「歳は18? もしかして高校生なのか?」
「はい」
「処女、だよね」
「え、は、はい……」
南条グループの御曹司、南条圭一の問いかけに加奈子は、戸惑いながら答えた。
「まぁ、いい。脱いで」
「あの、脱ぐって……?」
「結婚したいなら、僕が抱きたい体かどうか、まずは見せてもらわないと」
天井には豪華なシャンデリア、床には大理石が敷き詰められた南条邸の広々とした応接室で、南条は加奈子に淡々とそう告げた。
印象的な切れ長の目に、鼻筋の通った端正な顔立ち。すっと伸びた長い脚から、身長は180センチぐらいだろうか。
思ったよりがっしりとしたその体型からは、女性を惑わす男性特有のフェロモンがにじみ出ている。
御曹司らしく、全身にはお決まりの高級ブランドを身につけているが、そのまとい方には、気品さえも感じられる。
一言でいうなら、女子高生ごときには絶対にゲットできない、超一流の大人の男……。
これまで南条の写真は、マスコミには非公開だった。
その上内々で結婚相手を探していると聞いて、彼は相当なブ男ではないかと、加奈子は勝手に想像していた。
それなら、高校生の自分にも勝算はある。
でも、こんなに素敵な人だったなんて……。
グループの後継者で、地位も財産もあって、容姿にも何の問題がない。というより、かなりのイケメン。
まさかこんなに完璧な人が、まだまだ子供の自分なんか、果たして相手にしてくれるのだろうか……。
加奈子は真剣に、そう考えていた、のに。