算命学余話 #G44
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算命学余話 #G44は600円の有料書籍です。
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算命学余話 #G44 (page 1)
前回の余話#G43で取り上げた、「自分の実力でもないのに人生を一変させるほどの大金が転がり込んで来た場合」の、カネに命を取られない対処法について補足します。一番手っ取り早いのは、丸ごとどこかに寄付することです。信頼ある慈善団体でもいいし、経営に困っている知合いの事業主でもいて助けたいと思うのなら、その人に全額譲るのもいい。しかし間違ってもここで貸し付けてはなりません。「自然に返納」するのが目的なのだから、見返りを期待してはいけません。見返りを求めると、好ましからざる中殺現象に見舞われる危険性が高まります。
もしかしたら、そうして多額の寄付をすることで思いがけず自分の名誉が上がるかもしれませんが、「あの人はあんなに多額の寄付をして立派な人だ」と褒めそやされていい気になってもいけません。なぜなら、中殺現象によって持ち上げられた名誉は、その後失墜することが予見されるからです。褒められても馬耳東風でやり過ごすこと。この平常心が中殺期間に徹底されれば、中殺を抜けてからの人生に大きな瑕疵は生じなくて済みます。
更にもしかしたら、多額の寄付をしても泰然としているアナタの人格を見込んで異性が近付いて来るかもしれません。そして結婚を申し込んで来るかもしれません。そうしたらどうするか？ これも幻と思って無視するのか？ こうした場合の婚姻は、とりあえず中殺期間を抜けるまで待った方が良いでしょう。でないと中殺現象を引きずったまま結婚生活を営むこととなり、最終的に期待外れの結末を迎えるからです。またこういうところを見逃したまま子供を作れば、中殺現象が子供に引き継がれることは、余話#G42～43で触れた理屈の通りです。親の不用意な行為が子供の運勢に影を落とすので、婚姻や出産は人生の一大事と捉えて、責任ある決断を心掛けましょう。
ところで、途上国の貧困層について調査した研究者の知見によれば、「貧困が極端な場合においては、幸福はカネで買える」のだそうです。ここで言う極端な貧困とは、衣食に事欠くような小作農民や日雇い労働者で、病気になっても医者にかかる金もなく、教育も受けられずに読み書きもできないまま一生を終えるレベルの貧困です。なるほど、先進国ではもうこれほどの貧困は見当たりませんが、途上国ではまだ珍しくない。そういうレベルの貧民にとっての幸福とは、食うや食わずやの生活水準から脱することであり、そのために必要な僅かな金銭さえあれば、極貧からは脱出できる。だから彼らの幸福はカネで買えるというわけです。
「幸福はカネで買える」などと我々の社会でうそぶいたなら、非難は必至です。軽蔑されても文句は言えません。しかしそれは、我々の社会が何世紀にも亘って既に十分豊かであり、人間の幸福とは飲み食いや物質的充足だけでは得られず、もっと目に見えない精神の豊かさに寄与するものだという価値観や倫理観が社会に醸成されているからです。
しかし極貧から一度も脱したことのない歴史の上に暮らす者にとっては、これは綺麗ごとである以前に絵空事であり、百歩譲っても机上の空論です。今日を生きるための食事もままならないのに、精神の豊かさが何の足しになるでしょう。精神論で飢えが凌げるか。ごもっともです。
なぜこんな例を挙げたかと言えば、前回の余話でせっかくカネのシビアな話をしたので、関連考察をしたくなったからです。算命学の五行論では、木性と土性は相剋関係にありますから、幸福と金銭運は両立しません。判りやすい例では、我々は気晴らしにショッピングに出掛け、欲しい商品を買ったりレジャーをしたりして「幸福」なひと時を過ごすことができます。算命学では、これは木剋土の典型例だと考えています。なぜなら商品の購入やレジャーへの出費によって財布の中のカネは減り、減ったことによって幸福度が上がるからです。文字通り「幸福をカネで買って」いるわけです。
このため、上述の貧困層の「幸福はカネで買える」件は、算命学の理論に合致していると言えます。しかしながら、研究者が条件をつけているように、幸福がカネで買えるのは「極端な貧困」においてだけです。生存の危機に瀕するほどの貧困でないなら、この限りではない。この点を算命学はどう説明しているのでしょうか。算命学をよく理解している学習者ならもう答えは凡そ見えているかと思いますが、こういう思想面の理解が十分でないと運勢鑑定においても行き詰まりますから、今回の余話はこの点を明確にすべく論じてみます。
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算命学余話 #G44は600円の有料書籍です。
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