算命学余話 #U100

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算命学余話 #U100 (page 1)

 職場にいる「大人のアスペルガー症候群」社員に悩まされている友人が、実に示唆に富んだ意見を吐露してくれました。曰く、「コミュニケーション障害を扱った本はどれも、暖かく見守ってあげましょう、みたいなことしか書いてなくてガッカリした。ダメなあの人がダメな理由や病名など私にはどうでもいい。あの人に迷惑かけられているあなたは間違ってはいないのだから正直に迷惑だと言ってみよう、と励ましてくれる本はないものか。現に私はダメな人のお蔭で仕事で足を引っ張られストレスになっているのに、世間はダメな人に肩入れするばかりで、私のストレスは一向に解消してくれないのだ」。さすがわが友、正論であります。
 
 基本的な社会能力を成人するまでに備えることができずに大人になった人間を、科学的とはいえない曖昧な判断基準で病人と診断する。その筆頭が鬱病であるわけですが、その基準の拡大解釈により国民の2人に1人が精神疾患というばかげた認識がまかり通る世の中を、私は算命学の観点から厳しく批判してきました。前回の余話#U99然り。余話#U15「鬱病を斬る」に至っては、これまでの99の講話の中でもダントツの売上を誇ります。それだけ賛同者が多いということでしょう。
 わが友人のように、自分の考えに則して社会風潮を疑問視している人は案外多いということです。2人に1人が精神病の国が回るはずはないのです。常識から考えれば判りそうなものなのに、なぜ多くの人は気付かないのでしょう。それは、彼らが自分の頭で考える(印)ことをせず、誰か権威のある人(官)の言うことや単なるマスコミ情報を鵜呑みにし、更にその鵜呑みにした情報を、さも自分の高い知見かのように周囲に披露してみせる(寿・禄)からです。試しに返してご覧なさい、「その意見は誰が言っていたもの? 科学的根拠はなに?」と。即答できなければその人は借り物を鵜呑みにする人であり、自分の頭で考える習慣のないダメ人間の一味です。自分の頭で考えた意見を持っている人は即答できます。その答えに至った判断材料と経緯が脳内にあるからです。
 
 学校教育の弊害なのか、予め答えのある問題ばかり解くことを訓練された現代人の多くが鵜呑み体質に陥っており、それはつまらぬ虚栄心(官の陰転)に支えられて、どこかの権威ある人の見解を自分の見解であると錯覚して周囲に吹聴してしまっている。権威ある人とやらが本当に真実を語っているかも判らないというのに、誰に得するわけでもないあやふやな意見をさも常識であるかのように広めてしまう。広めているのは鵜呑み体質の人たちです。こういう人たちをダメ人間と認識せずに、そのダメ人間がダメ人間を擁護する浅い見解を、現実に通用する真実として受けとめる必要などあるでしょうか。
 
 私は算命学の五徳の印の見地から、こうしたまがい物の知識が世にはびこる仕組みは感覚的に把握できますが、一般の人にとっては信憑性が湧かないかもしれません。そんな人には、専門家であるお医者さんによる科学的、経済的解説の方が馴染みやすいでしょう。自らを「やくざ医者」と呼ぶ内海聡医師は、こうした過剰な精神病診断について怒りの内部告発を、『精神科は今日も、やりたい放題』で熱く語っています。曰く、「鬱病はわがまま病である」、「非科学としての精神医学」、「精神疾患という詐欺」、「隠れ蓑としての発達障害」。2人に1人も鬱病のわけがないと自分の頭で考えている人には、どれも心が浮き立つフレーズですね。
 
 内科医である内海氏は、病気ではないちょっと落ち着きのない子供や内気な子供を、発達障害や精神病と診断して薬漬けにし、その薬によって本当に病気になった挙句死んでしまう例の多い医療の現状を、死亡者数や薬品の依存度・副作用率の比較、その他諸々の科学的データを掲げて客観的に分析しています。
 現在鬱病の薬として処方されている一般的な薬品ひとつ取っても、その依存度は麻薬にひけを取らず、麻薬の王様ヘロインやコカインには及ばないものの、大麻やLSDやエクスタシーより依存度の数値は高いとデータは語る。患者は明らかに薬物中毒になっているから、いつまでたっても健康を取り戻せない。そんな患者に更に強い薬を処方して儲ける医者は殺人鬼ではないのか。しかもそんな医者を家族が本当に信用してしまっているのはやむを得ないとして、そうではなく、自分の思い通りにいかない子供や老人を都合のいいロボットに仕立て上げるために間違いを承知で医者に加担するとか、更に救いがないのは明確な意志をもって医者に薬殺させる、とかいうホラー映画顔負けな事例も少なくない。
 「(隠れ蓑としての)発達障害」とは、まさに「大人たちが子育てにおける自分たちの無能を隠すための隠れ蓑」なのだと内海医師は看破しています。同様の見地から、私は冒頭のダメな大人について、彼らは「自分の無能を隠すため」に鬱病その他の精神疾患があることを誇示している、だから鬱病患者は自分の病気を隠すどころか誇らしげにひけらかすのだ、と申し上げたい。もちろん中には本物の鬱病患者もいるでしょう。でもそんな人は自分がウツであることを自慢げに語ったりしないし、それどころか自分がウツであることも認識できないほど脳にダメージを負っているはずです。一体どちらを社会は助けてやるべきでしょうか。本当にビョーキなのはどちらでしょう。ビョーキな人々をのさばらせることで、周囲の健康な人々が無用なストレスを募らせる社会であっていいものでしょうか。
 
 上述の友人は、私の記事を読んで笑ったり、溜飲を下げたりしているそうです。人は笑うと血糖値が下がり、免疫力も上がることが科学的に証明されています。大麻並みの薬物に依存して健康を目指したり、つまらぬ虚栄心を満たして歪んだ笑いを得るよりも、私の拙い記事を読んで健康に近付く方が、まだしも安全で安上がりだと思うのですが、皆さんはどのように感じられますか。
 今回の余話のテーマはせっかく精神病の話題が出たので、算命学が考える精神病の原因の1つである心的矛盾についてです。といってもそれほど新しい話題でも珍しい技法でもありません。上級技法の1つである局法について、精神的葛藤という角度からアプローチしてみるだけです。
 局法についてはこれまでに幾つか取り上げてきましたが、その成立ちの基本理念と種類をざっと総覧して、その中でどの局に該当すると心的矛盾が強まるのかを、理屈を「考えながら」紐解いていきます。もちろん「この局に該当したら必ず精神を病む」という類の話ではありません。そういう可能性があるが、それはどういう理屈によるものなのか、という話です。自分で物事を考えて納得する習慣のない人が安易に鵜呑みにしないよう、例によって購読料を上げてありますので、ご注意下さい。
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