ラスボスの思想(12)

 脳機能がマネーゲーム化してしまった地球人にとって、マネーゲームを具現化した貨幣は、生きていくうえで、必要不可欠となりました。さらに、不幸にも、マネーゲーム生活が基盤になってしまった現代人においては、貨幣が人生を左右するほどにまで大きな力を持つようになりました。

 

 マネーゲームは、多くの人々を管理する機能を持っていたことによって、文化の創造に多大な貢献をしてきまいた。政府機構、企業、宗教団体、教育機関、芸術作品、スポーツ団体、など、多種多様な文化が創造されてきました。

 

 確かに、マネーゲームは、地球人の文化の創造に貢献し、幸福にも貢献してきました。一方、マネーゲームは、地球人を不幸にする働きも持っていました。

 

それは、マネーゲームによって引き起こされる争いです。俗に言う、貨幣争奪の戦争です。特に、国家間の利害関係においての争いは、多くの死者を出す戦争にまで発展しました。

 

 

 

 

 マネーゲームを具現化する貨幣は、次第に、国家の権力を表すようにもなっていきました。例えば、基軸通貨であるドルは、アメリカ合衆国の強大な権力を表しています。

 

 また、個人的には、貨幣は、生活するためには不可欠な手段になりました。すべてのものは、貨幣を媒介とするようになったのです。生活必需品、嗜好品、さらに情報までも貨幣と交換されるのです。生きていくうえで不可欠となった貨幣観念は、脳機能の中心的観念となりました。

 

 最悪なことに、貨幣は、人を破壊させる麻薬のような働きまでするようになってしまいました。お金が無くなると不安になったり、お金欲しさに強盗したり、お金を得るために過酷な労働をしたり、借金を返済するために反道徳的な仕事をしたり、もはや、地球人は、お金のために生きるようになってしまいました。

 

 お金のために働くようになると、ますます、お金の麻薬的働きが強くなっていきます。考え方も、感情も、人間関係も、お金観念が作用するようになります。

 

 地球人を幸福にするマネーゲーム、それを具現化する貨幣が、地球人を破滅に追い込むということも考えられます。おそらく、今後も、地球人は、マネーゲームから逃れることができないでしょう。

 

 そうであるならば、地球人は、「共生」を可能にするための方法を考え続けなければなりません。それは、地球に生かされている我々の責務ではないでしょうか。

          脳の相互扶助

 

 地球人は、言語を生み出す優秀な脳を持っています。脳の神経細胞(ニューロン)が、言語を作り出していることは、すでに分かっています。でも、まだまだ、未知の世界でもあります。

 

 ニューロン機能を補助しているグリア細胞についても、よくわかっていません。地球人が、最も恩恵を受けている脳については、よくわからないというのが現状です。

 

 誰しも、可能な限り、脳(ニューロン)を有効利用したいと思っていることでしょう。でも、その方法は、誰もわかりません。今のところ、グリア細胞の作用を解明し、それを最大限に活用することではないでしょうか。

 

 そういっても、グリア細胞も、よくわからないという現状ですから、気長に研究する以外ないでしょう。できることと言えば、脳は生物ですから、生育環境を良くしてやることです。

春日信彦
作家:春日信彦
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