算命学余話 #G85

算命学余話 #G85600の有料書籍です。
書籍を購入することで全てのページを読めるようになります。
算命学余話 #G85を購入

算命学余話 #G85 (page 1)

 最近、世間の誰もが知るような業績を打ち立てた著名人が立て続けに亡くなりました。こうした著名人の履歴は公開されているので、算命学者は生年月日を調べて宿命を算出し、その宿命が正しく消化されたのかそうでないのかを、その人の履歴と見比べます。算命学者も日々研鑽が必要です。こうした実例を検証することは、算命学者が自分自身の技量を高め、確認するためにも有意義なのです。
 こうした実例のうち、中級レベルの学習者に説明しやすい例があれば、それを鑑定実践シミュレーションして明文化し、『算命学余話』として皆さんに読んで頂くのですが、実のところ、宿命消化というのはそれほど単純なものではありません。要するに、故人の履歴と照らし合わせても、宿命の消化具合がはっきりしないケースは珍しくはないのです。

 こういう時、算命学の技法そのものの信憑性を疑っても構わないのですが、私は世に公開されている故人の履歴や評価や業績が、実際にはその人の人生を正しく反映していないということの方を重視します。なるほど、履歴詐称でもしていない限り、経歴に間違いはないでしょう。業績も、周囲の人々の証言の一致や客観的評価、数値的証拠があれば、正しいと見做して差支えないでしょう。
 しかし、そうした文字として可視化できるような散文的情報のみが、その人の人生のすべてを語り尽くしているとは到底思えません。「言葉に言い表せない」ことの方が遥かに多いはずです。そして近親者でさえ知らないような心の秘密が、本人の内面にだけ隠されていて、それを誰にも明かさず墓場まで持って行ってしまうということだって大いにあり得ます。逆にそれがない人などいるでしょうか。いると思っている人は、人間というものを随分薄っぺらな生き物だと見積もっている人だし、なぜなら当人が薄っぺらな人間だからそういう見立てしかできないのだと、私は冷たく考えています。

 こうしたわけで、私が著名人の人生鑑定をする時は、表に出ているその人の経歴、業績、周囲の評価、風評などは、その人を表しているごく一部の情報に過ぎないというスタンスで、サブ情報としてしか扱いません。メインの情報は専ら宿命であり、重要なのはその消化具合です。
 強いて言うなら、故人が長く身近に接した家族や親友などの証言は、メイン情報扱いしてもいいでしょう。こうした近親者の知る故人の人物像は、往々にして世間評とは離れているものです。勿論、彼らの知る人物像の方が実像に近いです。世間の評価は一人歩きしがちで、本人に会ったことのない人でも、さも親しい知人かのように人物評を語ったりしている。語ることで何か得をしているのかもしれませんが、そうした評価は語り手に都合よく成形されているものなので、場合によっては事実と全くかけ離れた情報を無責任に吹聴しているという事態に陥りがちです。昨今のマスメディアは特にそうです。

 その情報が真実なのか嘘なのか、どうやって見極めるのかとしばしば問われるのですが、それは案外簡単にできます。最近では、安倍元首相への弔辞を述べた菅元首相が好例です。あの弔辞は老若問わず話題になるほど感動的でした。時間にしたら数分のスピーチにも拘わらず、安倍氏と菅氏の私的な関係性が、具体性をもってよく判る話でした。あの弔辞に感動するのは、それが真実だからです。「真・善・美」の一体化したものに接すると、我々人間は魂が反応して感動するようにできているので、見誤ることはないはずです。
 但し、現代社会においては、人に安易な感動を与えることで儲けようという下心で成り立っているビジネスが多く、街中に「まがいもの」の感動が溢れているため、これと本当の感動をごっちゃにしている人は多いと思います。そういう人たちには見分けがつきにくいかもしれません。感覚が麻痺しているのでしょう。
 そうならないためには、まがいものの感動からは距離を取るのが有効です。卑近な例を挙げるなら、「全米が泣いた」的な謳い文句の作り話に感動を求めないこと。ノンフィクション作品であっても、そこには意図された編集作業が加わっていることを念頭に入れて鑑賞し、安易に感情移入しない姿勢を保つことです。そんな日常生活は味気なく聞こえるかもしれませんが、ご心配なく。こうした姿勢を保っていても、菅氏の弔辞にはちゃんと魂は反応しますから。

 さて今回の余話は、久しぶりに守護神の続きです。もう辛金の守護神も最後の季節となりました。宝石と生まれた辛金の皆さんは、自分が輝いているかどうかが非常に気になる人たちで、それは本人の自意識過剰にばかり原因があるのではなく、実際に他者の評価によって人生の明暗が分かれる星でもあるからです。そのため、辛金生まれの人にとって、自分を高く評価してくれるであろう守護神は、非常に気になる相手なのです。知りたがるのも無理はありません。
 ところで、辛金でなくとも、「相手が自分をどう思っているのか」を知りたがる人は多々います。それが結婚を前提とした交際相手であるなら尚更です。夫婦の相性については、『算命学余話#R12玄』(副題「夫婦の相性」)でも述べましたので、そちらを参照頂くとして、「相手が自分をどう思っているか」は算命学の技術で探れるものなのでしょうか。
算命学余話 #G85600の有料書籍です。
書籍を購入することで全てのページを読めるようになります。
算命学余話 #G85を購入
土星の裏側
算命学余話 #G85
0
  • 600円
  • 購入

1 / 2

  • 最初のページ
  • 前のページ
  • 次のページ
  • 最後のページ
  • もくじ
  • 購入
  • 設定

    文字サイズ

    フォント