ぱるす通信〜こころのくすり箱〜第30号

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西端春枝先生 篤志面接委員全国大会で感謝状を受賞

 10月30日、霞が関の法務省で篤志面接委員全国大会が開催された。

 本紙で『西端春枝の一口法話』を連載いただいている西端春枝さんは、篤志面接委員を17年続けていらっしゃる。この日、全国から25名の方が法務大臣から感謝状を贈られた。この25名を代表して西端さんが表彰状を受け取られた。

 篤志面接委員は、刑務所内へ赴き、罪を犯した人たちの悩みごとの相談にのったり、出所後の生活指導の助言などの任を負っているボランティアだそうだ。西端さんは16年前のニチイ時代、役員としてお迎えした春名勝先生のすすめでこの仕事に就いた。

 受刑者からはさまざまな悩みが語られるという。「人間は雑草にように強い部分と、弱い部分の両方を持ち合わせているのだから、いちばん自分を見つめるのによい仕事と思っている」と語っておられる。(春日)


感謝状受賞によせて 西端 春枝


 ご縁で刑務所へ行くようになりました。法を犯し、出所を待ちわびる人々が大勢おられます。私の仕事はこの人たちの心に寄り添うこと。誇りと自戒を心から感じ、感謝でいっぱいです。作業としては雑巾を縫ってもらいます。

 面接の度に思うのは、「皆人の親の子」であるということです。

 人間はそれぞれ、どんな人にも過ぎ去った日はありますよね。いばらの中を歩み、傷だらけの人、また美しい花園でステキな王子様と出会った人、いかなる過去があろうと、母なくしてこの世に生を受ける人はひとりもありません。

 私ごときが母の愛をうんぬんすることは気恥ずかしいのですが……。お一人お一人の心の奥底に眠る仏性に響けとばかり念じつつ、お話の後には、「お母さん、お母さん」と叫んでもらいます。

 本人のみが知る母の答え、本人のみが知る母の笑顔。夫、ふるさとの方に向かって叫ぶ人々の頬に伝わる涙こそ、私の自戒への瞬間でもあります。

 歎異抄の有名な言葉をお読みください。

 さるべき業縁のもよおせば

 いかなるふるまいもすべし

 人には人を裁く苦しさがあります。


【にしばたはるえ】

大正11年(1922年)、大阪の浄土真宗勝光寺の長女として生まれる。昭和25年(1950年)、北区天神橋筋に一坪半の衣料品ハトヤを開業。同38年(1963年)、株式会社ニチイ創立と共にゼネラルカンセラー、人事部長、教育部長を歴任。49年(1974年)にニチイ退職、浄信寺の法務につく。

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