観念的鎮痛剤
小説のテーマとして取り扱っている観念的鎮痛剤については、すでに「小説の未来」において述べましたが、脳の有効活用を考える場合も、観念的鎮痛剤の考察は重要になってきます。観念的鎮痛剤をわかりやすく言えば、「心の痛み止め」と言えばいいように思えます。つまり、心、気持ち、感情の、「痛み止め」です。鎮痛剤と言えば、お薬をイメージされるでしょうが、心に関しては、ほとんどの人は、薬物ではなく観念的な鎮痛剤を服用しているのです。
例えば、観念的鎮痛剤のひとつが宗教です。私たちは、精神的に苦しいときや肉体的に痛みを感じるときに、神様に救いを求めます。この現象は、明らかに、「心の痛み止め」を求めているわけです。こんな時、人は、痛み止めとして、自ら観念的鎮痛剤を作り出し、服用するのです。
ほとんどの人は、苦しい時、悲しい時、不安になった時、無自覚に、観念的鎮痛剤を服用しているのです。心の痛み止めですから、誰もが必要とするのです。一方、観念的鎮痛剤を失う状況に陥れば、強度の苦しみをともなう禁断症状が襲ってきます。例えば、自分の宗教を否定されると、自己防衛として相手に対し怒りがこみあげてくるのです。
観念的鎮痛剤は、具体的には数多くあります。権力観念、自尊心、優越心、差別心、名誉観念、地位観念、富裕観念、学歴観念、美観念、攻撃観念など。自分を安心させるために作り出される観念、また自己満足させるような観念が観念的鎮痛剤なのです。
人は、胎児の時から、何らかの不安、苦しみ、悲しみを抱き続けます。だから、観念的鎮痛剤、観念的痛み止め、を否応なしに作り出すのです。そして、この観念的鎮痛剤は、心と思考の成長において、大きな影響を与えていきます。
今後も、記号を創造する脳、マネーゲームシステムを創造する脳、観念的鎮痛剤を製造する脳、これらを考察し、脳の有効活用について考えていきたいと思っています。
一休閃颯
*あの翁 腰椎立てて 走ってる
*やれること たくさんあるが ビビってる
*人はみな 信じた知識で 自殺する
*ゲーム人 日本語忘れて 認知症
*クイズ脳 ベクトル失い 難破船
*配給品 無料と言う名の 税金だ
*走るとき 脚が骨盤 追いかける
*ブタ食えば とんとん拍子 商談も
*トン活で とんとん拍子 受験生
*あら、雨よ よく聞けば 雪の音