算命学余話 #R81

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算命学余話 #R81 (page 1)

 恋愛相談お断りの当鑑定では、結婚を前提にした相性判断や良縁判断、既婚者の浮気相談や離婚相談には応じています。前回の余話#R80では浮気や離婚と無縁ではない星の一例に触れましたが、この種のごたごたを起こしやすい命式というのは他にもいろいろあります。しかし毎度繰り返しますが、こういう命式だから必ず浮気するとか離婚するとかいう決まりはありません。あくまで因子として持っているというだけの話であり、実際に浮気や離婚に結実するには、その人の実生活での生き方や価値観による日々の積み重ねが、持って生まれた因子を起動させるだけの重みを得なければなりません。逆に、命式に因子のない人であっても、同様に日々の行いや、後天運の作用によって、思いもよらぬ事態に至ることもあるのです。
 「では算命学の宿命判断などは結局どっちにでも転ぶ、当てにならないものではないか」と言われそうですが、私はその通りだと思います。だからくどいようですが、算命学による運勢判断や助言は、日々経験値を上げて暮らす立派な大人には無用なものなのです。算命学の助言が必要なのは、経験値の低い未熟な人か、事故や病気などで一時的に弱くなっている人だけで良いのです。そういう人が現状を俯瞰し、山中の遭難状態から脱して安全な登山道に戻るための道筋を教えるのが算命学の役目であり、そういう算命学の使い方が正しいのです。算命学の助言を丸ごと鵜呑みにするだけで自らの経験値を上げる意欲の無い人には、算命学が示す俯瞰図も道案内も効果がないでしょう。
 
 ところでウラジーミル・メグレ氏が書き記す「アナスタシア」によれば、この世に浮気というものは存在しないそうです。なぜなら彼女の考えでは、夫婦は完璧な運命のパートナーであり、二人の共同作業として子供をもうける使命を自覚しているため、他の異性に目移りすることなどあり得ないからです。他の異性に目移りする、つまり浮気するということは、「その男女がそもそも夫婦でない」ということなので、夫婦でない男女がよその異性にちょっかいを出しても浮気と呼ぶには当たらないというわけです。痛快ですねえ。
 如何ですか、パートナーの浮気に悩む世の皆さん。あなた方はそもそも夫婦でないそうです。その婚姻は間違っていて、間違った婚姻にしがみつくから苦しむことになるのだと。どうしてしがみつくのでしょう。間違った婚姻関係を継続するメリットは、配偶者の経済力であったり、子供の養育費であったり、世間や親への体裁や面子であったりします。しかしこれらはいずれも本来の意味での愛や子供の誕生とは関係がなく、従って本来の婚姻とも関係がない。どう転んでも、二人は夫婦でなかったという結論に至らざるを得ないというわけです。ユニークですね。
 
 算命学は数千年前に確立した古代思想であり、現代のように婚姻届一枚で結婚が成立するという考えのない時代に成立していますから、今日的な法的婚姻やそれによる制約、ひいては一夫一婦制についてもさほど賛成しない立場です。全否定もしませんが、名より実を取る方向で人間関係を斬っていくので、今の時代にしか通用しないような常識や価値基準とは離れたものとして運用していくことが肝要です。そういう意味で、上述のようなアナスタシアの夫婦の定義もまた、算命学は否定するものではありません。
 
 さて今回の余話のテーマは、せっかくなので夫婦についてです。今年亡くなった著名人で、老齢の妻の亡きあと三か月余りで後を追うように亡くなった夫がいます。算命学者はこうした死に方にピンと来るので宿命を調べたところ、案の定珍しい命式の夫婦であることが判りました。こういう命式の組合せの夫婦は滅多にいないとは思いますが、実在すればこういう死に方になるのも頷けます。というわけで、なぜこの夫は妻の後を追うように人生を終えたのか、その因子が宿命のどこにあるのかを見てみます。
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