算命学余話 #U115

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算命学余話 #U115 (page 1 )

 前回の余話#U114では、その前の#U113の干支暦の事情を説明するためにやや専門的な細部にフォーカスしました。日付や暦の境目に接するような命式は、前回の鑑定事例のように実は紙一重の差であり、どちらに転んでも同じ結末に落ち着くという例が大半です。それでも双方から眺めた場合、宿命消化が厳密にはどう違ってくるかは、この事例でよく判ったかと思います。結果は同じでもプロセスは微妙に違う、その理屈を理解するためには良い例となりました。
 
 事例の人物は薬物の継続的使用の事実が上がっているので、読者には壬水ではなく戊土を取る方に軍配が上がると考えた方も多いかと思いますが、毎度繰り返しますが曲財局だからといって必ずしも薬物に手を染めるとは決まっていません。曲財局については余話#U73「ギャンブル依存を考える」に詳細を書いたのでそちらを参照して頂きたいですが、本来は陽占における木剋土が基礎にあるので、なにも依存対象が薬物だとは限りませんし、そもそも依存症に陥るとも決まっていない。要は幸福と財産が対立している構図であり、幸福が勝っていれば災いの出ないことは既に解説した通りです。
 曲財局は幸福が弱まると代わりに財運が暴走する命式ですから、まっすぐ薬物に直結するのではなく、まず金銭の出入りあってこその依存症の発症なのです。極端な話、逮捕されて収監されてしまえばお金を使えませんから、自然と依存症は止みます。貯金と収入がゼロになっても止みます。全ての原動力は財なので、この元栓を断ってしまえば一件落着するのです。
 算命学の学習者には、このように末端の結果に注目するのではなく、症状を起こしている原因の方に目を向ける習慣をつけて頂き、問題を引き起こしている元栓を断つことで問題解決につなげてほしいです。「この星並びだとこうなります」と結果だけ依頼人に伝えたところで、問題解決の足しにはなりません。なお、円推局と推逆局については余話#U10を参照下さい。
 
 さて今回のテーマは星の輝かせ方です。前回#U114の事例でも触れたように、命式に描かれている災いの芽を摘みとるのは、基本的には周囲の人間です。自分自身の努力で摘み取ることもできますが、算命学の宿命は人間関係を表したものなので、自分一人で動くよりは周囲の人間に動いてもらった方がラクですし、星の輝きも大きくなります。わかりやすく話を単純にするなら、人体図の中央星は自分だけれど、残りの上下左右の四星は自分以外の人々だということです。1対4ならどちらが威力があるかは明白です。
 
 「星の輝き」とは何か。よく「あの人は輝いている」とか「オーラがある」とか言われますが、算命学の表現では、持って生まれた特性(=星)を活かした生活をしていれば自ずと宿命消化が進み、発運して人生が輝く、ということになります。だから星が輝くとは人生が輝くことであり、逆に星がくすんでいたり全然活動していなかったりすると、宿命消化が進まず運勢は停滞して澱みます。
 では「星がくすんだり全然活動していない」とは、実際にはどういうことか。星が人間関係を意味しているというのなら、くすんだ星は病んだ相手であり、活動していない星とは没交渉の相手ということです。どうですか、そろそろ青ざめてきましたか。現代人は昔の人に比べて人間関係が希薄だと言われますが、その希薄さこそが運勢の停滞を引き起こしているのです。わずらわしい人付き合いを敬遠すればするほど、あなたの命式の星のいくつかは活動できないまま放置されるのです。当然その澱んだ空気は命式全体の輝きをも曇らせます。だから孤立や引きこもりはロクな結果を生まないのです。
 というわけで、星を輝かせるためにどういう人と関係を密にすべきか、について考えてみましょう。なお類似の考え方は余話#U8でも触れているので、そちらもご参考下さい。
 
 人体図における人物は、まず人体図のマス目の場所が考えられます。基本なのでざっと流しますが、頭部が親や指導者、左手が兄弟や同僚、腹部が子供や部下、右手が配偶者や共同経営者です。胸部はもちろん自分自身です。ここで注目したいのは、家庭にあるのと社会(職場)にいるのとでは、親と指導者(上司)、兄弟と同僚といった具合に対象が変わってくることです。しかしそれは所変われば当然そうなるもので、会社には自分の家族は普通いませんし、家庭の中に仕事仲間はいません。どういうステージで物を見るのかを定めれば、自ずとどの人物を意味しているかは絞れてきます。
 次に、人体図のマス目に実際に入っていく十大主星自体が表している人物というのがあります。これも基本中の基本なのですが、実は余話#U112で「愛と財が同根である」という冷ややかな真理を論じた時に、愛と財を司る禄存星・司禄星の意味する人物がなぜこの人物なのかという話が初耳だという反応がありました。確かに禄存星と司禄星は他の星に比べて間接的な発想が必要な人物を意味していますが、これが判っていないと星の輝かせ方も何もなくなってしまうので、ご存知ない方のために他の星々についても説明します。それはもちろん、星全体を輝かせるために是非とも知っておかなければならない情報だからです。
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