算命学余話 #R16

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算命学余話 #R16 (page 1 )

 キューバのカストロ死去の報道について、日本国内と国外でトーンが違うという指摘を聞きました。総じて日本の報道は、カストロの広島訪問の影響もあったせいか、彼を弱者に味方する英雄扱いしたものが多く、逆に海外(といっても西側に限る)では、キューバ危機を招いた危険な問題児扱いしたものが主流だったそうです。もちろん海外つまり欧米の価値観がいつも正しいという観点の人からすれば、日本の反応は恒例のガラパゴス現象だと笑うべきもののようですが、私は欧米の価値観には常日頃から大いに疑問を抱いているので、果たしてどちらの見解が真実により近いのか、世界の大勢の見方の方が間違っている可能性の方が高いのではないか、と疑っています。
 前回の余話#R15を読んだ方には、カストロの評価がこれほど両極端に振れる原因を彼の命式の中に読み取ることができるでしょう。特に三重中殺やそれに含まれる日座中殺は、彼の非凡な人生を強烈に暗示しているので、凡人である多くの人々に彼の評価ができると思う方がそもそも無理なのです。もちろん「非凡だ」というだけでは善人か悪人かの判別はつかないのですが、私がカストロ善人説を取る理由はやはり「相法局」の存在です。
 
 相法局が上手く消化された場合、必ず「陰徳」が残ります。世の革命家の多くが非業の死を遂げているのに対し、暗殺もされず自然死に漕ぎ着けたカストロは、その死後暴動も起きなかったことから、やはりキューバ国民の間に陰徳を残したと見做すべきでしょう。相法局を持っているからといって誰もが陰徳を残せるわけではありません。もし消化不良であれば本人の寿命や人生そのものに災いをもたらすことになりますし、そもそも陰徳を残せないのですが、カストロはそうはならなかった。彼の相法局の見事な消化状況から、その他の命式の特徴も概ね肯定的な方向で発現されたと考えられるのです。
 いずれにしても、彼に対する公正な評価がなされるのは、もっと年月が経ってからになるでしょう。まだ死んだばかりなのに、人ひとりの人生の結論を出すのは早すぎます。それが凡人による当て推量であれば尚更です。
 
 さて今回の余話のテーマは、カストロ効果で再度名前や画像がメディアに取沙汰された、カストロの盟友チェ・ゲバラです。キューバ革命はこの二人の若い革命家によって成し遂げられたと考えられておりますが、その後二人は袂を分かれ、カストロが新生キューバの建設に取り組む一方、チェ・ゲバラは次の革命を目指してキューバを離れ、ゲリラ活動を続けて各地を転戦した末に、最後はボリビアの密林で死亡しました。39歳の若さでしたから、革命家らしい横死といっていいでしょう。その若い死を悼んで若者達の絶大な人気を集め、アイドルばりのチェ・ゲバラ・グッズが今でもよく売れています。
 彼はルックスも良かった。絵になる男です。しかしカストロと別れて密林に消えた後、彼は何かを成し遂げたでしょうか。国家建設に没頭したカストロとは対照的に、その政治的・軍事的評価は今一つ見えてきません。なぜか。
 結論から言って、チェ・ゲバラの命式は驚くべきものでした。非凡という意味ではカストロに遠く及ばないのですが、異常なまでの宿命の消化という意味ではカストロに引けを取りません。とはいえ、39歳という若さで横死した人間が正しく宿命消化できたとも言い難く、算命学的には失敗した人生には違いないのですが、彼の華やかな風貌やパフォーマンス、そして「悲劇的な死」が何によって裏付けられていたのか、命式からはっきりと読み取れます。その辺りに注目しながら、チェ・ゲバラの正体を探ってみたいと思います。いや、驚きました。私は彼の世代の人間ではないので何の思い入れもありませんが、世界は随分、彼に騙されていたようです。命式はそのように語っています。
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