算命学余話 #G64

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算命学余話 #G64 (page 1)

 2022年が明けました。コロナ禍は三年目に突入しましたが、正月明けに感染が広がったオミクロン株はどうやら弱毒だというのが科学的判断です。ウィルスというのは凶悪過ぎると宿主を殺してしまい、結果的にウィルス自身も宿を失って死ぬことになるので、AIのように経験から学習して次第に弱毒化するようにできており、このことは以前から知られていました。実際、オミクロン株の感染者は風邪並みの症状で済んでおり、一年目の頃の初期株が起こしていた味覚嗅覚障害にさえ至らないと報告されています。
 ウィルスが学習して宿主に気に入ってもらえるよう弱毒化努力をする居候である一方、人間は何を学習したでしょうか。マスコミが金儲けのために無駄に騒いで国民感情を不安な方向へ煽ったことや、今では完全な誤りだったことが判明している根拠のない「憶測」や「予想」を恥ずかしげもなく大声で吹聴していた報道人や売名芸人にお仕置きもしないまま、今後同じ失敗を繰り返す愚行を回避できるのでしょうか。AIの登場の意味は、人間が自ら学習しなくなった不甲斐ない事態を埋め合わせるための反動現象なのかもしれません。
 かく言う私も、毎年年始には新年大予想を掲げています。しかしその予想が「根拠のない憶測」に陥るのは本意ではないので、少なくとも根拠は並べるようにしています。算命学の理論に基づく根拠ですので、算命学の仕組みを知らない人にはちんぷんかんぷんに聞こえるでしょうが、学習者には理解して頂ける内容です。納得したい方は拙著『算命学余話』シリーズを初回からお読み下さい。

 新年早々宣伝もできたことだし、今回の余話は、恒例の新年大予想です。
 立春から始まる新年は、壬寅年です。天干の壬水は陽水なので海や大河を、寅木は陽木なので樹木を表しています。水と木は「水が植物を育む」関係なので、親和性が高いです。風景としても穏やかで、潤いや繁茂が新年全体の気運として備わっています。
 こうした風景を思い浮かべると、コロナも下火になって穏和な一年でまとまりそうな予感がしますが、勿論算命学はそれほど単純でも甘くもありません。天干から地支へと流れる水生木は、大雨が否応なく樹木に降り注ぐ図式でもあります。雨が多すぎれば川は溢れて大地は水浸しとなり、いかに頑丈な樹木といえども根腐れを起こします。そうなれば、地上に生きる我々人間の営みも、例えば家屋は基本的に木造ですから、大雨による家屋の被害といった事態に結びついていきます。尤も、この種の水害はおそらく局地的なもので済みそうです。その根拠については、専門性を要するので後述します。

 ところで、壬水は水性で、五徳では印です。翌年癸水も水性なので、新年から二年間、印すなわち知性の深まりが期待されます。とは言え、何もしないでボーっとしていても知性は深まりません。深めようという意欲や努力が明暗を分けます。上述のような「根拠のない憶測」を安易に信じて振り回された人やそれを信じた自分を反省しない人と、根拠のなさに気付いて世間の宣伝に与しなかった人とでは、向こう二年間の知性の活動は自ずと違ったものとなります。知性を磨くのに適した年が巡って来たからといって、今までぼんやり過ごして来た人がいきなりスピードを上げようとしても、エンジンは温まってはいないのです。
 水は樹木を育みます。実りある一年とするには、付け焼刃的な知性ではなく、蓄積され練磨された知性が有効です。樹木は福です。新年から二年間の幸福を得るのは、本物の知性や知恵を尊重してきた人ほど容易である。こういう見立てになります。まあ、エンジンが温まっていないからといって何もしないのでは更に効果が見込めないので、付け焼刃を承知の上で何か学習なり知的活動なりをしても、それなりに気運を上げることができるでしょう。

 ではここから先は、算命学の専門的知識を駆使して「壬寅」という干支について掘り下げてみます。
 まずは地支を眺めます。蔵干は初元が戊土、中元が丙火、本元が甲木です。いずれも陽干で力強い。注目したいのは、本元の甲木から始まって、木生火、火生土と順繰りに相生していることです。そして最後の戊土は天干の壬水を土剋水と剋しますが、風景としては水が水瓶に収まっている構図です。壬水は海や大河ですから、岸辺や浜辺が堅牢なら暴れることはありません。水が水害となって人々の脅威となるのは、水量と水圧が堤防を破壊した時です。逆に、堅牢な堤や岸壁があるのなら、河も雨も樹木を潤す自然の恵みとなります。このように、同じ「水」であっても、どう運用するか、どう制御するかによって意味はまるで違ってきます。
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