算命学余話 #G36玄

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算命学余話 #G36玄 (page 1)

 算命学の宿命診断は、「ある条件」がいくつか重なることによってようやくはっきりした現象が現れてくるという仕組みになっています。例えば、よく雑誌の占いコーナーなどで「鳳閣星の人は大らかだ」とか「牽牛星の人は堅実だ」とかあまりにざっくりした性格判断を見ると、「自分は当てはまらない」とか「人間はそんな単純なものではない」と感じることがあります。その通りで、算命学者から見ても「間違ってはいないが大まか過ぎる」と思いますし、詳細な鑑定ではこうした大まか論から遠く離れた診断結果が出ることもしばしばです。そして詳細な鑑定結果ほど、当人に思い当たる節がいくつもあるものです。
 「大まかな鑑定」とは、それに適った条件が1つか2つくらいしかなくて出す判断のことです。逆に「詳細な鑑定」には、その結論に至るまでの必要条件が何重にも重なっている。前回の余話#G35では、それがよく判る例を紹介しました。あの例のように第四条件までがはっきりしている宿命は、風景がくっきりとクリアに見えます。しかし、実際の宿命診断においては、クリアな景色という例はなかなかなく、ぼんやりと曖昧なものがほとんどです。それは、宿命に書かれた情報が諸条件の断片にすぎず、それぞれが一方向を向いていないからです。
 一方向を向いていればその先にある風景を確定できますが、それぞれがあさっての方向を向いているので、そのうちのどの方向へ人生が倒れていくのか判りません。「人生は宿命が半分、生き方が半分」ですから、宿命だけを見ても、見えるのは幾重にも伸びた道筋だけで、そのうちのどの道筋を選ぶかは生き方が決めていくのです。

 従って、小さな子供を鑑定するのはあまり意味がない。人生をいくらも歩んでいないので、宿命に書かれたいくつのもの可能性を曖昧に伝えることしかできないからです。
 仮に鑑定対象が大人であっても、その人の履歴や現状を知らなければ、人物像はそれほど明確には見えて来ません。だから大人を鑑定する際には、漠然と総合鑑定するよりは、具体的な悩みを相談された方が風景が見えやすい。悩み事があるということは、宿命消化が上手く行っていない証拠なので、どうすれば消化がスムーズにいくかを探れば済むからです。この「悩み事」というのは、既にその人が人生経験を積み、宿命に書かれた諸条件の断片のうちある程度取捨選択して生きて来た証拠になるのです。

 宿命に書かれた諸条件の断片、つまり将来への可能性は、断片同士が組み合わさることで意味や方向性が強まります。上述の余話#G35では「第四条件」まで断片が組み合わさったことにより、未来の方向はクリアになりました。過去に何があったかさえ推測できるほど道筋が見えています。この例ほど明確でなくとも、いずれの宿命にも諸条件の断片の組合せというものはあります。その組合せが強力か微弱かを判断する手立てが鑑定の諸技法であり、数ある技法のうちどの技法を使うかが鑑定者の腕の見せ所です。

 今回の余話は鑑定技法中級編の続きで、位相法のうちの散法(さんぽう)を取り上げます。位相法は合法と散法によって形成され、前回は合法を説明しましたが、合法と散法は同時に成立せず、どちらか力の強い方に引き寄せられます。そしてその強弱は後天運の影響で変化し、逆転することもあります。それは後天運によって「諸条件の断片」が変わり、その組合せも変わり、その結果方向性にまで影響を及ぼすからです。
 このように日々ゆらぐ運勢の力学を、ひと言で表現するのは至難の業です。人生とはそのような複雑な作用に影響されながら、右へ左へと蛇行しつつ前進するものなのです。だから「大まかな診断は当たらない」のです。そして算命学が「ややこしく」なるのはこの辺りからなのです。初級レベルでは位相法まで学びませんから、この辺りの力学の機微を理解し且つ駆使できるかどうかで、優れた鑑定師としてのセンスが分かれます。
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