人は、誰しも、ニューロンの恩恵を受けていますが、いまだ、ニューロンの有効活用方法についてはわからないのです。
AIロボットを作り出すニューロンが存在するのに、ニューロン機能の解明は、いまだ不十分なのです。というのも、数百兆個のシナプスが、神経伝達物質の授受をしているからです。
さらに、ニューロンを取り巻く4種類のグリア細胞が、ニューロンの成長と機能に大きくかかわっていることは、ある程度分かっています。グリア細胞の役割は、脳内環境の維持、代謝的支援、栄養物質の供給、などですが、ニューロンとグリア細胞の相互作用は研究段階にあります。
ニューロン機能が低下した時、ニューロンはグリア細胞機能を昂進させ、ニューロン機能の回復を図る、と私は推測しています。ニューロンのグリア細胞への能動的作用が解明されれば、革命的発見となることでしょう。
すでに述べたように、すべての人において、個々のニューロンはみな同じなのです。違うのは、ニューロンではなく、「組織的なシナプス機能」なのです。頭がいい人のニューロンも、頭が悪い人のニューロンも、スポーツが得意な人のニューロンも、スポーツが不得意な人のニューロンも、皆、同じなのです。
ニューロンは、シナプスを媒介として、お互い連携していますが、シナプス機能は、AIで解析できないほど組織的に無限なのです。現段階では、AIを使って解明しようとしても、人間の生きたニューロンを用いた実験は不可能に近いのです。だから、数理的、物理的に解明することがかなり困難なのです。
存在の法則
それでは、いったい、どうやって、ニューロンとグリア細胞の相互機能を理解すればいいのでしょうか?私が思い付く方法としては、今のところ、「存在の法則」です。その法則とは、「プラス機能とマイナス機能が同時に起きる」ということです。ニューロンとグリア細胞に関していえば、お互い同時に機能を助け合う。シナプス機能においても、同様なことが言えると考えています。
感情に関して言えば、「好き」だという気持ちが起きた時、自覚していなくても、同時に、ある対象に対し「嫌い」だという気持ちが起きているということです。
経済学では、「需要と供給」が同時に起きる。法律学では、「権利と義務」が同時に起きる。化学では、「プラスイオンとマイナスイオン」が同時に存在する。積分では、「解析と集積」が同時に起きる。力学では、「作用と反作用」が同時に起きる。