算命学余話 #R116

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算命学余話 #R116 (page 1)

 アフガニスタンの復興に半生を捧げた中村哲医師が先日、銃撃を受けて亡くなりました。73歳でした。私は数年前にドキュメンタリー番組で中村医師の活動を知り、奇特な人がいるものだと感銘を受けました。非常に残念です。ご冥福をお祈りします。
 その活動内容の詳細や功績は各自調べて頂くとして、大まかに言えば、医師として現地の医療支援を始めたら、そもそも清潔な水がないことを知り、その解決のため各地に井戸を掘り、やっと水が確保できたと思ったら今度は栄養不足が問題だと気付き、その解決のために灌漑を整備して農業を教え、獲れた作物で栄養を補強することから経済的自立まで教え、気が付いたら弘法大師かマザーテレサのようになっていた。そういった活動をした人でした。

 アフガニスタンといえば世界の最貧国として長年の不名誉に甘んじ、その復興を妨げるテロ事件はもはや日常茶飯事です。ソ連軍によるアフガン侵攻はもう40年も前の1979年。その十年後に軍は撤退しましたが、数年後に襲ったソ連崩壊は、このアフガンでの泥沼のゲリラ戦によるソ連兵士の甚大な被害と莫大な戦費が、時の政権の求心力を失わせたことにより引き起こされたと考えられています。
 そのソ連軍が撤退したアフガンには、地雷を埋め尽くした大地と焼き尽くされた禿山が残り、そこに芽吹いたのは近代化の悪徳を呪う復古主義でした。時代を逆戻りしたため社会インフラは江戸時代まで後退し、国民生活は医療どころか飲み水にも事欠く水準にまで落ち込みました。

 そういう国情の地域に中村医師は乗り込み、非業の死を遂げるまで留まり続けたのです。彼の掘った井戸の数は千を超え、水の流れる大地には農耕の緑が広がりました。まさに現代の花咲爺さんです。凡人のできることではありません。彼の活力と英知、人道支援という献身はどこから来たものなのでしょうか。
 今回の余話は、そんな中村医師の稀有な人生とその宿命を見比べてみます。
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