自殺の前に
多くの人は、年始に神社参拝をします。そして、参拝者は、幸せになれるように神様にお願いします。ということは、現在は、不幸だと思っているということです。仮に、幸せだと思っている人がいたとして、そういう人は、より幸せになれるようにお願いしていることでしょう。
ここで、幸せの一つと思われる長生きについて考えてみたいと思います。おそらく、ほとんどの人は、できる限り長生きしたいと思っているのではないでしょうか。でも、中には、早く死にたいと思う人もいるでしょう。例えば、不治の病に苦しんでいる人は、苦しみから逃れたいと思い、早く死にたいと思うかもしれません。
今の生きている状態が、病気でなくとも、とても苦しいものであれば、やはり早く死にたいと思うかもしれません。おそらく、自殺は、このような状況におかれた場合に起きるのではないでしょうか。
おそらく、一般的には、死ぬことは、不幸というイメージが強いように思われます。例えば、誰かが自殺した場合、そのことを悲しむことはあっても、喜ぶ人はいないでしょう。でも、自殺した本人は、生きているより死ぬことのほうが幸せと思っていたに違いありません。
誰しも、とても辛いときに、もう、死んでしまいたい、と思ったことが一度や二度はあるのではないでしょうか。でも、思うだけで、自殺を実行できる人は少ないと思います。というのも、自殺は、とても怖いからです。きっと、本能が、自殺を抑制しているのでしょう。
仮に、自殺したいという思いを抱いて生活している人が、死ぬ機会に出くわした時、どのように思うでしょうか。例えば、ある薬を3回飲むと死ぬ確率が高くなることを知ったとします。その人は、今、2回飲んでいます。あと1回飲めば死ぬかもしれません。こんな時、その人は、どのように考えるでしょうか?
今の生活がとてもつらく、一刻も早く死にたいと思っている人は、3回目の薬を飲むかもしれません。今、若者の自殺が急増しています。ということは、生きていることに耐えられないほどつらい生活を送っているということです。
本来、生きることは、とてもつらいものでしょうか。病気を患っていなければ、人というものは、生きていくだけの食糧があれば、どうにか生きていくことはできます。であれば、なぜ、自殺したくなるほど、生きることがつらくなるのでしょうか?
おそらく、環境が、その人を自殺に追いやっているのでしょう。生きるということは、環境に適応するということです。だから、今の環境が自分に適していなければ、自分に適した環境を自ら作らなければなりません。もし、生きることが、とてもつらいと思っている人は、自殺を考える前に、環境を変えることを考えてみてはいかがでしょうか?
家庭での人間関係、学校での人間関係、職場での人間関係、生きていくうえでは、何らかの人間関係が付きまとってきます。自分を不幸にしている人間関係があれば、改善しなければなりません。だからと言って、周りの人を変えようとしても、至難の業です。
もし、今の環境が自殺したいほどのものであれば、思い切って、今の環境を捨てて、新しい環境を作る以外ありません。このような現状回避は、生きていくためには必要なことなのです。古代では、食糧を得るために居住地を替えていたのです。
人が生きていくために必要なことは、自分を幸せにする環境を作ることです。お金、職業、名誉、地位、世間体など、それらのことにこだわるのではなく、自分の幸せを考えて、環境を作るのです。そのためには、ちょっとした勇気があればいいのです。きっとできるはずです。