ラスボスの思想(2)

今後、ニューロンとグリア細胞を効果的に機能させることができる脳内ホルモンが発見されるかもしれません。でも、大切なことは、お互いのニューロン機能を尊重することではないでしょうか?

 

 戦争で人を殺したり、人種差別したり、イジメをしたり、これらすべて、ニューロン機能なのです。

 

 人の攻撃感情には、恐怖心がかかわっています。言い換えると、殺人も、差別も、イジメも、心の底に恐怖心があるからなのです。だから、恐怖心が悪用されないように心しなければなりません。

 生きている限り、恐怖心は存在します。当然、恐怖心にも、長所と短所があります。長所として、恐怖心は危険から身を守ることに役立っています。短所として、恐怖心が共生の妨げになります。

 

 生きていくということは、感情と言動が恐怖心に左右されるということです。人は、恐怖心をコントロールできるものでしょうか?誰しも、恐怖心や不安感からの「逃避」は、娯楽に浸ることによって、どうにかできるでしょう。でも、その「コントロール」はかなり困難な心の作業なのです。

 

 いじめられている人の中には、毎日苦しむばかりで、恐怖が増大し、未来に絶望し、自殺する人もいます。いじめる人の中には、自殺したいと思うぐらい自分はいじめられた。だから、自分も人をいじめなければ、気が済まない、と思う人がいるでしょう。一方で、いじめられると死にたいと思うくらいいやな思いをする。だから、イジメはやめよう、と思う人もいるでしょう。

 日本では、イジメは重大な問題になってますが、いじめる人にも、いじめられる人にも、恐怖心が大きく作用しています。

 

 自殺の引き金になる強度の恐怖心を消し去ることはできません。でも、一方では、それを上回る生きようとする本能的生命力もあるのです。だから、自殺を思いとどまることもできるのです。

 

 我々は、生きている限り、恐怖心を見つめ続けなければなりません。個人的には、「存在の法則」を参考に、共生できる社会を考えていきたいと思っています。

 

 今後、研究が進み、自分の意思でグリア細胞を活用し、ニューロンを有効活用できる日が来ることを願うところです。その時、共生できる人類が誕生するかも?

 

春日信彦
作家:春日信彦
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