南の短編集
その時、
世界には
僕と亀しか居なかったと思う。
いや、実際は
そうじゃなかったかもしれない。
ただ、僕と亀しか
この世に存在しないと
僕が思えたことが大事で、
僕と亀以外は全く重要じゃなかった。
周囲の目や期待とか
今までのプライドとか
レッテルの様な関係性とか
全く重要じゃなかった。
そう思えたことが大事だった。
もし、そう思えなかったら
ウサギが亀に謝ることなんて
永久に出来なかったと思う。
後悔はしていない。
「亀くん、のろまなんて言ってごめんね。」
「失恋しちゃって、
何を食べても美味しくないの。」
『亜鉛不足じゃない?』
「違うよ」
『亜鉛不足じゃない?』
「違うって」
『亜鉛注入~直にぃ~動脈にぃ』
「ちょっと!」
『はい、コンビニパンだよ』
「ファ!美味しい!」
みらいぱーん
登場人物:モータ,みらいぱーん
モ:やってしまったー
み:またなの?モータくん
モ:カレーを食べようとして
お皿を持ったら、手が滑って
床にお皿ごとガッシャンしてしまったー。
み:うん、見てたよ
すぐ横で。恒例のガッシャンね。
モ:何とかしてよー
み:しょうがないなぁモータ君は。
み:ぱんぱんぱん、ぱーん
逆再生ライト!
み:このライトを元に戻したい物に当てると~
モ:あぁ!覆水が盆に還っていく~!
み:ほら、ジュウタンに染み込んだルーや
埃がくっついて一回君が踏んじゃった
お米も元通り!
モ:なんか、食べたくない。
み:食べなよー
食べなよー
み:食べなよー
登場人物:モータ,みらいぱーん,キサキ
モ:キサキちゃんが昨日、高級レストランで
高級料理をたらふく食べたんだってー
羨ましいなー。
み:そんな時こそ逆再生ライトー
ぱんぱんぱん、ぱーん
み:じゃあちょっとキサキちゃんに
会ってくるねー
モ:(逆再生ライト、)
み:ただいまー
食器は食べてなかったみたいだから、
タッパーに入れてきたよ。
モ:なんか、食べたくない。
み:食べなよー
食べなよー
み:無理してでも、食べなよー!