汐吹祭

 目じりを下げたハン老人は、起き上がりベッドのふちに腰掛けた。マリも起き上がり、いつものように彼を皇帝の椅子に案内した。ゆっくりと腰掛けたハン老人は疲れた表現を見せていたが、温かく柔らかいシャワーのを浴びせられると、ホッとした表情になり、目を閉じた。マリは、シャンプーを作ると肩、胸、脚へと順次シャンプーを丁寧にゆっくりと塗りこめていった。マリは、ハン老人の全身を洗い終え、萎れたペニスを左手に乗せ、右手でマッサージするように洗っていると居眠りしていたかに思えたハン老人は、パット目を見開き話し始めた。「マリ、お願いがある。聞いてほしい」マリは、突然の大きな声にびっくりしてしまった。

 

 マリは、ハン老人を見つめ返事した。「突然、大きな声出しちゃって、びっくりするじゃない。なんですか、お願いって?」ハン老人は、ちょっとマジな顔つきになり話し始めた。「近日中に、対馬の別荘に孫が遊びにやってくる。孫の誕生日なんだ。プレゼントを何にしようかと考えた。いつもは、お小遣いをやるんだが、今回は、趣向を凝らして、デートをプレゼントすることにした。そこでだ、チョ~~美人ぞろいのプラチナから3日間ソープ嬢を派遣してもらえないか?晩熟(おくて)孫にセックスの手ほどきをやってほしい。料金は、いくらでも払う。できるか?マリ」マリは、顔が固まってしまった。しばらく考えて返事した。「それは、ちょっと無理だと思います。プラチナには、派遣システムはありません。残念ですが。そう、お孫さんを、ここに連れてこられたら、いいじゃありませんか?」

 

 ハン老人は、歯に物が挟まった言い方をした。「いや、それができない。別荘は対馬だし、孫は、日本語が全く話せない。マリ、どうにかならないか?マリの力で。お願いだ、マリ。マリは、僕の女神だ。マリの力で、なんとか」マリは、困り果てた顔で首をかしげた。プラチナのシステムを勝手に変えるわけにはいかなかった。いったい、どう返事すれば、ハン老人の機嫌を損ねずに断れるかと思案した。ここはひとまず、オーナーに相談するということにした。「困った相談ね。マリは、単なる従業員なのよね~。システムを勝手に破るわけにはいかないし。それじゃ~~、一度、オーナーに相談してみるわ。ちょっと、待ってくれる」笑顔になったハン老人は、うなずいた。「そうか、ありがとう。いい返事を待っている。お金には、糸目はつけない。マリは女神だ」マリは、ハン老人の右手をとるとジェットバスに案内した。

 

サーファーヒカル
作家:春日信彦
汐吹祭
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