ラスボスの思想(10)

               地球人の幸福

 

 地球人は、共食い戦争をする感情を有する生物です。この特徴を持った生物が地球人であることは、現実の事実です。この事実を踏まえたうえで、地球人の未来を考えなければなりません。現在、共食い戦争と言えるワクチン殺戮が進行しています。このままワクチン殺戮がつづけば、数十億人が、死亡するでしょう。このようなことが現実化し、人口が急激に減少し、地球上に約1億人が生き残ったとしましょう。生き残った約1億人には、いかなる幸福が待ち受けているのでしょうか? それとも、予想もしなかった不幸でしょうか?

 

 

 地球人は、感情を有する生物です。その感情には、「幸福」という愉快な感情と「不幸」という不愉快な感情があります。誰しも、不愉快な感情を排除して、愉快な感情を手に入れようとします。だから、幾度となく、地球人は、争いを繰り返してきました。だからと言って、地球上から争いをなくすために、この地球人の特性を抹殺することができるでしょうか? それは、当然できません。というのは、感情の存在は、地球人の不可欠な条件だからです。ならば、幸福を得るためには、永遠に争い続けなければならないのでしょうか? 今のところ、誰も、戦争をなくす方法を見つけ出すことができません。

 

 

 地球人である限り、感情を有した生物であり続けなければなりません。おそらく、地球人ができることは、争いを可能な限り最小限にすることぐらいではないでしょうか? AIの進化が、共生に役立てばそれに越したことはないのですが、そう、うまくいかないでしょう。むしろ、争いを悲惨なものにする可能性があります。それでは、もはや、地球人の世界には、共生は訪れないということでしょうか? それに対する答えは、誰も持ち合わせていないでしょう。

 

 

 

 

 地球人の脳の特徴として、いくつかあげれますが、①動物より複雑な感情を作り出す。②動物が作り出せない記号を作り出せる。このような優秀な特徴を持っています。記号は、自然には存在しない物質を創造する過程で役に立っています。つまり、自然の物質から人工の物質を創造する場合に役に立ちます。地球人は、多種多様な文化を創造してきました。この点を考えると、非常に優秀な生物でしょう。一方、感情のために破壊と殺人も行ってきました。地球人に感情がある限り、破壊と殺人は、永遠に続くように思えます。

 

 

 地球人が生物として存在する限り、幸福を求め続けるでしょう。ということは、幸福を得るために破壊と殺人が起こりえるということなのです。地球を有効利用できるかは、地球人の今後のあり方にかかっています。万が一、地球人が全滅すれば、他の動物は、より繁殖するかもしれません。でも、繁殖しすぎた動物は、地球人と同じく、全滅するかもしれません。いえることは、物質は、変遷し続けるということです。

 

             地球への感謝

 

 宇宙は、物質の要素を持っていますが、宇宙そのものは、物質なのでしょうか? 地球は、宇宙に存在する物質と言えるでしょう。地球は、多くの生物を創造してきました。地球には、生物には不可欠な酸素と水があります。地球人は、いったい、だれが作ったのでしょうか? 神でしょうか? 宇宙人でしょうか? 実は、地球人も、地球が作り出した産物なのです。地球こそが、創造主なのです。灯台下暗しとはよく言ったものです。

 

 

 地球人は、とかく、地球人に都合のいい考えをします。でも、地球人という生物は、地球上に存在する物質の一形態なのです。だから、地球人は、「生の形態」をとったり「死の形態」をとるのです。宇宙人が存在すると仮定しても、彼らも、同じく、物質の一形態でしかありません。いかなるものも、物質の一形態ということです。

 

  

 物質は、どうやって誕生したのか? これは、だれもわかりません。地球人は、元素という物質に記号を与え、物質における法則を記号化しました。でも、物質は、なぜ、存在するのかまではわかりません。地球人の脳は、今のところ、原子核の核分裂や、核融合などによる既存の元素から新たな元素をつくることはできますが、現在、存在しない新たな元素を創造することはできません。

 

 

 

 

 地球という惑星が作り出した物質があるということは、他の惑星が作り出した物質もあるということです。物質が物質を創造しますが、そこには、いかなる条件があるのでしょうか? 物質間における根源的法則は、如何なるものなのでしょうか? 遠い将来、地球人の脳が、自然界に存在しない新たな元素を作り出せるかもしれません。でも、今のように、共食い戦争をやってるレベルでは、まだまだ、先のことのように思えてなりません。地球人の脳には、限界があります。だからこそ、地球に感謝すべきではないでしょうか。

 

 

春日信彦
作家:春日信彦
ラスボスの思想(10)
0
  • 0円
  • ダウンロード

4 / 7

  • 最初のページ
  • 前のページ
  • 次のページ
  • 最後のページ
  • もくじ
  • ダウンロード
  • 設定

    文字サイズ

    フォント