信念は、年を取るに従い、強固になります。若い人であれば、周りの環境に適応する感情や言葉が身につきやすいと思われます。ところが、年とともにいろんな経験を経るにしたがって、人は頑固者になります。
頑固者とは、言い換えれば、経験から生まれたその人独自の信念を頑なに守ろうとする人です。頑なに信念を持つことは、環境に左右されないという利点を持っている反面、環境に適応できなくなるという欠点もあります。
人は、少なからず信念を持っていると思われます。その人の信念は、個性を作り、人格を作り上げます。だから、人は信念を他人から非難されることを嫌がります。また、人は自分自身の信念を疑うこと嫌がります。
というのも、信念は宗教的要素を含んでいるからです。例えば、キリスト教徒は、キリスト教的な信念を持っていることでしょう。もし、彼の信念を非難したならば、キリスト教を非難することにもなります。
人は、不安定な心を好みません。だから、人が生きていくうえでは、安心感をもたらす「心の支え」が必要になります。そこで、心の支えとして信念、倫理、宗教を身に着けるのです。また、人は、何をもって心の支えとするかによって、その人の人生は大きく左右されます。
自分にとって有益な行為は、政治家や専門家の発言を信じたり、憶えることではありません。自分の気持ちを具体的に一つ一つ確認することです。その積み重ねが、自分にとって有益な判断をもたらすのです。
例えば、衝動買いをついついいしてしまう人は、どいう情報で、どういうものを、どういう時に、衝動買いするかを考察してみると自分の特性が見えてくるのではないでしょうか?
できれば、時には自分の信念を観察してみてはいかがでしょうか?信念を否定するのではなく、素直に、ゆっくり、紐解いてみるのです。どんな経験から、いつ頃から、そのような信念を持つようになったのか?
心の奥底を解析することは、簡単ではありません。むしろ、苦しみをともなうものです。でも、決して無駄ではありません。忙しい日々の中にあっても、勇気を出して、触れたくない心の奥底を見つめていただきたいものです。