算命学余話 #G93

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算命学余話 #G93 (page 1)

 昨今すっかりお馴染みとなってしまった「誰でもよかった」無差別殺傷事件について、ある作家がこういう趣旨の持論を述べていました。

――この種の事件を起こすのは残念ながら男性ばかりで、女性はほとんどいない。それは「誰でもいい」という発想が男性の性衝動と通底していることと関係している。性的欲求不満の男性は「誰でもいいからやりたい」と行為を望むが、女性はたとえ欲求不満であっても基本的には好きな相手とでなければ望まない。これが殺人衝動に向かうと男性は無差別殺人となり、女性は標的の決まった怨恨殺人となる。――

 なるほど、一理あるように感じます。無論、世の多くの男性は「誰でもいい」性衝動に振り回されてはおらず、決まったパートナーとの交渉に満足しているから世の中はうまく回っているわけですが、殺人衝動や性衝動に振り回されるか否かについては、算命学的見地からも意見があります。
 その話の前に、もう一つ興味深い話を例に挙げます。薬物依存に関する動物実験で、マウスを入れたケージに水の飲める餌場と麻薬入りの水の飲める餌場を設置し、マウスがどちらを好んで飲むかを調べました。一方のケージAにはその二種類の餌場と一匹のマウス以外に何もない殺風景な環境を。もう一方のケージBには同じ二種類の餌場の他におやつがあり、マウスには家族や仲間もおり、運動のできる遊び場もある。すると、同じ餌を与えられているにも拘わらず、麻薬入りの水に依存したのはケージAのマウスだけという結果が出たのです。

 もうテーマが見えましたね。これは孤独と依存の関連性の話なのです。或いは選択肢と依存の関連性と言った方がいいかもしれません。他に選択肢がないと、人間はそこに固執し依存するしかなくなるのです。だとすると、人間の健全な精神生活のためには、固執と依存を避けるだけの幅広い選択肢が必要ということになります。それはバラエティーに富んだ生活環境であり、豊かな人生というわけです。選択肢がないということは、それだけで貧しいと同義なのです。
貧しいと言うと、とかく経済上の困窮に結びつけられがちですが、実際はそうではないということです。カネがなくとも豊かに暮らしている人はいるし、カネがあるのに薬物に依存して不幸へ向かう人もいることは、よく知られています。
 今回の余話のテーマは、こうした「貧しさ」にかかる話題と算命学の視点を絡めて、運勢を上げるために宿命をどう駆使するかを考えていきます。
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