算命学余話 #R82

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算命学余話 #R82 (page 1)

 高齢者を狙うオレオレ詐欺の標的は、勿論金持ちの老人です。高齢者だからといって貧乏人を狙っても得るものがない。一方、同じ金持ちでもまだ若い標的だと、防犯意識も反撃意欲も高いから成功率に不安が出てくる。それなりに金持ちで、且つ詐欺に遭ってもしばらく気付かないくらいボンヤリした老人が、ターゲットとして最適なのです。まあ同じくらいボンヤリしているのなら、老人でなくとも標的になるでしょう。
 算命学は陰陽五行を基盤に相生・相剋の力学で物事を判断するので、お年寄りが詐欺に遭ってかわいそうだといった感情とは無縁です。では代わりに何を考えているかというと、ご老人が詐欺に遭うのは金を余分に持っていたからだ、持っていなければ被害には遭わなかった、という物理法則のような因果関係です。若い金持ちが被害に遭わないのは、防御するだけの強さがあるからで、防御もできない老人が弱さを露呈しながら大金を抱え続けるのは「襲ってくれ」と言っているようなもの。命を獲られないだけ幸運だ。算命学はこんな風に考えています。
 冷たいと思われるかもしれませんが、こういう視点を養っていない学習者は鑑定者には向きません。それに、算命学は単に冷たいのではありません。この理屈にはちゃんと真理があるのです。
 
 知力と体力を日々衰えさせていく老人(あくまで一般論。例外はあります)に、若人と同じような防御力・反撃力を身に付けろというのはさすがに無理があります。老人が衰えるのは自然の法則に沿った現象だからです。では自衛できないのなら、元気な若人に代行してもらえばいい。ここで金を払って警備員を雇えというのは野暮な発想です。金を積まなければ人を動かせないというなら、その老人の人生は残念な人生だったと言わざるを得ません。
 もうお判りですね。人は金を積まなくても動いてくれることがあります。それは信頼関係です。一番簡単なのは家族との信頼関係で、弱った爺さん婆さんを守るのはその子供の家族であればいい。一緒に暮していれば「オレだよ」の電話は通じないし、同居していなくとも関係が密であれば、詐欺師の電話が偽物だと気付けます。爺さん婆さんは防御の代金を子供たちに払うことはしませんが、お祝い事があれば贈り物をするし、困っていたら援助もする。金額は不明ですがそれなりの出費を払っているし、日常的に子育てや諸々の手助けをしている。こうした相互扶助関係にある親子に、金銭の授受や契約書は必要ありません。
 
 仮に家族を持たない人であっても、友人知人と似たような相互扶助関係を築くことはできますから、誰かに守ってもらうためには金が不可欠だとする考えは間違いです。しかしこうした人間関係が誰とも全く築けていない老人だというのなら、それはもうその人の長年の生き方そのものが間違っていたと言わざるを得ません。
 そんな老人はどうなると、算命学は考えているでしょう。もうお判りですね。淘汰されるのです。淘汰される人にお金は必要ありません。だから詐欺に遭って金を手放すことになるし、老後の資金を減らしたことが原因で寿命を縮める可能性も高まります。或いは、被害に遭うことで逆にそれまでの自分の間違いに気付いて、短い余生に何とか挽回のチャンスを見出すかもしれない。その場合、淘汰はいくばくかは先送りされるでしょうが、そんな殊勝な老人であるのなら、最初から誰かと信頼関係を築けているはずです。
 だから結局どちらに転んでも、詐欺の標的にされるほど金を余分に持っていて、自分の子供や周囲の人間関係のために、或いはもっと広義の人間関係として社会貢献のために、その金を出し惜しんできた孤独な老人は、自然の正しい采配により、オレオレ詐欺のカモにされ、むしり取られて淘汰を加速するというわけです。
 従ってこのような老人はかわいそうではないし、同情の余地はない。そのように算命学では考えます。詐欺被害に遭いたくないのなら、その使っていない大金を信頼できる次世代に受け渡すことです。それでとりあえず詐欺の標的にはならなくて済むし、本当に信頼関係で繋がっているのなら、その人があなたの老後を何くれと気に掛けてくれるでしょう。それでは不安ですか。
 
 今回の余話のテーマは詐欺ではなく、淘汰についてです。それも詐欺に遭う老人の淘汰ではなく、一家の淘汰についてです。
 最近、家族6人が死亡したという事件が二件続けてありました。一件は火事で家屋が全焼し、8人家族のうち6人が死亡したというもの。もう一件は一家6人が殺害された事件で、恐らく犯人は次男だとされていますが、この次男は事件直後に自殺したようなので、殺害の動機も状況も不明のままです。
 付合いのあった周辺住民らは事件の突発性と意外性に驚いていましたが、算命学者はこのまとまった数の一家同時死亡にはピンと来るものがあります。死亡家族の宿命を逐一見ればまた違った見方もできるかもしれませんが、算命学の一般論として、このような一家の死に方は自然による淘汰現象の典型例です。今回はその辺りを考察します。宿命は出しませんので、鑑定技法ではなく、算命学思想の理解のための内容です。物騒な話なので、興味のある方のみご購読下さい。
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