算命学余話 #U70

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算命学余話 #U70 (page 1)

 寄生虫学や感染免疫学がご専門の藤田紘一郎氏の著書『血液型の科学~かかる病気、かからない病気』によれば、血液型は人間の性格に影響を及ぼしてしているという。曰く、「腸は動物の進化の過程で最初に出来た臓器です。腸の周りに脳が生まれ、続いてその他の器官ができました。脳の情報は脊髄と自律神経を通じて腸管粘膜の中にある神経細胞にすべてが伝達されます。「腸は第二の脳」といわれている由縁です。腸には血液型物質が非常に多く含まれており、その腸が脳と密接なつながりを持っていることを考えると、血液型は体質や性格にも影響を与えていると考える方がむしろ妥当ではないでしょうか」。
 
 ABO式血液型は、最初にその識別物質が発見されたのがたまたま血液内だったため「血液型」と命名されたが、実際には腸にもその他の臓器にも同様の物質が存在し、それらをひっくるめて考えなければならないという。ABO式血液型は人間以外の動物にもあれば植物にもあり、抗A抗体や抗B抗体といった免疫その他に大きく関与しているため、動植物を食する人類にとって自分の血液型と相性のいい食物というものは確かにあるのである。
 例えば原初の人類はほぼ全員O型であり、これは抗A抗体も抗B抗体も持っている型なので免疫力が最も強く、原初の人間の食生活である狩猟採集から得た食物の摂取に適した胃腸を持っている。逆にいえば家畜肉や小麦などの農作物の消化に弱さがあるというわけだ。
 家畜肉の代表であるブタはA型の動物であり、同じA型の人類はこれと相性がいいが、B型の人類は抗A抗体を持っているのでブタ肉を摂取すると体内で異常と判断されて闘ってしまい、一種のアレルギー反応を起こす。つまりB型人間は免疫的にブタ肉とは相性が悪いのである。B型は遊牧民に多く、羊肉や乳製品とは相性がいい。
 そして抗A抗体も抗B抗体も持たないAB型は最も免疫力が弱い無防備な体質であり、逆に言えば苦手な食物というのはあまりない。体内に抗体がないのでどの食物もまんべんなく食べられる。しかし何でも受容できるということで感染症には圧倒的弱さを誇り、全世界にAB型が少ないのは天然痘や梅毒などパンデミックで地域によってはほぼ全滅したからだという。尤もAB型が例外的に強い感染症にコレラがあり、どういうわけかコレラだけは生き延びる。ABO式世界はうまい具合にバランスがとれているわけです。
 
 なかなかショッキングな話ですね。ご自分の血液型と相性のいい食物やかかりやすい病気について詳しく知りたい方は是非お読み下さい。藤田博士はこうも語っています。
 「昨今のテレビには医師たち20人が素人の意見に答える番組があり、血液型によってかかりやすい病気がありますかとの問いに対し、全員の医師がノーと答えた。全員勉強していないことが判ります。現役医師としてお粗末です。」
 なかなかツッコミの厳しい免疫プロフェッショナルのお言葉です。藤田博士の考えでは、食物ひとつ、感染症ひとつとっても血液型によって得意不得意があるのだから、それにともなった体質ひいては性格の違いが出てもおかしくはない。判りやすい例としては、感染症に対する免疫で最強を誇るO型は人ごみに混じっても簡単に病気をもらわないし、未開地に行っても風土病に対する抵抗力がある。だから大らかで活動的になる。真逆のAB型が集団を避けて単独行動を好むのは、自分の免疫力の弱さを本能的に知っているから人との距離を置きたがるのではないか。なるほど、実に合理的な解釈です。だから免疫のプロとして藤田博士は、血液型による性格の違いを否定しないのです。
 
 算命学の立場から、私も血液型による性格の違いを支持しています。どんな違いであれ、ほんのわずかでも違うということは、その人の運勢に決定的に影響を及ぼします。ただその影響が人知の及ぶ範囲でないから見えないだけです。
 ただし巷に横行する血液型性格判断や今日の運勢については否定的です。何を根拠に今日のA型はどうなるとか判断しているのか私には判りません。何か統計でもとった上での判断なのでしょうか。ABO型物質の発見は百年前ほどなのですが。AB型の次に免疫力の弱いA型は、これまた例外的にペストに対してのみ強いそうですが、世の中をペストが席巻しているときに「今月のA型は健康運に期待が持てそうです」とか書かれていたら、そりゃあ信じますけどね。細部についてはある程度の根拠を並べてくれないと、藤田博士の説のようには説得力を感じません。
 
 さて健康についての話題になったので、算命学における健康判断についても触れておきましょう。といっても鑑定技術にまでは言及しませんが、一般に健康判断は散法の害を使いますから、そもそも害とは何か、なぜ害が健康に影響するのかを、地球規模の話として紐解いてみます。比較対象として合法の支合についても触れます。
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