算命学余話 #R88

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算命学余話 #R88 (page 1)

 科学の世界においては、正しいとか正しくないとかいう概念が一般の感覚とは異なるようです。「科学的に正しいこと」とは、「今のところ反証されずに残っている仮説のこと」、つまり「それが誤っているという証拠がないというだけの仮の説のこと」だそうです。消去法で「間違っている証拠」の挙がっている仮説を消していき、残ったものを「正しい」と呼んでいる。つまりこの正しい仮説らは、今後反証が見つかって「間違いだった」と打ち捨てられる可能性があるということです。そんなあやふやなものを我々は「科学的に正しい」と暫定的に呼んでいるに過ぎないのです。
 
 科学の世界では、直接目に見えない現象を説明する時に仮説が使われます。例えばテーブルの上にチーズがあって、チーズに齧られた痕があり、更に屋根裏を何かが走り回る音がする。こういう時、目に見えてはいなくても恐らくネズミがいるのだろうと我々は推測します。これが仮説です。科学者はこのように、目に見える証拠からある仮説を立て、そこから目に見えない現象の予測を試みる作業に日々追われています。
 ところで目には見えない素粒子物理学の世界では、記憶に新しい2012年、ヒッグス粒子という素粒子が発見されました。素粒子は全部で17種類あるのですが、最後の17個目であるヒッグス粒子が存在するという仮説が立てられたのは、それより50年も前のことでした。そもそもが目に見えない素粒子を扱う学問ですから、このヒッグス粒子の存在の是非をめぐる仮説は50年の間に無数に立てられました。しかしヒッグス粒子が見つかった瞬間、それまで存在していた他の仮説は全て「反証」されて廃棄となったのです。
 
 このような仮説の大量廃棄は、数年か数十年に一度起こるものなのだそうです。そして科学者らはその大量廃棄の原因となった動かぬ証拠(この場合はヒッグス粒子の発見)によって「自然がこれを選んでいました」と認識を新たにし、その仮説を「正しい(仮説だった)」と呼び、それがもはや仮説や模型と呼ぶのは相応しくないから、以後は「理論」と呼び名を変えるというわけです。
 この「自然がこれを選んでいた」というくだりが興味深いです。算命学は自然思想ですから、「宿命通りに生きる」とか「自然に沿った生き方をする」とかよく言いますが、膨大な仮説と向き合う自然科学の世界でも同じような表現をするというのは、当然といえば当然です。しかし世間には、科学と占いは相反するという認識の人も少なくないので、このような表現が科学の側から提示されると、算命学としてもやりやすい気がします。
 
 今回の余話のテーマは、人の長所と短所についてです。
 人間の性格は主に陽占を使って判断していきますが、そこからはその人の長所も短所も読み取れます。陽占に並んだ十大主星の特徴からどうやってそれらを判断していくか、そして鑑定の実践、あるいは生き方の実践においてどのように活用したらよいかを論じてみます。十大主星の特徴はもとより新しい話ではありませんが、守護神に関わる話も交えるため、やや技法的な内容になります。
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