・地震と津波に襲われた兄弟3匹の猪は、いっしょにワラの家を作ることにしました。
3匹が一休みしているとき、
「もう少しで完成だな。
ところで、このワラは何処でもらって来たんだ?」と一番上の猪が末っ子の猪に訊きました。
「農家からもらって来たんだよ。いつだったか、兄さんたちに教えてもらったところだよ。」と末っ子の猪が答えました。
「ニュースでやってたけど、地震で原発事故が起きたの、知らないの?」と二番目の猪が言いました。
「もしかすると、お前がもらってきたワラは放射能で汚染されているかも知れないぞ。」と一番上の猪が言ったとき、3匹は互いに目を合わせてしまいました。
結局、3匹の猪はワラの家を捨てて、別の場所に移ることにしました。
・ワラの家を捨てて3匹の猪がやって来た場所は、海岸から遠く、とても不便なところでした。しかも、家を建てるための材料などは全く見当たりません。
「これから、どうやって住む家を作るの?」と末っ子の猪は言いました。
「材料がないから、穴を掘るしかないな。」と一番上の猪が呟きました。
「あの山に横穴を掘るってのはどう?」と二番目の猪がヒラメキました。
山に掘られた横穴は、3匹の猪が寝泊まりしてたのに何故か今では「トンネル」と呼ばれています。[完]