算命学余話 #U120玄

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算命学余話 #U112玄 (page 1 )

 先日佐藤優氏が、政治家の活動や思考のパターンはその前身を見ればあらかた見えてくるという意見を述べていて、なるほどと感心しました。その内容は概ね以下の通りです。
 
――政治家になる前は弁護士だったオバマや法学部卒の官僚出身であるプーチンは、北朝鮮のように無法がまかり通る独裁者国家とは交渉の余地無し、と頭から考えている。法律を守れない犯罪者は裁くべき対象であり、交渉したり取引したりする相手ではないというのが、法律の専門家たる彼らの基本的態度である。だから北朝鮮問題はいつまで経っても進展しない。
 しかし今話題のトランプは、北朝鮮とも対話する気があると言っている。これは恐らく本気で云っている。なぜならトランプは不動産屋なので、利益が出るなら取引するという職業的性格がそのまま表れているからだ。似たような例として、ロシアのエリツィンも元は土建屋で、経歴上、大卒のエリートがこだわる法律や思想や手続きはどうでもよく、実務的・建設的な前進や実績を第一に考える人だった。だからエリツィンの時代に北方領土交渉が進展を見たのだ。日本の田中角栄もこれと同じ。世間でエリートとされている政治家よりもこうした泥臭い分野で叩き上げられた人の方が、膠着した政治状況を打開する力がある。
 一方、これまたスキャンダルの渦中にいる舛添都知事が金銭にせこいのは、元大学教授という体質によるものだ。自分の知合いの大学教授で、交替でおごる関係にあるのは山内昌之教授だけで、それ以外の教授という肩書の人たちと飲食した時には毎回自分が支払っている。大学の先生という人種は、寺子屋時代の昔から謝礼を貰う習慣に親しんでいるので、「どうぞ」と差し出されると何の疑問も感じずに金品を受け取ってしまうのだ。――
 
 もちろん例外もいるということで山内教授の名が挙げられているのですが、少数の例外に配慮するならこの説は概ね当たっているように思われます。
 算命学による運勢鑑定の実践では、生年月日から算出する先天運と、その後めぐってくる年運・大運という後天運に加え(月運・日運は威力が小さいので通常は考慮しない)、持って生まれた宿命を正しくこなしているかを判断する「消化状況」の三本立てが基本です。先天運と後天運は宿命算出の手順を知ってさえいれば誰でもできることで、最近は入力すれば自動算出してくれるサイトもあります。だから最大の難問は三つ目の「消化状況」の判断ということになります。
 これは自動算出というわけにはいきません。正しく算出した先天運と後天運と比較して、その人が実際に歩んできた半生がこれらの宿命と合致しているのか、合致していないならどの程度ずれているのか、どれほどずれると運勢を下げるのか、寿命を縮めるのか、どう改善すれば元のあるべき道に戻れるのか、残りの人生で果たしてそれが成し遂げられるか、といった判断をしていくのは、自動算出のような答えの決まった単純作業ではないからです。
 ここで佐藤優氏の一見ユニークな見解を引き合いに出したのは、その人物の前身つまり経歴がその人の糧となり、宿命には書かれていないかもしれない新たな武器となり得ること、或いは宿命に書いてあるけれども益々それを磨き上げる経験に恵まれたこと、更には宿命に書かれている欠点を経験によって克服したこと、などを判断する「消化状況」の実例として適切だったからです。
 
 再三申し上げている通り、宿命と運命は違います。宿命は持って生まれた生年月日であり、変えたくとも変えられないものですが、運命はその字の如く運動するものであり、宿命という武器やハンデを持つ人間がいかにそれを活かすか殺すかで、いくらでも変化するものなのです。でなければ、生年月日が同じ人は全員同じ人生を歩まなければなりません。そんな筈はないのです。
 私の理解では、運命は上述した後天運と消化状況に跨るものであり、宿命は同じく先天運と後天運に跨るものです。だから宿命と運命の比率は概ね半々だと考えていますが、算命学者によっては先天運・後天運・消化状況で三等分されると考える人もいますし、もっと広く視野を取って先祖の因縁や家系運も盛り込んで複雑に考える人もいます。
 いずれにしても共通しているのは、「宿命だけでは人生を論じられない」ということであり、「宿命をどう活かして今まで生きてきたかが本論である」という見解です。だから宿命の自動算出はネットで無料なのでしょう。宿命を算出しただけではぼやけた風景しか見えてこないので、ここを無料公開したところで鑑定業者としては腹は痛まないわけです。ぼやけた風景にピントを合わせるのが我々鑑定者の仕事であり、腕の見せ所です。「占いなんて当たらない」と叫ぶ人はこうしたぼやけた風景しか提供されていないからそう言えるのであり、誰もがピントの合った風景を見定められたら、我々の出番はなくなります。
 そんな我々とても、未来についてはピントを完全に合わせることはできません。それは上述の通り、その人がその後どういう人生の選択をしていくかをいちいち追いかけはしないからです。可能性の高低を言うことはできますが、人の人生を最終的に評価できるのは、その人の人生が完全に終わった時、つまり死後のみです。
 
 さて今回の余話は「玄番」なので、運勢鑑定に真剣に向き合っている人向けのお話です。無料で得られる算命学知識のレベルの人が読むと却って誤解を深めるので、玄人志望の方に限りご購読下さい。テーマは、鑑定者はどこまで鑑定すべきか、です。
 先に触れましたが、算命学は先祖の所業や家系の流れといった世代を超えた射程をもともと持っているので、見ようと思えばどこまでも範囲を広げることができます。しかしそれをやるとキリがないですし、そもそも依頼人がそこまで求めない。現代人は自分とせいぜい家族二世代までの幸福しか関心がないので、「あなたのご先祖にこういう所業があったのが今の不運の原因です」なんて伝えたところで納得などしてくれません。
 鑑定者の仕事は依頼人の苦境を緩和するための知恵を出すことなので、緩和できない知恵をいくら披露しても意味がありません。また、緩和に極めて有効な策を提示したところで、依頼人がその通り素直に従うとも限りません。そうした状況の中、鑑定者はどの程度の射程で鑑定をし、どこまで伝え、何を伝えないべきなのか。こうした点について、私の経験を踏まえて考えてみます。
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