算命学余話 #R41

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算命学余話 #R41 (page 1)

 今回の余話は思考訓練の話です。鑑定技法の話ではありませんが、算命学の思想を日常生活に活かす普遍的なヒントとなる内容です。社会意識の高い方は是非お読み下さい。
 内田樹著『内田樹の生存戦略』という本の中で興味深い見解を見つけました。
 
――結婚の基本目的は「生き延びるチャンスを高めること」です。だから、配偶者を探す時の基準は「夢中になるほど好きになる」とかではない。「その人と一緒にいる方が一人でいるより生き延びるチャンスが高まるかどうか」なのです。この基準をクリアするなら誰と結婚してもいい。だってしみじみ「結婚していてよかった」と思うのは「病める時」「貧しいとき」だからです。健康でリッチなときには、配偶者なんかいなくても平気です。配偶者が切実に必要になるのは、危機的状況においてです。(p.128)――
 
 内田氏は大変柔軟な考え方の持ち主なので、こうした自分の意見もまた時が過ぎれば変わっていくかもしれないと言うかもしれませんが、現実を冷ややかに見つめる算命学はこうした意見に賛成です。
 以前の余話で同性婚の無意味さについて述べたことがありますが(余話U#89)、それはひとえに算命学が「子供が生まれない」という前提の結婚に価値を見出さないからです。男女の関係でも子供を作らないなら単なる同棲で済みます。「結婚したけど子供ができなかった」というのならそれは結果なので気にすることはないですが、始めから子供が生まれないという大前提があっては結婚もへったくれもありません。
 
 同性愛者が同性婚を認めろと訴えるのは、そこに金銭が関わっているからです。金銭は禄存星・司禄星の領分です。こうした財星に支配されている人、つまりお金の欲しい人が同性婚を法的に認めろと迫っているのであり、もし金銭上の法的優遇が男女間の結婚においても認められていなかったならば、同性愛者もまた同性婚を必要とは思わなかったことでしょう。その証拠に、実際にはほとんどの同性愛者は結婚など望んでいないと、当の同性愛者たちが語っています。禄は五徳のうちの1/5にすぎませんから、残りの福寿官印に支配されている世界の4/5の人たちにとって、社会制度がもたらす僅かな金銭的恵みはさほど重要ではないということなのでしょう。
 ちなみに、禄や財星に支配されている人を見分けるのは簡単です。1円2円が気になる人、「無料」の配布物に飛びつく人、時間を惜しまず行列に並ぶ人、新しい職場でまだ仕事を覚えてもいないのに給料の話をする人、何でもコスパで価値を量る人、お金の話を長時間しても苦痛でない人、等々です。なおギャンブル好きの人は必ずしも禄に支配されているわけではありません。この辺りの違いについては余話U#73『ギャンブル依存を考える』をご参考下さい。
 
 さて冒頭の内田氏の意見に戻ります。「その人と一緒にいる方が一人でいるより生き延びるチャンスが高まるかどうか」が結婚の第一義だというわけですが、算命学はこの「生き延びる」ことに生物として次世代に命を繋ぐことも含めますので(寿)、ここに子供を作るという行為もつけ加えたいと思います。
 仮に子供がいなくて夫婦二人の場合、まだ若ければ一方が病に倒れてももう片方がフォローしてくれるから共倒れにならない、というのがここで云う内田氏の見解ですが、夫婦が年老いて老老介護になってしまった場合、頼みの綱はやはり子供です。ヘルパーを頼むにはお金が必要なので、貧乏人の老夫婦は共倒れするしかない。その場合のセイフティネットは何と言っても子供であり、その子供に親を養う経済力なりマンパワーなりがあることが求められます。
 内田氏はまた「健康でリッチなときには、配偶者なんかいなくても平気です」と述べていますが、これも同様に「健康でリッチなときには、子供なんかいなくても平気です」に置き換えられます。そうすると、おや、配偶者も子供も、必要とされるのは病気の時と貧乏な時だということになるのでしょうか。
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