算命学余話 #G72玄

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算命学余話 #G72玄 (page 1)

 合従連衡という言葉は、古代中国の群雄割拠の時代に生まれました。小国は軍事力の強い大国に対抗するため他の小国と同盟を結び、大国が攻めて来たら同盟国に背後を突かせるなどして連携する。そうして一方的な侵略を免れようとする国家戦略が、合従連衡です。尤も、この手法は国家間の紛争に限らず、国内の権力闘争の場でも当時から使われていました。更には、古代中国のみならず世界各地の歴史でも見られますし、小さくは今日を生きる我々の日常生活にも散見できます。家庭や職場など人間関係の力学が生じる場所では、大なり小なり利害を巡った敵対関係が生じるので、自分が負けないよう頼りになる味方を作り、これと連携して敵の攻撃に対抗する。こういう人間の行動や心理は、ごくありふれた自然なものです。

 算命学はこの合従連衡と深く結びついた学問で、中国の戦国時代には、軍事における判断材料として活用されました。まずは人事に。次に後天運を駆使した近未来予測に。そして、軍事同盟の是非についても。
 元より算命学は陰陽五行説を礎としており、その根本思想には「変化」があります。この宇宙に停滞しているものは一つもなく、原子レベルから銀河サイズまで絶えず動き、流れ、衝突し、合体し、分離してはまた衝突を繰り返している。こうして世界は常に変化している、という考え方が算命学の基本です。その思想が戦術・戦略に応用されれば、合従連衡という形や呼び方になるわけです。

 今回の余話のテーマは、戦争についてです。ロシアがウクライナに軍事行動を起こして一カ月が経ちました。連日死者が報告され、大量の避難民も出ており、早期の収束を願わない人はいないでしょう。しかし事の発端については、両者の言い分は食い違っています。
 日本にいると、「同盟国」である米国の意向に沿った情報ばかり耳にするので、ウクライナに同情する世論が大勢を占めていますが、ロシア側から見れば、ウクライナ東部やクリミア半島に住むロシア系住民がウクライナ政権による迫害を受けているので、これを守るために出兵したという理屈になります。日本でこの理屈が通らないのは、クリミア併合の2014年からこれまでの8年間に当地のロシア系住民が受け続けた暴力について、どの報道も取り上げなかったからです。
 情報の偏りによる世論の意図的誘導である新しい戦争形態「認知戦」については、しかし今回は論じません。今回は、算命学が戦争というものをどのように把握しているかを、思想的に考察します。
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