 変わらぬ日常で右腕の肘から先だけが、タイヤにひかれ、異様に変形した形で指紋がない状態で現代に助けを求めたオブジェが残っていただけだった。

 世間の話題は、”日本とアメリカのクォーター”、”ミュージカルの申し子”こと
<シャンディーレーヌ 秋本> 二十歳初のプロモーションビデオに
集中していた。

 混乱に成らぬように夜に某ホテルにチエックインした。マネージャーやスタッフで秋本の化粧や衣装、ナチュラルに入っていける様に室内の飾り付け、秋本とも楽しげに会話をし、ケアをし、魅力のあるプロモーションビデオを作ってゆく。 

 その舞台裏に某テレビ局が独占インタビューに漕ぎ着けていた。
 歌のタイトル『 予波 -ヨハ-』のレコーディングも兼ねて、
秋本の舞台裏を取るのにカメラが、回され通し稽古が始まる。

 三十分後 秋本の頭上から、小さく輝く鳥の羽が舞い降りてきた。
 両手を一杯に広げる秋本。
 スタッフやプロデューサーらが綺麗に思いながら、目をしかめ 顔を合わせて首を傾げた。.

 その時 シュー シュー シュー ピシッ ピシッ ピシッという微かな音が。
 秋本が左右の手を見る。そして胴も。
 シューッ、シュシュッー、シュシュシュシュシューッ。
 足元から五センチ間隔位で、MRIのごとく肉や骨を確実に切り落としていく。
 スタッフ達の目が、秋本に集中する。

 視線を感じ自らが、下を一瞬見て前を向き目を全開にした。 一同 ”無言”。
 一気に腰の下まで切り落とされる。  下には、肉の破片の山が。

 某テレビ局の女子アナが、「きゃーっ」と短く叫んだ。
 秋本も「キャーァー・・・!?。 た・す・け・・・」 思わず叫び、命乞いをする。
 シュシュシュッ 腰下から胃迄、更に加速され、そして頭迄  両手も左右に一気に引っ張られる。 バサッ・・・。 顔が胸が裂かれた。
「・・・・・・キャーアー!?・・・」 周りの女性達が輪唱するように叫んだ。

 口をふさぐ。 泣く。 女が失神する。 一気にパニック状態に成った。 プロデューサーは、唖然とする。
 某テレビ局カメラマンは、「シャッ、シャレにならない、シャレにならない・・・公に・で・き・な・い・・・こっ、これは。 じっ、事件だ!?・・・」 と。  カメラを見るカメラマン。 目を丸くする。 冷や汗をかく。
 床には、色とりどりな葉っぱや色鮮やかな湿地が広がっていく。

 

《警察では、事件という措置を取ったものの、オープンには、せずに件名を変えて捜査をした・ニュースでは、急性心筋梗塞により死亡と発表された》

「"悪魔の鼓動 (サイレントドロップ)"って知っているよね!?・・・・・・」

「成るように成れって言うんだ!?・・・・・・」

「・・・・・・落ちる所まで堕ちれば、いいんだ・・・・・・そうすれば、色々な物が見えてくる・・・・・・後は、上がるだけ・・・・・・道は、必ず開けるはず!?・・・・・・」

  やわらかく、そそられる神秘的な女を買ってHし、ヤクを鼻から、吸引し、アルコールと混合させた。
  自己満足と嫌な過去を全て忘れる為に。

  マニアの中で恐れられている『コックリさんの墓穴』のホームページ内の悪魔の鼓動 (サイレントドロップ)をコピーし、ゲームし始める・・・・・・。

「・・・・・・フ~、いつまで、やらせるんだ~・・・・・・!? お前・・・・・・もう、あきてきたよ~・・・『コックリさん・・・』・・・・・・フフ~」
  いい形をしたグラスのゴールドカラーのブランデーを一気に飲み干した。

  新鮮な空気を吸いにヤンチャなキャメロン パールが、ベランダに歩を進めて行った。
「ウッ、ゥッ、ウ~!?・・・」
  心臓にナイフが刺さるような痛さ!?衝撃!?を幾度となく味わった。
  目の色が赤く成った、足が次第に早く走り始める。「これが・・・痛み納めさ・・・見納めだ・・・・・・!?」
 図太い男の声に成っていた。

  自らで喋っていた。
  ベランダにつながるガラスを粉砕して真夜中を三階からダイブする。
  ・・・長い時間、飛んでいた。しかし、地面には、落ちなかった。

  体を十字にし、赤と黒が交わる不気味な世界をダイブしていた。
  心臓への激痛が続く中、服は、引き裂かれて女の悩ましい裸があらわに成っていった。
  裸体に悪魔の文字が刻まれていく。
  現世の空がゾンビの海と成り、女を地獄に引きずり墜とし、引き裂かれていく。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
BACK TOPIC 2 -say hello to メビウス&パンドラ-
0
  • 200円
  • 購入

1 / 15

  • 最初のページ
  • 前のページ
  • 次のページ
  • 最後のページ
  • もくじ
  • 購入
  • 設定

    文字サイズ

    フォント