僕は、仮面ライダーになりたい。

僕は、仮面ライダーになりたい。

 今年、5歳になる甥の将来の夢は、仮面ライダーになることだそうです。

 

 しかし、私が、「りっくん。大きくなったら何になりたいの?」と質問すると。

 

 「陸斗は、自衛隊に入るの。」と答えます。

 

 そこで、義妹が、「りっくんは、本当は、仮面ライダーになりたいのよね。」と問いただすと。

 

 「りっくんは、やっぱり、仮面ライダーになるの。」と本音をポロリと答えてくれます。

 

 「そうだよね。仮面ライダーかー。かっこいいね。なれるといいね。」

 

 と言うと。弟は、「馬鹿か?兄貴は、仮面ライダーになんかなれるわけないだろう。こいつは、自衛官にさせるからいいの。」と言います。

 

 そこで、私が、「本人が、なりたいと思っていたら、なれるかもしれにじゃない。」と言うと、「だから、兄貴は馬鹿だよ

」と笑います。

 

 皆さんにも「馬鹿だ。」と笑われてしまいそうなこの話なのですが、私は、5歳の甥が持つこの夢を本当に信じてやりたかったのです。

 

 時がたち、彼が、本当に「仮面ラーダーにならなくていい。」と言い出すか、死ぬまで持つかもしれないその夢を本気で信じてあげたいと思いました。

 

 何故なら、こういう私も、学習塾で講師などもしていた時代もあり、数学の苦手な経済学部志望の生徒に、「経済学部だと、数学が、出来ないと卒業できないし、他学部にいても経済学の講義は受けられるから、希望学部を変えたたほうが良いよ。」

 

 などと述べてきたからです。

 

 当時は、私も、それが、論理的で整合性のある意見だと思っていましたが、それでは、結果的に彼の夢を砕いていただけだったのです。

 

 彼の夢が、どうすれば叶うか、例えば、大学で通用するよう数学の基礎固めをしてあげる。何故、その手助けの方を出来なかったのだろうか?

 

 今は、そう、思えるようになったから、そう言える様になったのです。

 

 スポーツ観戦をしていても思います。「どうせ、一回戦で負けるから。」と言った軽い気持ちで、生徒達が、苦しい練習を積んでいるでしょうか?

 

 いや、きっと一回戦で負けてしまった子供たち全員も、全国の舞台で優勝することを夢見ていたのではないでしょうか?

 

 だから、確かに、仮面ライダーになるのは、難しいのかもしれないけれど、「なれる、なれない。」ではなく、五歳の陸斗君が、本気で「仮面ライダーになりたい。」と思った気持ちをずっと忘れないでいて欲しい。と思いました。

TOMOKAZU
作家:TOMOKAZU
僕は、仮面ライダーになりたい。
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